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悲嘆の門(下) の商品レビュー

3.6

170件のお客様レビュー

  1. 5つ

    20

  2. 4つ

    60

  3. 3つ

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  4. 2つ

    15

  5. 1つ

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2015/09/17

『英雄の書』の続編的物語。 ホームレスたちの失踪を追っていた、ネットセキュリティで働く若者までも失踪したところから物語は始まる。 このまま現代社会のネットいじめや失踪を描いた物語として進むのかと思いきや、言葉の生まれ出る世界世界からやってきたガーゴイルと共に、人々の渇望を狩るとい...

『英雄の書』の続編的物語。 ホームレスたちの失踪を追っていた、ネットセキュリティで働く若者までも失踪したところから物語は始まる。 このまま現代社会のネットいじめや失踪を描いた物語として進むのかと思いきや、言葉の生まれ出る世界世界からやってきたガーゴイルと共に、人々の渇望を狩るというファンタジー要素も出てくる。 twitter、blog・・・今の世には言葉を機会に溢れている。その中で負の言葉ばかりを連ねていたら、自分自身もその影響を受けて引きずられかねない。物語としてはラストに救いがあったものの、個人的には重たかった。

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2015/09/14

ガラと取り引きをしてしまった孝太郎。 今、ドラマでデスノートをやっているのもあってキラを思い出す。 みんなにはできないだろう? 僕にならわかる。僕にならできる。 仇をうつんだ。僕が代わりに裁いてやるんだ…。 こんな感じ。 正義って怖い。 戻ってはこれたけれど、孝太郎の今後を思...

ガラと取り引きをしてしまった孝太郎。 今、ドラマでデスノートをやっているのもあってキラを思い出す。 みんなにはできないだろう? 僕にならわかる。僕にならできる。 仇をうつんだ。僕が代わりに裁いてやるんだ…。 こんな感じ。 正義って怖い。 戻ってはこれたけれど、孝太郎の今後を思うとやっぱりちょっと辛い。 「おまえたちの世界には、私以上の怪物が満ち溢れているぞ」というガラの言葉。 ごもっともです…。 ただ、生きるしかない…。

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2015/09/06

上巻で皆さんの感想を目にし、『英雄の書』の続編と知り、社会派ミステリーとしてだけ読む本ではないと理解したつもりだったのだけれど、やはりそれぞれの事件が全く単独で発生している…っていうのはちょっと肩透かし。ガラというなんでもありの存在が登場した以上、トリック的なものは当然無理でも、...

上巻で皆さんの感想を目にし、『英雄の書』の続編と知り、社会派ミステリーとしてだけ読む本ではないと理解したつもりだったのだけれど、やはりそれぞれの事件が全く単独で発生している…っていうのはちょっと肩透かし。ガラというなんでもありの存在が登場した以上、トリック的なものは当然無理でも、何かしらの共通項のある悪意の犯人達であって欲しかったなぁ、と思ってしまった。

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2015/09/06

下巻はストーリーに引き込まれすぎて、ちょっとしんどくなった。 ガラに目の力を返す直前に見た真菜ちゃんの天使の輪っかのとこだけかな、温かい気持ちになれたのは。 言葉は発信されると同時にその人の内部に蓄積する、なるほどって思った。 言葉の力、良くも悪くもなるってことだね。 けっこう...

下巻はストーリーに引き込まれすぎて、ちょっとしんどくなった。 ガラに目の力を返す直前に見た真菜ちゃんの天使の輪っかのとこだけかな、温かい気持ちになれたのは。 言葉は発信されると同時にその人の内部に蓄積する、なるほどって思った。 言葉の力、良くも悪くもなるってことだね。 けっこう心にズッシリきた一冊でした。

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2015/09/04

現実世界の事件・出来事が「いかにもありそう」なものなので、<領域>世界のファンタジーさがより際立ってしまったというか…まぁ、言葉は業であるというのは真実ですけどもね。正義とは何か、私刑の功罪についても考えさせられた。ラストに明るさを残しつつも、ちょっと肩透かしな感じもしたかな。で...

