明日の子供たち の商品レビュー
児童養護施設で日々子供たちに向き合う職員と毎日を過ごす子供たち。普段なかなか関わることの出来ない世界を知ることができます。 カナの発表がサイコーに格好いい! 『攻めに転じろ。 価値観を転倒させろ。』 グッと心を鷲掴み!! 有川さん、やっぱり最高です♪ 物語を通して言葉がスッと心...
児童養護施設で日々子供たちに向き合う職員と毎日を過ごす子供たち。普段なかなか関わることの出来ない世界を知ることができます。 カナの発表がサイコーに格好いい! 『攻めに転じろ。 価値観を転倒させろ。』 グッと心を鷲掴み!! 有川さん、やっぱり最高です♪ 物語を通して言葉がスッと心に入ってきます。 また読み返したい一冊 『人生は一人に一つずつだけど、 本を読んでたら自分以外の人の人生が 擬似体験できるでしょう。 物語の本でも、ドキュメンタリーでも。 そうやって 他人の人生を読んで経験することが 自分の人生の訓練になってることが あるんじゃないかって、先生は思うのよ』 *何て素敵な言葉♪ 良い先生との出会いも財産だなぁって思います。 「施設にいるからかわいそう」とか世間が決めつけている枠みたいのもの。知ることでそういう枠がどんどん取り払われていくと良いな。 もちろん、児童養護施設以外のことも。 これからの未来が、子供たちが生きやすい社会になりますように♪
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児童養護施設に関する本は初めて読みましたが、とても読みやすくあっという間に読み終わりました。 登場人物たちそれぞれの視点で語られることで、立場ごとの感じ方、考え方を抵抗なく受け取ることができました。 終盤の、当事者が有権者か否かによって行政が取り組む際の力の入れ方が違うというのはなるほどな、と思いました。 超高齢化社会の日本では、政治家は高齢者の票を如何に取り込むかに必死で、これからの日本を作っていく世代へのサポートは蔑ろにされている。 そういうところまで考えさせられるとてもいい作品でした。
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他人をかわいそうだと思ったり、助けてあげたいと思う気持ちは悪いことではない。しかしながら自分たちの勝手な思い込みでそう思う気持ちが一人歩きし、知らない間に人を傷つけることがあることがある。 ソフトウェア会社の営業から児童養護施設に転職してきた三田村慎平は、「だから俺もあんなふう...
他人をかわいそうだと思ったり、助けてあげたいと思う気持ちは悪いことではない。しかしながら自分たちの勝手な思い込みでそう思う気持ちが一人歩きし、知らない間に人を傷つけることがあることがある。 ソフトウェア会社の営業から児童養護施設に転職してきた三田村慎平は、「だから俺もあんなふうにかわいそうな子供の支えになれたらなぁ」と、三田村がかわいそうな子供と思っている奏子に転職理由を話す。何とも、思慮分別のないお粗末な展開であろう。「あなたは、可哀想な子だから、僕があなたの支えになってあげたいんだ。だから僕はここに転職してきたんだよ。」と言われているように聞こえる。もし、私がそのように言われたら「あなたにそんなこと言われ筋合いはない。上から目線で、何を言ってるよ。私はかわいそうでもない。」と言い返したくなりそうだ。 本作には「かわいそう」という言葉が何回も出てきている。また、私を含め、多く人に無意識に据え付けられている児童養護施設やそこに入所している子供たちに対するイメージはどんなものであろうか? 両親がいない、虐待など、家庭環境に何らかの問題を抱え、家族からの愛情を受けることができないあるいはできなくなったが子供たち。私たちはメディアなど通して児童養護施設で過ごす子どもたちに対して「かわいそう」「恵まれない」などのイメージを刷り込まれている。さらにはそういう子供たちは愛情に飢えて、心がやさぐれでいると勝手な解釈をしているのではないだろうか。少なくとも私は施設で育った子供たちが全員ではないにしろ何人かは当てはまるだろうと大きな思い違いをしていたようである。 確かに出来ること、出来ないことの制限はありそうだが、その制限が厳しいかどうかは、比較の対象となる子供たちの制限を施設の子供たちが知らない限り、彼らは、実際に自分が制限されている環境に置かれているとは感じることができない。かわいそうな環境も然りである。 そう思いながら読み進めていく中で「子供たちを傷つけるのは親と一緒に暮らせないことより、親と一緒に暮らせないことを欠損と見なす風潮だ。」の奏子のプレゼンから見つけた時、欠損であると思っていない自分たちに欠損者として向けられる視線を、彼らは敏感に感じており、その視線が彼らを欠損者にしてしまうということを作者も感じていることが解り、そしてこのセンテンスに共感した。 本作で立場が異なる人の環境というものを、理解するための考え方のようなものを学んだ気がした。 追伸: 「人生は一人に一つずつだけど、本を読んだら自分以外の人の人生が擬似体験できるでしょう。物語の本でも、ドキュメンタリーでも。そうやって他人の人生にを読んで経験することが、自分の人生の訓練になっていることがあるんじゃないかって、…」この言葉が、深く感じた。
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児童養護施設「あしたの家」を舞台としたお話。 章別でメインの子どもまたは職員についての話が展開され、長編ながらも、話の爽やかさやストレートな表現のせいか、さらっと読めてしまった。 特に新米職員の三田村と、ほか関係者とのやり取りには何度かクスッと笑わせられ、やはり有川先生って、じわ...
