明日の子供たち の商品レビュー
素晴らしかった。 たくさんの人に読んで欲しい。 時々目頭が熱くなる。 でも、それは『かわいそうだから』でもないし、単純な『感動するから』でもない。 そこに人の想いがあるからだ。
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+++ 三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広...
+++ 三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。 +++ 「かわいそう」とつい思ってしまいがちな児童養護施設の子どもたちにとって、それがいちばん言われたくない言葉なのだ。ここに来て初めて安心して息ができるようになった子どもがいる。三食食べられて、安心して眠れる寝床があり、学校にも行けて、いくら勉強しても怒られることがない。彼らはちっともかわいそうなんかではないのである。明日に向かって泣いたり笑ったりしながら生きているのだ。これだけで決して解った気になってはいけないことは充分承知しているが、それでも、児童養護施設の現状と、施設を出た後のケアの現状の一端を垣間見られたという点では、考えを新たにするきっかけとなる一冊だと思う。
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いつもより、甘さ控え目だと思いますが…私は好きです。涙が滲むこと、堪えきれずポロっとする事が、数回ありました。 有川浩作品の、読んだ後の爽快感と想像させる期待感が、私は大好きです。
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かわいそうに思われたくないって私もずっと、今でもきっと、思っている。 頑なだった10代のころから比べるとかわいそうに思ってくれる方の中には、ヒサのように許せる人と違う人がいるのがわかるようになってきた。 施設に入ってなくても、両親が揃っていなかったり、健康でなかったり、かわいそう...
かわいそうに思われたくないって私もずっと、今でもきっと、思っている。 頑なだった10代のころから比べるとかわいそうに思ってくれる方の中には、ヒサのように許せる人と違う人がいるのがわかるようになってきた。 施設に入ってなくても、両親が揃っていなかったり、健康でなかったり、かわいそうな私は、普通の子と同じハメを外したら、これだから母子家庭はと親が悪く言われると自覚させられたのは小4の時、祖母からだった。 甘酸っぱい、素敵な小説でした。 切なくなるテーマなんだけど、読後感は軽め。 希望だらけじゃないけど、辛い環境の子供は現実をわかっていて、未来を見通せない。 当たり前がわからない。 引け目を感じて、ミステリアスになる。 私はそんな大層な人間じゃない。 引け目があるから笑ってるだけでいていい場所を望む…。
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児童養護施設が舞台。主人公が周囲(今回は子供たちや真意のわかりにくい同僚の先生たち)とぶつかり合いながら自分の立ち位置を見つけていく、という構図は著者の王道パターン。 こういった施設の現状、そこで暮らす子供たちの感情の揺れ動きを丁寧に描きつつ、有川作品らしい“ちょいラブコメ”要素...
児童養護施設が舞台。主人公が周囲(今回は子供たちや真意のわかりにくい同僚の先生たち)とぶつかり合いながら自分の立ち位置を見つけていく、という構図は著者の王道パターン。 こういった施設の現状、そこで暮らす子供たちの感情の揺れ動きを丁寧に描きつつ、有川作品らしい“ちょいラブコメ”要素も忘れない。そして最終章「明日の大人たち」でガッと盛り上げる王道的手法はさすがである。 安定感あるなあ、この人の作品は。
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児童養護施設でのお話。 進学希望のカナとヒサ。 進学推進派の和泉ちゃんと慎平ちゃん。 反対派のイノッチ。 この5人を中心に話は進んでいく。 施設でのお話で、難しいことだけど、 有川浩の言葉になったらすんなり読める1冊。 アッコのところでは、ちょっとホロリ。
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いつもながら取り上げるテーマについて感心させられます。タイトルがいいですよね。子供は未来です。ラストへ見事に繋がっていきました。猪俣先生とアッコの話にはやられました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
旅猫から2年弱を待たされた、有川浩の新作。 今回は知ってそうで知らない児童養護施設が舞台の物語 なのだけど・・・。 相変わらず読みやすく、ほぼ1日でかなりの長編を読破した のだが、なんというか・・・。 これまででいちばんストンと心に落ちてこなかった感が。 これはおそらく題材の問題であり、僕はそことの関わり方 を個人的にずっとシミュレートしてきた。考え方は間違って いなかった、という事は再確認出来たが、言ってみれば ちょっと興味があってちょっと知ってる世界であったということ。 例えば自衛隊にせよ県庁にせよ、文字通り知ってそうで 知らない世界であり、有川浩の特殊な営業マン魂で解りやすく 解説して貰えるが故に楽しめる、というところがあった。 つまり全く以て自分の所為なんだけど、そのあたりが個人的に はちょっと食い足りなかったかも。 しかし、得意のラブコメ絡めや思わず笑みが溢れる程の清涼 コメントなどの有川節は健在。このジャンルに詳しく無い人が 読めば、もちろん目から鱗で唸るんだ、とも思う。 何にせよ有川浩、2年振りの前線復帰は大歓迎。 出来れば年内にもう1作読みたい!!
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奥深く、浅く…様々に棘を持つ子供たちを柔らかく描く、、でも、棘が刺さっていたのは大人たちも同じか!。当事者の子供も大人も、複雑な思いを秘めながら現実の壁を越えようと協力・改善・アピール、、"明日へ"と歩を進める。各キャストの人間臭さを漂わせ、施設の内実感がリア...
奥深く、浅く…様々に棘を持つ子供たちを柔らかく描く、、でも、棘が刺さっていたのは大人たちも同じか!。当事者の子供も大人も、複雑な思いを秘めながら現実の壁を越えようと協力・改善・アピール、、"明日へ"と歩を進める。各キャストの人間臭さを漂わせ、施設の内実感がリアルなだけに、ある意味重みのある問題の問いかけ!?。締めのちょっぴりラブコメと、ちょっぴりのいじましさ、、そして畳み掛ける響きは流石の有川さん♪。
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児童施設の話し。 TVの番組を見てジョブチェンチした三田村慎平。 元は営業。 施設の職員で、慎平の直上司は『和泉和恵』 施設で『良い子』=『問題のない子』。 この良い子の代表、久志と泰子。 『自分達を可哀想だと思わないで欲しい』との事。 そして、自分達は未来があるのに、一番先に施設の不遇さに不満を唱える。 そして、施設を出た後は施設はフォローも出来ない。 そのフォローをしてくれる場を欲している子供たち。 未来の大人達。 施設を出て、支援してくれる場所。 それを声を出して言える場所をgetして、声を出したところ、大物釣り上げる。 県議会委員。 それを終えてから、久志と泰子は有名な作家さんに『作品にしてもらおう』と手紙を書く事に… 普通の家庭と言われる子供達(私も含む)は、ちょっとした事は親が庇ってくれる。 が、施設の子供達はその親が居ない。 施設の子供が可哀想だと私は思わないが、不便だろうなとは想像がつく。 そして、その手紙を作者に出した方はこの本のひな形と容易に想像はつく。 基本的にこの子達、子供っぽくないので気持ち悪い。 ある意味自立しているのだろうけど、私、知れない事ばかりです。 というか、なんで知ってないんだろう? もっと認知度は上げなければいけないと思うのに。 頑張って欲しいと願う。 施設の子供達ではなく、それを広げられるマスコミ関係者や政治に携わる人達に。 だから、自分達は知らなければいけないと思う。
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