悲嘆の門(下) の商品レビュー
なかなか人の黒い部分が多くてちょっと読み疲れた感じが無きにしもあらず。ガラが集めた渇望も息子を取り返す事には繋がらなかった。ガラは新しい門番に…じゃあ、裁かれることなく死んでいった人の存在は一体?孝太郎が帰ってこれて良かったのだと思いたい。美香が無事だったことは本当にほっとした。...
なかなか人の黒い部分が多くてちょっと読み疲れた感じが無きにしもあらず。ガラが集めた渇望も息子を取り返す事には繋がらなかった。ガラは新しい門番に…じゃあ、裁かれることなく死んでいった人の存在は一体?孝太郎が帰ってこれて良かったのだと思いたい。美香が無事だったことは本当にほっとした。ユーリがもう少し活躍してくれるのかな?と思ったのですが「狼」には手の出せない所での話だったみたい。「言葉は発散しているつもりでも自分の中に溜まっていく」…ネットが普及し誰もが無責任に発言できる今、肝に命じなくては、と思います。
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終章以外はすべてこっちの世界が舞台なので、『英雄の書』よりはファンタジー要素が薄めです(ガラやアッシュはいるけど)。普通の大学生だった孝太郎がガラの力を借り、殺意を呼び起こすほどの渇望を目の当たりにしていくうちに、内面も外見も変化していく過程がさすが宮部さんでした。最悪の事態は回避されて、ひとまずホっとできる終わり方ではあるものの、一抹の痛みというか苦々しさが残されているのも宮部さんのファンタジーの良さだと思います。
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序盤の事件が悲惨で・・・連続猟奇殺人と思いきや・・・うん、怖い。人を人が裁くのって、怖い。その力を持ってしまうのって怖い。ましてや、「目」をもってしまうのって、怖すぎる。でも、愛する人が無残に殺されてしまったら、何を引き替えにしても、犯人を見つけ出して、この手で・・・と思ってしまうかもしれない。ラストに希望のともしびが灯されてよかった。 そう、何があっても、人は生きていくのだ。 生きていかなければならないのだ。きっと。
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「英雄の書」の続編的ファンタジーミステリー。 どのように収束させるかと思いましたが、最後の事件以外はいい感じに収まり、さすが宮部さんという感じです。 最後の事件は悲惨ではありますが、ファンタジーゆえの禁じ手の時間戻しでハッピーエンドでした。 圧倒的な力で復讐が可能になれば人が変わるのも当然で、ユーリの兄もこのように無名僧となってしまったように思います。 都築のおっさんが最高でした。
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前編は何?って思ってた私に、後編は一気に読ませるところは、さすが宮部さん、すごいわ。その世界に引き込まれました。さすが!
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英雄の書の続編。私は、未読。 確かに続編なのだろうけど、英雄の書を読んでなくても読めました。ファンタジーは、あまり好きじゃないので読まないのだけど、この本はファンタジー要素のあるミステリーなのか?と言った感じで読めた。ガーゴイルが出てくるまでは、ほぼミステリーだし。一番恐ろしいの...
英雄の書の続編。私は、未読。 確かに続編なのだろうけど、英雄の書を読んでなくても読めました。ファンタジーは、あまり好きじゃないので読まないのだけど、この本はファンタジー要素のあるミステリーなのか?と言った感じで読めた。ガーゴイルが出てくるまでは、ほぼミステリーだし。一番恐ろしいのは、化け物でも魔物でもなく人であることをいつも教えられる宮部さん作品でした。
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冒頭─── 「お兄ちゃん、元気?」 だらしなく足を投げ出してテレビの前に座り、一美が問いかけてきた。 孝太郎はキッチンのテーブルにつき、天板の上に自分の両手を置いていた。指を動かしたり、握ったり開いたりする。その動きを目で追って、左目の状態を確かめていたのだ。 瞬きは普通に...
