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明日の子供たち の商品レビュー

4.2

507件のお客様レビュー

  1. 5つ

    181

  2. 4つ

    189

  3. 3つ

    84

  4. 2つ

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  5. 1つ

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2018/10/17

終盤の発表のシーンで前触れもなく不意に泣きそうになって、驚いた。可哀想って言葉自体は、悪い言葉と決めつけて過剰に排除しない(マリみてに於ける緒雪先生のスタンスのような)方がわたしはすき。当たり前に反発する気持ちが正直わからない。ひととして欠けているのかもしれないけれど、自分なら事...

終盤の発表のシーンで前触れもなく不意に泣きそうになって、驚いた。可哀想って言葉自体は、悪い言葉と決めつけて過剰に排除しない(マリみてに於ける緒雪先生のスタンスのような)方がわたしはすき。当たり前に反発する気持ちが正直わからない。ひととして欠けているのかもしれないけれど、自分なら事実として受け入れてしまいそう。多分、問題はその言葉の使い方なのかなと考えたら、受け止め易くなった。

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2018/10/15

社会人3年目、ドキュメンタリーに触発され突然、児童養護施設へ転職したちょっと天然で、空回りしまくりの主人公が外から内に入ることで、少しずつ児童養護施設の現状を理解し、置かれている現状を打破するために前傾姿勢で走り続けます(^^) 児童養護施設は『かわいそうじゃない』っという世間の...

社会人3年目、ドキュメンタリーに触発され突然、児童養護施設へ転職したちょっと天然で、空回りしまくりの主人公が外から内に入ることで、少しずつ児童養護施設の現状を理解し、置かれている現状を打破するために前傾姿勢で走り続けます(^^) 児童養護施設は『かわいそうじゃない』っという世間の認識とのギャップは読み進むうちに、自然と涙が・・・有川浩の心暖かく、ちょっと恋愛ありのほっこりした本でした♪

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2018/10/12

4.5 有川浩さんの作品を殆ど読んでいますが、手に取ったのは最後の方でした。 子供達が主役の話に興味が持てなかったからですが、いざ読んでみると、相変わらずの有川節で読みやすく引き込まれていきました。 心理的な機微や描写が好きな人ならきっと楽しく読めると思います。

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2018/10/11
  • ネタバレ

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児童養護施設に中途採用されたちょっと頼りない主人公と一緒に働く職員、子供たち、関係機関。みんな真摯でステキだった。

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2018/10/04

児童養護施設の話。 児童養護施設に入っている子を「かわいそう」とは、私は思わない。むしろ救われたのではないか、と。しかし、現実には劣悪な環境にある児童養護施設もあるだろうから、一概に「よかったね」とも思えないのが残念。 こういう本を読むと、自分のお金の無駄遣いとか、時間の無駄遣い...

児童養護施設の話。 児童養護施設に入っている子を「かわいそう」とは、私は思わない。むしろ救われたのではないか、と。しかし、現実には劣悪な環境にある児童養護施設もあるだろうから、一概に「よかったね」とも思えないのが残念。 こういう本を読むと、自分のお金の無駄遣いとか、時間の無駄遣いとか、もっと世のため人のために出来ることがあるのではないか、と思う。思うだけで行動はしない。安易に行動できない。生半可な気持ちで爪の先だけ突っ込む、みたいなことをしていいのかな、と思う。 こういった施設で働きたい、とも思うけど、私なんかに何が出来るというのかとも思ってしまう。 虐待されたり、ネグレクトされたりしても結局はその親が変わったことを信じその親と暮らすのが幸せだというのは悲しい。でも、それは金銭面だけだな、とも思う。

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2018/09/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

児童養護施設を舞台に、そこに働く新人男子職員を主人公に、職員や児童を取り巻く日常を描いた物語。有川さんらしい感動と知識補填が楽しめる小説である。 「児童養護施設の小説」と訊くと、虐待だの子供同士の軋轢だの、ブラックな職場環境につぶれていく職員だの…そういうシーンを過激に演出して感動に持ち込むストーリーを想像しがち。実際そういう脚本で安っぽく作った「感動ポルノ」テレビドラマなんかもありそうで、辟易してしまって手をつけない。俺も実はそんな気持ちでこの小説に手を付けなかったのだが、良い方向に裏切られた。 虐待でツラい目にあった子も育児放棄にあった子も重要な登場人物である、職場環境に耐えかねてやめていく職員も複数出てくる、子供同士も揉めること度々。何より涙ちょちょ切れシーンもままある。 が、この本は決して「感動ポルノ」ではない。サジ加減を有川浩のような名人が間違えるはずもなく、良質の職業小説であり青春小説となっている。「感動ポルノ」と「小説の名作」がどう違うか…、その差を実感したい人はぜひ読んでほしい。 (ただし、あくまで小説なので、現実とは違ってご都合主義もあると思う。綿密な取材の跡は読み取れるが、ルポではない) 人はいろいろな環境で生きている。いろいろな経験をして生きている。自分の環境や経験から他人を推し量るのは自然にやってしまうことで普通のこと。でも気を付けておきたいのは、自分の環境や経験によってつくられた物差しが、すべてにおいて他人に通用するわけではない、ということ。 施設に住んでいるから不幸な子なのか?親と生きていないから不幸な子なのか? 高校卒で就職することと大学に進むことのリスクはどちらが大きいのか? 今、票になることに予算を割くのが民主主義という政治形態なのか? 読みやすい小説だけど…いや、だからこそ、この小説の中で訴えかけてくることは大きい。 環境や経験に基づいて生きていくは自然なことだ。でも、そのフィルターを通して他人の生き方を見ることで、その人を差別していないか?その人の価値観をぶち壊すようなことをしていないか? 感動とはまた別に、いろいろ謙虚に生き様を見直す必要があると思わせてくれた。

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2018/09/29

2018.9.28 施設職員としては、非常に勉強になりました。 猪俣先生は大変に素晴らしい先生だと思いますが、私は三田村というキャラクターがとても魅力的でした。 始めは、よくいる偽善を振りかざす熱いだけのヤツかと思いイライラしましたが、三田村の持っている素直な感覚、変な気遣いや...

