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悲嘆の門(下) の商品レビュー

3.6

170件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

    51

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    1

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2015/04/11

下巻の半分ぐらいで読むのがつらくなったし、まさかすごい後味が悪い話なのか、と不安になったが、最後は希望のあるラストで良かった。 正義に基づく裁きは善か悪か、物語は虚無から生まれるのかなど、テーマが深いなーと思った。 宮部さんらしい物語で、すっきりした(*^。^*)

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2015/04/11

孝太郎の変化が心配で、痛ましくて。 優しくて、真面目だからこそだもの。 人の中には、いろんな自分がいるものだけれど。 終盤に向け、だんだん読むのが辛くなっていって。 言葉とか、概念とかについても、いろいろ考えてしまう。 でも、それでも、みんな、生きていくしかない。 ううん。 生き...

孝太郎の変化が心配で、痛ましくて。 優しくて、真面目だからこそだもの。 人の中には、いろんな自分がいるものだけれど。 終盤に向け、だんだん読むのが辛くなっていって。 言葉とか、概念とかについても、いろいろ考えてしまう。 でも、それでも、みんな、生きていくしかない。 ううん。 生きていくことができるのは、ありがたいこと。

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2015/04/11

2014.4.11.英雄の書の続編。英雄〜は読んだが本当には印象に残らなかった。小難しい言葉の羅列でわかりにくい本だったが、無名僧と、ユーリで思い出した。この『悲嘆の門』は現実世界との繋がりがもっと密なので前者よりは読みやすく、途中までは惹きつけられたが、最後がなんとも言えずご都...

2014.4.11.英雄の書の続編。英雄〜は読んだが本当には印象に残らなかった。小難しい言葉の羅列でわかりにくい本だったが、無名僧と、ユーリで思い出した。この『悲嘆の門』は現実世界との繋がりがもっと密なので前者よりは読みやすく、途中までは惹きつけられたが、最後がなんとも言えずご都合主義に終わった。孝太郎の唯我独尊ぶりが鼻について仕方がなかったが、それを都筑が戒める所がすごくよかった。でも、結局、孝太郎がしてしまったことへの償いはどうするのか。それが最大の関心事だったのだが、中途半端なラストで残念。せっかく、途中までは孝太郎の所業について的を得た記述がなされていたのに。孝太郎の心の償いだけでいいのだろうか。

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2015/04/09

下巻の真ん中ぐらいまで読んで、『こんなの宮部やない…。こんな辛い話を宮部が書くようになったなんて…』と半分失望してましたが、読み終わって『やっぱ宮部やな』と一安心した作品でしたわ。

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2015/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大学生。殺人事件。インターネット。言葉。宮部さんの小説では社会派的なものが好きで、”不思議”が入ってくると急に「うっ…」となってしまうのだけど、読んでいるうちにそれもなくなっていくんだよなぁ。

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2017/11/09

上巻からの続きです。 不思議な女戦士ガラは、この世界の「渇望」と言う名の力強いエネルギーを集めていました。ガラとの取引で左目にガラと通じる不思議な力をもった三浦孝太郎。 彼のバイト先の社長鮎子は5人目の連続殺人の犠牲となります。孝太郎は鮎子を殺害した犯人を探そうとします。ガラに...

