あい の商品レビュー
久しぶりに、高田郁氏の作品を読んで、やはり上手さと独特の温かさや人間味に感動。 幕末から明治時代にかけて蘭方医として活躍しただけでなく、70歳を過ぎてから北海道の開拓事業に転身した関寛斎を、妻あいの視点から描く物語。 私自身は、こういった歴史的な読み物が実は苦手であるうえに、関寛...
久しぶりに、高田郁氏の作品を読んで、やはり上手さと独特の温かさや人間味に感動。 幕末から明治時代にかけて蘭方医として活躍しただけでなく、70歳を過ぎてから北海道の開拓事業に転身した関寛斎を、妻あいの視点から描く物語。 私自身は、こういった歴史的な読み物が実は苦手であるうえに、関寛斎にも興味がなかったが、それでも物語として十分楽しめるので、ほぼ一気読み。 本作とは直接関係がないが、個人的に(本作に出てくる)濱口梧陵に強い興味を持ったので関連書籍を簡単に探してみたが、イマイチ読みたいと思うものに出会えず、残念。
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ああこれは確かに高田さんの本だ。久しぶりに目にする懐かしい文体に心が躍る。 実在の人物の軌跡がそこにあるからなのか、作者は淡々と寛斎とあいの人生を書き綴る。どのような悲しい出来事も、淡々と。実際に生き、多くの人がその功績を記憶しているからこそ、そこに第三者の感慨などこめられなか...
ああこれは確かに高田さんの本だ。久しぶりに目にする懐かしい文体に心が躍る。 実在の人物の軌跡がそこにあるからなのか、作者は淡々と寛斎とあいの人生を書き綴る。どのような悲しい出来事も、淡々と。実際に生き、多くの人がその功績を記憶しているからこそ、そこに第三者の感慨などこめられなかったのだろうか。 それでも、あいは途方もなく魅力的な女性…いや人間として、物語全編に光を投じていた。 読み終えて反芻した、あいの人生。何もなすことなく終えてゆく人の生の、はたして何倍生きたことだろう。 歴史に記録されなかった人の生に、本当の生の意味を知らされたのだと、心がうなずいた。
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清貧と夫婦愛.道産子なので関寛斎の名は少しだけ知っていた.本作はその妻,あいの物語.寛斎の生き様に胸を打たれたが,それでも少し家族を省みてもバチは当たらないのでは・・きっと偉人の所業は僕のような凡人には理解できないのだろう.しかし偉人を陰で支えたあいの深い愛情は万人の胸に響く. ...
清貧と夫婦愛.道産子なので関寛斎の名は少しだけ知っていた.本作はその妻,あいの物語.寛斎の生き様に胸を打たれたが,それでも少し家族を省みてもバチは当たらないのでは・・きっと偉人の所業は僕のような凡人には理解できないのだろう.しかし偉人を陰で支えたあいの深い愛情は万人の胸に響く. 以下あらすじ(巻末より) 上総の貧しい農村に生まれたあいは、糸紡ぎの上手な愛らしい少女だった。十八歳になったあいは、運命の糸に導かれるようにして、ひとりの男と結ばれる。男の名は、関寛斎。苦労の末に医師となった寛斎は、戊辰戦争で多くの命を救い、栄達を約束される。しかし、彼は立身出世には目もくれず、患者の為に医療の堤となって生きたいと願う。あいはそんな夫を誰よりもよく理解し、寄り添い、支え抜く。やがて二人は一大決心のもと北海道開拓の道へと踏み出すが…。幕末から明治へと激動の時代を生きた夫婦の生涯を通じて、愛すること、生きることの意味を問う感動の物語。
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初めて存在を知った関寛斎という人物に感銘を受けただけではなく、その妻を通した壮大な家族愛の物語に文句なしの感動。やはり高田郁はいい。
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大好きな高田郁さんの文庫新刊ということで、出たとたんに買いました。 寛斎もあいもまっすぐで、正しくて…。なんだか、みをつくしのときほど感情移入できませんでした。 みをつくしはシリーズだから脇役にも深い思い入れができていたのでしかたないですよね。 実在する人物であれば「弱さ」や「醜...
大好きな高田郁さんの文庫新刊ということで、出たとたんに買いました。 寛斎もあいもまっすぐで、正しくて…。なんだか、みをつくしのときほど感情移入できませんでした。 みをつくしはシリーズだから脇役にも深い思い入れができていたのでしかたないですよね。 実在する人物であれば「弱さ」や「醜さ」を描きづらいのかもしれませんね。 北海道の所をもっと長く読みたかったなと思います。 上下刊分ぐらいの長さがあれば浅田次郎さんの「壬生義士伝」のような感動が得られたような気がして惜しいでさ。
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