2018.9.28 施設職員としては、非常に勉強になりました。 猪俣先生は大変に素晴らしい先生だと思いますが、私は三田村というキャラクターがとても魅力的でした。 始めは、よくいる偽善を振りかざす熱いだけのヤツかと思いイライラしましたが、三田村の持っている素直な感覚、変な気遣いや汲み方のない真っ直ぐさは、新鮮でした。 「俺だったら」という感覚、想像力、相手の立場に立つこと、プロになるにつれ忘れていきます。 どうしても、"してあげないと"という考え方になってしまい、同じ目線に立ててないのです。 奏子の『かわいそうじゃない』という訴えは、言われなくてもわかってるくらい当たり前の感覚として私の中にはあるけど、でも、"わかってあげないと"とか、"配慮してあげないと"とかって、すでにこちらが上に立ってしまっている。 そのことに気づくことができました。 "わかりたい"という気持ちは大事だけど、"援助"には上下ではなく、対等な関係が望ましいと思う。

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2018/09/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

目からウロコが落ちるような内容で、ぜひ多くの人に読んでもらいたいと思った。 カナのプレゼンで、困ったこと→解決できる場所→それがなくなるかもしれない→維持費はそんなにかからないはずなのに、それでも無駄なのか→自分達は将来の有権者 という話の持っていき方は、大人でも参考になると思う。 ヒサが本を2冊づつ買う。和泉先生の思い出。カナのプレゼンなど、心を動かす要素満載だった。

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2018/08/02

「児童養護施設」を扱った話。 なんだか重たい話のようで、なんだか避けたくなりそうなのに、作中で描かれている世界は、暗さや、辛さが見えながらも、どこか温かく、優しい。 他の、有川浩さんの作品と同じように。 それはきっと、「当事者」である、奏子と久志が、安心して暮らせる施設で暮らし、...

「児童養護施設」を扱った話。 なんだか重たい話のようで、なんだか避けたくなりそうなのに、作中で描かれている世界は、暗さや、辛さが見えながらも、どこか温かく、優しい。 他の、有川浩さんの作品と同じように。 それはきっと、「当事者」である、奏子と久志が、安心して暮らせる施設で暮らし、「自分は大切にされている」 と以前の環境より思えて、「必要とされている」とまでは思えなくても「誰かに必要とされる存在でありたい」と思えていて、「社会に出ても恥ずかしくない自分でいたい」と思っているからじゃないかと感じた。 読みながら、高校生の時に学校で希望者を募っていたことをきっかけに、一度児童養護施設に行ったことを思い出した。施設に着くと、ものすごい勢いで幼稚園くらいの子たちが寄ってきた。笑顔で。あれは、子どもたちに、試されていたのだと、本を読みながら、10年越しに知って衝撃を受けた。彼らにとって、どんな人間に見えたのだろう。たった1日、数時間の関わりだけれど、「やっぱり人間は信じられない」というような、失望を与えていなかったらいいな、と願う。そして、幸せに、未来を見据えて、暮らしていてほしいと切に願った。 最後まで読み、何故、有川浩さんが、この本を執筆するようになったのか知り、またまた衝撃を受けた。 この本は、一種の「種まき」であり、一種の「未来への投資」だと思う。 自分と関わりのない世界のことを知るのは、難しい。いつの間にか、勝手なイメージを持ってしまう。この本がもっと広まり、児童養護施設の理解や支援につながっていってほしいと思う。 私に確かに植えられた種に、どう水をやり、育てていくのか、考え続けたい。 そして、新たに、種を蒔くために、他の人にもこの本を強く勧めたいと思う。

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2018/07/23

児童養護施設で働くことになった新人職員、先輩職員、ベテラン職員、入所している男女の高校生、主語が次々と入れ替わる不思議な作品。 この手の小説は、それぞれのショートストーリーが最終章で全て繋がるのが定番だが、この作品ではそれぞれの章で主人公が変わるのに、自然に話は繋がっていく。 有...

児童養護施設で働くことになった新人職員、先輩職員、ベテラン職員、入所している男女の高校生、主語が次々と入れ替わる不思議な作品。 この手の小説は、それぞれのショートストーリーが最終章で全て繋がるのが定番だが、この作品ではそれぞれの章で主人公が変わるのに、自然に話は繋がっていく。 有川浩さんの読ませる力に圧倒された。 児童養護施設で生活する子どもについて、多くの人が抱いている先入観に対する価値観の転倒が見事に成功している。 あまり注目されることのない児童養護施設については、偏見が多いと思う。誇張の少ないこういう作品が広く読まれたらいいのに。

Posted byブクログ