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イノセント・デイズ の商品レビュー

3.8

121件のお客様レビュー

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    23

  2. 4つ

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  3. 3つ

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2016/06/17

感想を正直に表現するなら「うおおおぉ、うわーん、うわーん、あぎゅううぅ、うおーん、ばぁーん、ぶだぁー、うっうっうっ、うー」って感じです。本書を読めば、なぜこんな表現をしたか分かってもらえるはず。言葉にできない感情が読者を襲うからだ。そしてこの物語が完全なフィクションであることを願...

感想を正直に表現するなら「うおおおぉ、うわーん、うわーん、あぎゅううぅ、うおーん、ばぁーん、ぶだぁー、うっうっうっ、うー」って感じです。本書を読めば、なぜこんな表現をしたか分かってもらえるはず。言葉にできない感情が読者を襲うからだ。そしてこの物語が完全なフィクションであることを願うが、きっとノンフィクションな事例はあるのだろうと思ってしまう。これも偏見かもしれない。偏見が人の人生を狂わし、死ぬことを願うまでに追い詰める。死刑囚の田中幸乃の周りにいた人は彼女に小さな影響を与えた。影響を与えた当人は“大したことない”と思っているだろう。いや、影響を与えたことさえ認識していないかもしれない。幸乃にとっては、積もった塵が山となるように生きるための壁が大きくなった。そして脇道に目をやると“死”という楽園があることに気づく。死刑制度とは、警察とは、検察とは、弁護とは、たくさんのことが頭の中を回る。決して読後感は良くない。生きることについて強制的に考えさせられるような脅迫まで感じる。巻末の参考文献一覧を見ると、たくさんの文献が並ぶ。丁寧に取材した結果の作品であり、物語にリアリティーを添えている。だから分からなくなるのだ。死ぬこと、生きること、生き続けること、死なされること、生かされること。とても重い小説である。

Posted byブクログ

2016/06/06
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幸乃の人生が他人によってどんどん悪い方に転がされていくのが悲しい。 幸乃の潔白がわかっていたのは八田と慎一と佐渡山さん。翔は自分のために正義感を振りかざしてるだけ。 これを読むと自分が報道を鵜呑みにしすぎてるんだなと感じる。本当の所はわからない。難しい…

Posted byブクログ

2016/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

真実は違うのかもしれない・・・無垢で無実で不運な「必要とされること」を渇望した女がDV男に捨てられ、絶望し、自殺に失敗した直後に別の方法で死ぬ機会を授かったーそんな、救いようのない、やるせない物語。よく練られたお話だけど、読後感は当然よろしくない。ただ、考えさせられる本ではあった。真実ってなんだろう。

Posted byブクログ

2016/04/27

題名からして,主人公の田中幸乃の冤罪の物語と推測したが,彼女の少女時代の話が続き,途中でプロットの展開に戸惑った.「丘の探検隊」のメンバーだった丹下翔や佐々木慎一.幸乃の最初の恋人だった井上敬介はだらしない男だった.八田聡と敬介はパチンコに明け暮れる日々を過ごしていたが,敬介に新...

題名からして,主人公の田中幸乃の冤罪の物語と推測したが,彼女の少女時代の話が続き,途中でプロットの展開に戸惑った.「丘の探検隊」のメンバーだった丹下翔や佐々木慎一.幸乃の最初の恋人だった井上敬介はだらしない男だった.八田聡と敬介はパチンコに明け暮れる日々を過ごしていたが,敬介に新しい女 美香が出来て事態は悪くなる.ストーカー行為を続ける幸乃.放火事件が発生し,犯人として死刑判決を受けた幸乃.弁護士になった翔が接触するが,幸乃はかたくなな態度を変えない.慎一に真相を語る老婆,孫の浩明が真犯人だと.でも遅かった.幸乃の想いが暗く落ちていく感じがした.

Posted byブクログ

2016/04/24

幸薄い女性が放火殺人の罪で死刑判決を受けた後の物語。 女性と縁ある周囲の人によって、女性の人生を語らしめる という構成になっているが、 序盤から中盤、終盤を経てラストに向かう道筋の中で あえてなのか、結果的にそうなったのか悩ましいのだが 読み手の期待通りに物語が進まないようにな...

幸薄い女性が放火殺人の罪で死刑判決を受けた後の物語。 女性と縁ある周囲の人によって、女性の人生を語らしめる という構成になっているが、 序盤から中盤、終盤を経てラストに向かう道筋の中で あえてなのか、結果的にそうなったのか悩ましいのだが 読み手の期待通りに物語が進まないようになっている。 一言で言うと、ある2人の人物の仕事ぶりが とても中途半端に終わってしまうのだ。 序盤その2人と主人公は固い絆で結ばれていたはずで 中盤からラストにかけて、その動きにどうしても 読み手は期待をしてしまうのだが、 作者は読み手の期待を裏切ってしまう。 それが、現実は甘くないんだよというメッセージなのか あえて王道を外すことで心に深い爪跡を残させるためなのか。。 ここが本作の争点だと思うものの、 やはり光が欲しかったというのが正直な感想だった。

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2016/03/01
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読ませる小説、考えさせられる小説、という意味で☆4つの評価にしたけど、好みで言うとあまり好きな類の小説ではない。救いがないのはやっぱりツラいねんなぁ ー以下ネタバレー 自分が幸せかどうかってのは自分の心の持ちようで決まる。種々の自己啓発本にも書いてあることで、ポジティブ・シンキングってのは、自分の気持ちを整える事で出来るようになる要素が強い。 でも、「ポジティブ」であってはならない、と幼いころからずっと刷り込まれるように教育されてきたとしたら、その人はいきなり「ポジティブ」になれるのだろうか?幸せになれるのだろうか? 田中幸乃は、ちょっとしたきっかけで幸せ側に舵をとる人生も歩めたとも思える。不幸要素は多々あって、特に幼少期は自分でどうしようもなかったんだろうけど、成人してからの彼女は自ら求めて不幸になっていく傾向が強い。もう不幸が日常になっていて、そこにしか居場所がないようになっていたんだなぁと。 可哀そうになるが、誰にもどうしようもない悲劇も世の中には一杯転がっている。手助けすらままならない不幸に対して、他人は実に無力である。その救いようのなさを突きつけられた思いがする。 だから、この手の小説は好きになれないんだろうな

Posted byブクログ

2016/02/22
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※このレビューにはネタバレを含みます

結局彼女がしたと思われていることはほとんどやってないことだらけじゃないか・・・。 だけど、ストーカー行為は良くない。 異常者ってことには代わりはない。 信じてくれる人がいるのに、真犯人はいるのに(そいつ、つかまってない!)自分が死ねば良いと思うのは傲慢だ。 何か後味の悪い話だった。

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2017/01/28

2016/1/19 こんなにも無情な世の中で、いいのかな。 本が好きな女の子に訪れる度重なる不運。弱い者は悪を引き寄せてしまうのか? 読んでいて苦しくて悲しくて光が見えたかと思いきや閉ざされれて。 元恋人の家族にたいして放火殺人を犯した幸乃の話。

Posted byブクログ

2016/01/03

エピローグまでは星5つ。でもエピローグが・・・。 読み終わった後、よかったって思いたかった。救いがなさすぎる。

Posted byブクログ

2015/11/20

連鎖、共感、環境、信念、ずるさ、心根、ひとが何かの行動をするときに、自分だけの意思ひとつでなにかできることなんてほとんどないとおもう。見えていることは全てが結果にしかすぎないし、そこに至るところには真実でないものが積み重なっていることを十分に覚悟するべきなのだとおもう。

Posted byブクログ