児童養護施設「あしたの家」を舞台としたお話。 章別でメインの子どもまたは職員についての話が展開され、長編ながらも、話の爽やかさやストレートな表現のせいか、さらっと読めてしまった。 特に新米職員の三田村と、ほか関係者とのやり取りには何度かクスッと笑わせられ、やはり有川先生って、じわじわ登場人物に惹かれさせるようなキャラ設定が上手だなぁと思ったり。
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児童養護施設「あしたの家」で育つ子供たちと、そこで働く職員たちの話。 主人公の三田村慎平は、施設のドキュメンタリーを見て、その職員と子供達のお別れのシーンに感動して、施設の職員を志望した。 新任らしい動機に、あいつむかつく。と施設では聞き分けが良い子のカナが反発する。 施設で...
児童養護施設「あしたの家」で育つ子供たちと、そこで働く職員たちの話。 主人公の三田村慎平は、施設のドキュメンタリーを見て、その職員と子供達のお別れのシーンに感動して、施設の職員を志望した。 新任らしい動機に、あいつむかつく。と施設では聞き分けが良い子のカナが反発する。 施設で育ったから可哀想と思われるのがイヤ。 ドキュメンタリーの作り話信じて、親に捨てられた可哀想な子供の支えになりたいと思っているのが気にくわない。 16歳の少女には、自分の生い立ちを憐れまれるのが我慢ならなかった。 カナの進学のこと、奨学金のこと、施設退社後支援センター「ひだまり」の存続危機などを乗り越えながら、徐々に新任だった三田村の熱意が、子供達に伝わり、信頼関係が結ばれていく。 施設の子供は親を頼るつてがなく、社会の荒波に飲まれやすいデメリットを背負いながら生きていかなければならない。 大学に進学しても、一回の入院のせいで貯金が底をつき、進学できずに退学するなど、シビアな世界だとつくづく思う。 今後の進路について真剣に考えないといけないのは16歳の子には辛いことだが、懸命に生きていく彼らの姿は立派だと思った。
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「就職した方が困らない確率は高い。しかし、子供の将来を確立で語っていいのか」 「私と彼の世界に違いはありませんでした。ただ、私が知らなかっただけです」 「オレがしっかりしているのは大人ぶりたいからだ」
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「かわいそう」養護施設にいる子供に対していだいてしまう感情。当事者からしたら、その言葉は上から見られているようにみえ、状況を理解していない人が言う言葉であり、言われたくない言葉なのだということが理解できた。当事者は強く生きていることは素晴らしく頼もしい限りだが、やはり養護施設まで...
「かわいそう」養護施設にいる子供に対していだいてしまう感情。当事者からしたら、その言葉は上から見られているようにみえ、状況を理解していない人が言う言葉であり、言われたくない言葉なのだということが理解できた。当事者は強く生きていることは素晴らしく頼もしい限りだが、やはり養護施設まで来る過程を考えてしまうとそこに関してはかわいそうと思ってしまう自分がいる。
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こういう難しい題材を堅苦しくなく、ちょっとの甘さも入れながら、感動もさせる有川さんやっぱりすごいな。
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p.309 カレーが続いたことってないのか。 何が正常で、何が異常なのか? カレーを作る際のちょっとした場面でしたが、何故かとても考えさせられました。
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おもしろかったけど、有川浩に期待する爽快感は薄かったか。 印象に残った登場人物は、猪俣先生と福原施設長。特に福原施設長は、かなり仕事できる人。
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