上巻からの続きです。 不思議な女戦士ガラは、この世界の「渇望」と言う名の力強いエネルギーを集めていました。ガラとの取引で左目にガラと通じる不思議な力をもった三浦孝太郎。 彼のバイト先の社長鮎子は5人目の連続殺人の犠牲となります。孝太郎は鮎子を殺害した犯人を探そうとします。ガラに与えられた魔力は、左目だけで対象者を見ると、肉眼では見えない、言葉が奏でる本当の正体が映し出されるものでした。 彼はその魔力で透視し、心の奥底の真実の声を聴きとることで真犯人をつきとめることに成功します。女社長殺しは連続殺人事件犯人と言われていたのに、真犯人はその事件をまねただけでした。女社長を殺した理由もあまりに身勝手で・・・。ガラの欲しがる大きな「渇望」をもったその犯人を 孝太郎はガラに引き渡します。ガラがその魔力で犯人を引き裂くと、行方不明のホームレスや孝太郎の先輩森永と同じように、この世から存在が消えてしまいました。 そう、所在不明の行方不明者となったのです。 もうこれで復讐はすんだはずなのに、孝太郎はこの魔力をもっと使いたくなりました。ガラは、この世の果ての<無名の地>へ連れて行かれた自分の子どもをとり戻すために、そこへ通じる「悲嘆の門」の門番との戦いに備えてエネルギーを蓄えていました。そうと知った孝太郎は、さらに連続殺人犯をみつけて、ガラのエネルギーを増強する手伝いをします。 元刑事の都築の力もかり、2人で全国あちこちにとんでいる4つの事件現場へ行きます。結果的に見つけ出した犯人たちは連続殺人犯ではなく、それぞれの犯行を連続犯にしようと目論んだ輩たちでした。目標を失い、拍子抜けた孝太郎。最後には妹同様に可愛がっていた美香を嫉妬に狂った先輩の依頼によって殺され、後悔と人間に嫌気がさした孝太郎は、ガラの魔力によって、ガラと同様の魔物「狩人」に変身し、この世界から消えて、ガラとともに、悲嘆の門へ向かいました。 「悲嘆の門、その門をくぐる者、すべての希望を捨てよ」 小説の中にはこういう一文がありました。 その通り! ガラと孝太郎が向かう<領域>の果て<無名の地>には 生きるものすべての時間を動かしている 「無」の存在がありました。 この<無名の地>に入ったが最後、二度と出られません。 我が子のためにこの門をくぐろうとした 女戦士ガラの最後も驚くべきものですが、 表と裏の言葉の存在で揺れる人間の本心にもビックリさせられました。 孝太郎同様、人間不信に陥りそうですが、 中には母性愛あふれる清らかな言葉もあり、 孝太郎の心の救いとなります。 人間ってこうでなきゃ、いけません。 魔物になった孝太郎を救う、 不思議な力をもった〈狼〉と名乗る少女ユーリ。 彼女の役割も面白く、彼女たちだけのお話も読みたいと思いました。 ガラの本性は、中世ヨーロッパの文化が生んだガーゴイルそっくり。 この作品の根底には、 その頃の魔物たちのイリュージョンな世界があるようです。 その時代のオンラインゲームをしているような錯覚すら覚えます。 ミステリアスな新分野の作品で、面白く読めました。

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2015/03/28

主人公が、あんまり好きになれなかった。ファンタジー色が強くて、ガラのキャラってどうなん?個々の殺人事件がありきたりかな?と、不完全燃焼気味でしたが、それでも一晩で読了したくらい、引っ張られました。

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2015/03/28

【2015年13冊目】 最初は面白いかなーと思ったけど、主人公の身勝手な思考に徐々にムカつき、さらに、ガラと悲嘆の門の門番の戦いの下りは意味不明。 駄作。

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2015/03/26

連続切断魔「指ビル」の事件と、女戦士ガラとのダークファンタジーとの両軸で物語は回っていきます。 この部分は、「言葉の残滓」にあてられて辟易しました。 言葉は残る。言葉は消えない。そして溜まっていく。 山科鮎子の言う、単なる憂さ晴らしでも書き手の中に残って、溜まって、発言者を変え...

連続切断魔「指ビル」の事件と、女戦士ガラとのダークファンタジーとの両軸で物語は回っていきます。 この部分は、「言葉の残滓」にあてられて辟易しました。 言葉は残る。言葉は消えない。そして溜まっていく。 山科鮎子の言う、単なる憂さ晴らしでも書き手の中に残って、溜まって、発言者を変えていく、誰も自分自身から逃れられない、というのは真理だと思う。 悲嘆の門への下りはすごいバッドエンドな予感で、えーってなりましたが、そこは戻って来れてよかったし美香が無事で良かった。 すべてが解決、万事OKってとはならないけど、それが現実的な落としどころだと思います。 ちょっと物足りない感じはしたけど。 真菜ちゃんの母親の言葉の残滓が温かく美しい光輪であることが、この物語の最も美しく優しいところです。 ここで全てが救われた気がする。 「英雄の書」の続編だということを読み終えてから知り、知っていればもっとファンタジー脳で読めたかも。 「英雄の書」の内容をもはや覚えてないのでどうしようもないけど、現実の物語にした方が読みごたえあったかも?

Posted byブクログ

2015/03/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

やはりこれはファンタジー側の話なのだが、ミステリ要素もある。とはいえミステリは別に複雑なものではなく、主人公の孝太郎が周囲で起こるそれら事件から得た負のエネルギーで変化する材料に過ぎない。だから現実世界での最後の殺人は特にリアリティが無く、これが何か(結局結末に繋がる)の複線だと判る。それでも主人公の人間性?の変化は、文字通り人が変わってしまうことの現実性を十分感じることができる。ラストは少し御都合主義的だが、元刑事からそのことについての説明も有り、納得できるようになっている。現実とファンタジーのつながりがとてもうまいところなどは、この著者ならではだ。英雄の書より面白かった。

Posted byブクログ