あい の商品レビュー
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読んでよかったです。 関寛斎とあい夫妻の一生(メインはあい)を 描いている作品です。 関寛斎の百姓から医者になったところが 百姓から看護師になった私と少し被る部分があり 惹かれました。 以下心に残った言葉 ・人たる者の本分は、眼前にあらずして、永遠に在り 2023.04.30~05.11
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直向きに自分の出来ることをして国に奉仕した関寛斎の妻、あい。 あいも直向きに夫を信じて支えた人であった。その生涯を描く。 自分のことは横において世のため人のためにに尽くすとは、目の前の出来ることをやることなのだと教えられた気がした。 あらすじは幕末、貧しい農村に生まれた農民...
直向きに自分の出来ることをして国に奉仕した関寛斎の妻、あい。 あいも直向きに夫を信じて支えた人であった。その生涯を描く。 自分のことは横において世のため人のためにに尽くすとは、目の前の出来ることをやることなのだと教えられた気がした。 あらすじは幕末、貧しい農村に生まれた農民のあいは、同じく農村出身の従兄弟である関寛斎と結婚する。 蘭方医学を志した関はよく学び様々な引き合いを受けるも公に尽くすことを誓い、市井の人々から慕われる。 あいは頑固な関をよく支え、八男四女を産むも、何人かの子供に先立たれやりきれなさを持ちつつも懸命に生きる。 古稀を迎えた寛斎は医者を辞め、妻と共に北海道の開拓団に加わることを決意する。
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残された資料を元に髙田郁独自の解釈を加えた医者であり北海道開拓の祖でもある関寛斎夫婦の物語。あえて立身出世を避け、決して楽をしない生き方を選ぶ寛斎とそんな夫を陰日向で支え尽くす妻のあい。働く喜びという価値観が確かに存在していた時代の感動の物語。
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苦手な歴史ものでも、好きな作家さんで興味のあるテーマだと大丈夫。歴史ものといっても、江戸時代後期。北海道での話はほんの僅かでしたが、主人公夫婦の生き方には憧れる部分も多くありました。 2022/1/21読了
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「医を出世の道具にはしない」という信念を貫いた関寛斎という医者は誠に尊敬すべき偉人だが、そんなかたくなな夫に慕い・支え・子をなし育てた「あい」の生きざまこそ見事である。感動した。
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高田郁さんらしい温かく誠実な主人公あいの幸せを祈りながら読み進めた。寛斎が実存の人と知り、それを支えた奥さんとして、高田郁さんにより、素晴らしい魅力をもって語られている。 ひとつ言えば、子供が次々に亡くなるのが辛かった。
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江戸時代末期に蘭方医学を学び、藩医師としての功績や戊辰戦争における功績を捨て、老年になって北海道開拓を志した医師を陰で支え続け、波乱万丈の生涯を送った妻の物語。幕末から明治への激動の時代を清く生き抜いた。
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貧しい農家出のあいが貧しくとも這い上がり医師となった 寛斎と結婚し、お互い慈しみ合い人生を遂げていく。 不器用で人に誤解されやすい夫を理解し、愛し、見守る。 北海道開拓という途方もないチャレンジにもあいは夫について行く。支え合う夫婦の愛の形が静かに営まれていく。 心が温まる。
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貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な娘にそだつ。十八歳で親の決めた男、関寛斎と結婚。 激貧の村から必死の思いで医師となった寛斎は、出世に目がくらむことも無く、患者の為に医療の堤となって生きたいと願う。 あいは、結婚後も夫を先生と呼び、信頼と尊敬で日々を過ごす… 富めるとき...
貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な娘にそだつ。十八歳で親の決めた男、関寛斎と結婚。 激貧の村から必死の思いで医師となった寛斎は、出世に目がくらむことも無く、患者の為に医療の堤となって生きたいと願う。 あいは、結婚後も夫を先生と呼び、信頼と尊敬で日々を過ごす… 富めるときも貧しかったことを忘れず、貧しいものには進んで手を貸し、財を成したあとも、それを北海道の開拓に使うために全て売り払う。 それに反対もせず、寄り添う姿は、素晴らしい。 関寛斎とは実際の人物だそう。 彼の資料館があるのが、ふるさと銀河線の陸別駅にあるとの事、それであの作品があるのか、と納得。 高田都作品は、このようなよくできた(今はいないと思う)妻が出てくる。このような結び付きのある夫婦になってみたいと、読んでいると思うが、きっと私にはできない。 P218 他人を貶めることでしか己を保てないものはいる 今の私には、とても響く。 P419 お前は1人の男を愛し抜いた。 その男を支え、寄り添い、ともに夢を抱いて、生き抜いた。 それ以上に尊いことはない。 あいの最期を迎えるあたりは、涙がとまらず、泣けて泣けて… ともに寄り添う、書くのは難しくない。 けどここまでのことをできる夫婦は、まずいないと思った。 子を12人も産み、半分を喪い、それでも夫と生きていく。 心の底から、最初から最後まで、夫を尊敬する人生。今の時代にこれをするのは難しい、でもできる人は、本当に素晴らしい。 素晴らしい、としか表現出来ない自分の語彙力のなさが恨めしいが、よい作家に出会え幸せです。 これからも読み続けたい1人です。
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夫である関寛斎もすごいが、八男四女を生み続けたあいがすごい。しかも最後の出産は47歳。そのうちの何人をも亡くしている。 それだけでも壮絶なのに、百姓として、医者の妻として、嫁として、母として、開拓者として、なによりもその時代の女としての生きざまがすごすぎる。 当時の移動についても読んでいるだけで疲れがにじむ。 銚子から徳島へ、徳島から北海道へもひと仕事だが、日々の畑仕事のため片道三時間半の道のりを歩いて行き来するなんて、想像もできない。 たかだか百数十年前の話なのにね~。 とりあえず現代に生を受けられた自分に、ホッと胸をなでおろしてしまう。
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