明日の子供たち の商品レビュー
児童養護施設が舞台。「かわいそう」と見られることはいやだというのは理解していたが、「家庭にいるより快適に暮らせる、ごはんを食べさせてもらえて夜ゆっくり寝かせてもらえて、学校にも行かせてもらえる、だから施設に入れて救われた」──そんな視点で見たことはなかった。また、「親に捨てられた...
児童養護施設が舞台。「かわいそう」と見られることはいやだというのは理解していたが、「家庭にいるより快適に暮らせる、ごはんを食べさせてもらえて夜ゆっくり寝かせてもらえて、学校にも行かせてもらえる、だから施設に入れて救われた」──そんな視点で見たことはなかった。また、「親に捨てられたのではなく、親に育てる能力がなかった」、それもなるほどと思った。 施設を出てからの困難、施設にいるためになにがなんでも公立高校に合格しなければならないという壁、気にかけながらも手を差し伸べてやれない職員のもどかしさ、いろいろ考えさせられた。 自衛隊がちらっと出てくるのも、有川浩ならでは。 恋愛メインの話ではないけど、それでもちらっと出てくるのがうれしい。
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児童養護施設の実態を丁寧に取材した作品…だと信じたい。 慎平ちゃんの志望動機にすごくイラッとしたが、カナがガツンと言ってくれたシーンですっきりした。世の中にはあんな考えの人実際いるんだろうなぁ。 有川作品はじめて読んだ。登場人物がそれぞれ魅力的だった。
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「私は施設に入れて幸せです」 たぶんこの一言からこの小説は始まったのでしょう。 笹谷実咲さんから、有川浩へ、実際に執筆の依頼もあったのでしょうね。 あとはラブコメ脚色、現場で取材してのエピソードを使って構成。 …はよかったけど、やっぱりもうちょっと、伏線に対する帰結をちゃんとまとめてから書くか、書いてから、推敲したほうが良かったと思う。社会的に訴える目的は達せられれたと思うが、サブストーリーがあまりにも散漫。どーせ、エピローグをつけるなら、大学生になってからのカナとヒサを書いて欲しかったなぁ。 素材としてはよかったのに、構成が…。惜しい。
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とても面白かった。私も児童施設にいる子どもたちを「かわいそうな子ども」と思ってしまう一人だったから、考え方が変わるきっかけを与えてもらった気がした。ただ、恋愛要素は有川作品の大きな魅力の一つだけれど、今回だけは主人公の恋心は無くて良かったように思う。何も毎回毎回職場内で恋愛が起きなくても良くないかと思うし、何より今回は「子どもたち」が真の主役だから。和泉のことも、単純に「先輩」か、同じモチベーションで戦える「同志」で充分だったように思った。
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綿密な調査と現場からの息づかいが感じられるキャラクター、ピタッとはまりこむストーリーの転がしかたは、いつもながら流石です。ストレスフリーな読書が楽しめつつ、価値観を転換させる偏らない知識がスーっと心に染み入ります。この世界に、小説が、本があってくれて良かったと、久しぶりに思い出し...
綿密な調査と現場からの息づかいが感じられるキャラクター、ピタッとはまりこむストーリーの転がしかたは、いつもながら流石です。ストレスフリーな読書が楽しめつつ、価値観を転換させる偏らない知識がスーっと心に染み入ります。この世界に、小説が、本があってくれて良かったと、久しぶりに思い出しました。
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施設の子供はかわいそう、という考えを私も持っていたので、奏子ちゃんのスピーチが聴衆の価値観を壊したように、私も考えが180度変わった気がした。 最後の終わり方もとてもよい! 勧めてくれた友人に感謝です。
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児童養護施設を舞台にした一冊。 有川氏、新境地かと思いましたが、やはり有川氏らしい一冊でした。 有川氏の正義で、この一冊を書き上げたのかな、と思います。 児童養護施設に入っている子供たちを、何も知らずに『かわいそう』と思う人は多いはず。私を含めて。 知ろうとすることは大切なんやと...
児童養護施設を舞台にした一冊。 有川氏、新境地かと思いましたが、やはり有川氏らしい一冊でした。 有川氏の正義で、この一冊を書き上げたのかな、と思います。 児童養護施設に入っている子供たちを、何も知らずに『かわいそう』と思う人は多いはず。私を含めて。 知ろうとすることは大切なんやと思いました。 内容からして、少し重くなるのかな、とおもいましたが、やはり有川氏、ラブも少し入れつつ、爽やかに染み渡る一冊でした。
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有川浩さんが施設の話をかくなんて意外な印象。 たぶん、最後の手紙からこの本をかくことになったのだろうと。 この本を読まなかったら、あたしもおなじようにかわいそうな子供たちと思っていた。 自分には関係ないことで、意識も低かった。 そぉいえば芦田愛菜ちゃんのドラマでバッシング受けたも...
有川浩さんが施設の話をかくなんて意外な印象。 たぶん、最後の手紙からこの本をかくことになったのだろうと。 この本を読まなかったら、あたしもおなじようにかわいそうな子供たちと思っていた。 自分には関係ないことで、意識も低かった。 そぉいえば芦田愛菜ちゃんのドラマでバッシング受けたものが話題になってた気がする。 本になったことで、この手紙の送り主や関係者の思いが届いたと思う。 本好きに改めてそうだと感じる、色んな人の人生を味わえるとゆう言葉もぐっときた。 自衛隊やちょっとした恋愛モードが入ってくるのも有川浩さんらしくて良かった。 最後のスピーチの砕けた瞬間の拍手が聴こえるようだった。
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三田村がはりきって赴任した児童養護施設「あしたの家」。手のかからない奏子に洗礼を受けます。でも持って生まれた三田村の素直さ、以前の仕事、営業で培った感覚で、奏子を始め、職員の猪俣や和泉に認めてもらえるようになります。 大学進学は意識の高い子どもだけが望める。 高校に進学出来なけ...
三田村がはりきって赴任した児童養護施設「あしたの家」。手のかからない奏子に洗礼を受けます。でも持って生まれた三田村の素直さ、以前の仕事、営業で培った感覚で、奏子を始め、職員の猪俣や和泉に認めてもらえるようになります。 大学進学は意識の高い子どもだけが望める。 高校に進学出来なければ施設は退所。 など、厳しい現実があります。 でも、親に虐待されたりネグレクトを受ける子どもたちは、施設に入所して、その暴力から逃れることができ、普通の暮らしができるようになるわけです。だからちっとも可愛そうではない、と奏子や久志は言います。 世間が思っている施設のイメージとは違うようです。 そして、施設を卒業した後、実家のように帰って来れるような、当事者施設を巡って物語は進んでいきます。
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やっぱり有川さんは肌にあいます 終わり方がとても好きで 今回もニヤニヤしてしまいました このお話は恋愛メインではありません こういう世界があるんだ ということを知りました。 有川さんの本はきちんとお勉強されたあとが 巻末にあるので、 とても信憑性があります。 気づいたら...
やっぱり有川さんは肌にあいます 終わり方がとても好きで 今回もニヤニヤしてしまいました このお話は恋愛メインではありません こういう世界があるんだ ということを知りました。 有川さんの本はきちんとお勉強されたあとが 巻末にあるので、 とても信憑性があります。 気づいたら3時間もぶっ続けで読んでしまうほど 面白かったです
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