冒頭─── 「お兄ちゃん、元気?」 だらしなく足を投げ出してテレビの前に座り、一美が問いかけてきた。 孝太郎はキッチンのテーブルにつき、天板の上に自分の両手を置いていた。指を動かしたり、握ったり開いたりする。その動きを目で追って、左目の状態を確かめていたのだ。 瞬きは普通にできる。すぐ目が潤むとか、逆に目玉が乾きやすいとか、痛みがあるとか、そんな問題は一切ない、ただ見えない。それも、瞳の奥に真っ黒な紙を貼り付けられたかのように、のっぺりと、暗いというよりはまさに黒いのだった。 ────── 上巻の勢いにつられて、下巻に突入したのだが───。 うーむ。どうなのだろう。 物語が進むにつれてファンタジーの度合いが大きくなり、現実の事件との整合性を頭の中で理解するのが難しくなっていったというか。 基本的にファンタジーは得意な分野ではないので、実際の人間世界とSF的な不可視の世界を融合させるのに抵抗があるのですな、私の場合。 後半は、まさに「指輪物語」とか、そういう世界観になってくるので、読みにくくなってしまった、私の場合。 もちろんファンタジーが好きな人は、こういった展開になっても付いてゆけるのだろうが。 そんなわけで、孝太郎が「生きてゆくよ」と呟いても、あまり感動が湧いてこなかったです、はい。 やはり、宮部さんの作品では、リアルな人間世界の問題を奥深く追及した作品のほうが、私にはあってるなと思った次第です。 ではでは、さようなら。
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5件もの連続切断魔事件はブラフだわ、森永の過去はガッツリ暗くて葛藤深いわ、止められん! ファンタジー突っ込まれた時にはどうしようかと思ったけど、まあ一通りは回収されたので良しとしようかと。
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(15-19) 上下巻をまとめて。 私は宮部作品が好きなのだが、宮部ファンタジーは苦手。時代物の不思議系はそんなことは感じないのだが、現代物で異世界に行くパターンだと、異世界に行ったとたんゲームを見ているみたいになって私が好きなファンタジーとはちょっと違う。 だからこの本を読むの...
(15-19) 上下巻をまとめて。 私は宮部作品が好きなのだが、宮部ファンタジーは苦手。時代物の不思議系はそんなことは感じないのだが、現代物で異世界に行くパターンだと、異世界に行ったとたんゲームを見ているみたいになって私が好きなファンタジーとはちょっと違う。 だからこの本を読むのは不安だった。せっかくの大作らしいのに、好みじゃなかったら嫌だなと。 でも大丈夫だった!孝太郎や都築に思い入れできたし、クマーという会社の仕事はすごく興味深かった。こんなに引き込まれて本を読んだのは久し振りだ。 上巻は読むのに2日かかったが下巻を読み始めたら止まらない。1日で読みきった。描かれているのは悲惨な事件なのに、物語に心が吸い込まれて心地良い。心配だった異世界シーン、やっぱりこの部分は好みじゃないと思ったが、分量的に少なかったのが私にとっては良かった。 ものすごく救われない気持ちになるかもと思って読んでいたが、案外さわやかな読後感で満足感を得られた。
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宮部さん、久々に読んだら、こんなことになっていたのか…。単なるミステリーでは終わらないんだね。ファンタジーとミステリーの不思議な融合…これじゃない感がなかったわけじゃないけど、読み始めたら止まらない。しかし、宮部さんは何かに怒っているのか?理不尽な悪意や、小さな幸せが踏みにじられ...
宮部さん、久々に読んだら、こんなことになっていたのか…。単なるミステリーでは終わらないんだね。ファンタジーとミステリーの不思議な融合…これじゃない感がなかったわけじゃないけど、読み始めたら止まらない。しかし、宮部さんは何かに怒っているのか?理不尽な悪意や、小さな幸せが踏みにじられることへの強い憤りを感じた。もちろん読んでるわたしも感じるわけなんだけど、宮部さんなりの決着のつけ方が、それこそ別の領域に行ってしまったような。ネット社会や今の世の中の空気をうまく捉えてるな、と思いました。そこに下町人情っぽさも絡んで、ファンタジーも加味されたら、それはやっぱり宮部みゆきの世界なんだな。「英雄の書」も読んでみようと思いました。
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