現実世界の事件・出来事が「いかにもありそう」なものなので、<領域>世界のファンタジーさがより際立ってしまったというか…まぁ、言葉は業であるというのは真実ですけどもね。正義とは何か、私刑の功罪についても考えさせられた。ラストに明るさを残しつつも、ちょっと肩透かしな感じもしたかな。でもまぁ宮部氏らしい、優しさのある作品だったと思います。ただ、『英雄の書』のストーリーをまったく思い出せなくて、その分楽しみが薄れた感が募ってしまった(^^;←でもきっと再読はしない

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2015/08/31

猟奇的な殺人事件が立て続けに発生。 サイバーパトロールをする民間会社でアルバイト中の大学生・幸太郎は、インターネット上に溢れる膨大な情報の中から犯人に繋がるネタを必死に探す。 そんな最中、幸太郎の周辺でも不穏な出来事が頻発し、元刑事・都築と出会う。 ファンタジー作品、『英雄の書...

猟奇的な殺人事件が立て続けに発生。 サイバーパトロールをする民間会社でアルバイト中の大学生・幸太郎は、インターネット上に溢れる膨大な情報の中から犯人に繋がるネタを必死に探す。 そんな最中、幸太郎の周辺でも不穏な出来事が頻発し、元刑事・都築と出会う。 ファンタジー作品、『英雄の書』の続編。 続編というほど前作を引きずってはなく、『英雄の書』の世界観を引き継いだ別の物語。 『英雄の書』はがっつりファンタジーで、そしてそれが何かの二番煎じのように感じてしまって楽しめなかったけど、この作品は事件を解決するサスペンスの部分が充実していたので入り込めた。 サスペンスとファンタジーがちょうどよく融合していると思う。 人が発する“言葉”は知らず知らずのうちのその人の本質を形成する。 それは“業”のようなもの。----- そんなことがテーマになった作品。

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2015/08/31

孝太郎がガラと取引をしてどんどん突き進んでいくのは恐ろしい思いをした。人間の「言葉」「思考」など蓄積しているのが見えるようになって怪奇めいてきたし。尊いものを思い出して標にして現実の世界を思い出し最後は。。作家として宮部さんが言いたいことをファンタジーにした感じの本でした。

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2015/08/28

「正義」の名の下での私刑。 ネットの歪んだ世界。 身近な問題と異質な世界が混在。 ちとスケールでかすぎたかな。 少し間をおいて「英雄の書」から読み返してみたい。 【図書館・初読・8/28読了】

Posted byブクログ

2015/08/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

孝太郎がガヤの力を使って、犯人を消してしまったあと、「(消してしまったから)クマーの人達の晴れやかな顔は見れない」って少しだけ後悔?するシーンが印象的だった。どんな凶悪犯でも復讐はダメで、法の裁きを受けさせる意味はそこにあるのかなと。逮捕されれば=被害者家族や周りの人が救われるなんてことはないけれど、確かに1つの区切りにはなる。それを誰かひとりが、勝手に完結してはダメなんだよなぁと。 物語自体は面白かったと思う。宮部作品らしく、人間の心の闇とか、弱さが描かれていて。 でも「火車」とか「模倣犯」とかの心から締め付けられるようなあの読後感を得られることはなかった。あ、「英雄の書」を読み直さなきゃ。

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2015/08/20

悲嘆の門。字が意味するところは嘆き悲しみの門。 孝太郎の成長記とも言えるだろうか。現実の事件と絡めつつ、憧れの人の死によって暴走してしまい後少しのところで踏みとどまり、大人の世界を知った。英雄の書で活躍したユーリが無名の地と現実との橋渡し役として出てきたところで一気に読むスピード...

悲嘆の門。字が意味するところは嘆き悲しみの門。 孝太郎の成長記とも言えるだろうか。現実の事件と絡めつつ、憧れの人の死によって暴走してしまい後少しのところで踏みとどまり、大人の世界を知った。英雄の書で活躍したユーリが無名の地と現実との橋渡し役として出てきたところで一気に読むスピードが上がった。

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