明日の子供たち の商品レビュー
テーマは別として、読み物としての話の展開は、よくある 予定調和であり、後半向けて読み進むにつれて、読むスピードが 早くなった。前半部分は、テーマについての興味もあり、 じっくり読むことができた。1冊として完結するには、もったいない ほど、個々のサブテーマがあった。本としての構成...
テーマは別として、読み物としての話の展開は、よくある 予定調和であり、後半向けて読み進むにつれて、読むスピードが 早くなった。前半部分は、テーマについての興味もあり、 じっくり読むことができた。1冊として完結するには、もったいない ほど、個々のサブテーマがあった。本としての構成は、この1冊で 完結させるのではなく、問題提起というつくりにし、続編で サブテーマを丁寧に深堀したほうが、よいのではないかと感じた。 登場人物のなかの一人が、養護施設退所後の進学・就職先として 防衛大または自衛隊入隊を検討している場面がある。日本でもアメ リカ同様に経済弱者が国防志願者になるとうことを考えさせられた。 経済弱者が国防を担うことが悪いわけではなく、経済弱者の若年像の 選択肢が限られていることが問題ということである。 第一線で任務を担う者が、あらゆる意味で弱者であってはならない。 安全保障関連法案が衆議院で可決されたことはよいことだが、 国会前でシュプレヒコールをあげる暇があるなら、真摯に政治に 参画するべきである。選挙権があるなら投票をする。被選挙権が あるなら自ら立候補し議員となるべきである。マスゴミが何度も何度も シュプレヒコールの様子をニュースやワイドショーで流すことで 煽っているようだが、不快でたまらない。あの場所の警備に係る 費用も税で賄われている事に、当事者もマスゴミもわかっていない様子だ。 こういった不埒なことを先導する首謀者をもっと強く取り締まるべきだ。
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児童養護施設が舞台の本。 有川浩さんと言えども、可哀想な話だったら嫌だなぁと思いながらよんだら、全然可哀想じゃない!むしろ幸せ!養護施設に入れて本当に良かった! 今まで多くの人と同様に、親に虐待されたり捨てられたり、いろんな事情で親と一緒に暮らせない境遇の子供たちを、私も可哀想だ...
児童養護施設が舞台の本。 有川浩さんと言えども、可哀想な話だったら嫌だなぁと思いながらよんだら、全然可哀想じゃない!むしろ幸せ!養護施設に入れて本当に良かった! 今まで多くの人と同様に、親に虐待されたり捨てられたり、いろんな事情で親と一緒に暮らせない境遇の子供たちを、私も可哀想だと思ってた。 だけど施設で暮らす事はちっとも不幸じゃない。 今まで知らなかったたくさんの事を知る事ができた。 私も少しだけでも何か協力できれば、と思った。 重いテーマだけど、それぞれ魅力的な登場人物のおかげで、物語は明るく、テンポよく読んだ。 思わずふっと笑ってしまったり、涙で字がかすむ事もあったり、握りこぶしを作ったり、読んでるこちらも奏子や久志を応援しながら。 有川浩さんって、本当にすごいなぁ。 和泉さんと三田村くんのその後が気になるけど〜
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楽しく読めました。 有川浩さんの作品は、気持ちよく読める。 一番印象に残ったのは、園長先生が本を読むことの大切さを児童に伝えてるところ。 人生は一回しかないけど、本を読めばそれだけ違った人になれた感覚をもてるってところ。 本は好きだし、なんで読んでるか深く考えなかったけど、や...
楽しく読めました。 有川浩さんの作品は、気持ちよく読める。 一番印象に残ったのは、園長先生が本を読むことの大切さを児童に伝えてるところ。 人生は一回しかないけど、本を読めばそれだけ違った人になれた感覚をもてるってところ。 本は好きだし、なんで読んでるか深く考えなかったけど、やはり想像することが楽しいんだろうな。 読んだ本を共感する仲間がいるともっと最高。 それと同時に児童養護施設のことも勉強になることがいいよね。 無知だと偏見としてみてしまうけど、知るためのきっかけを作れる作家の影響力すごいな。 最後の作家への依頼は本当に児童養護施設の人から依頼があったのだろうか。 そうだとすると素敵な話です。
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児童養護施設の話。 施設に入れて色んなことが当たり前にできて幸せなところだと思った。というところに心打たれた。「かわいそう」というフレーズが嫌なんだろうなと思ってはいたが、深く考えも及ばなかった。親に子育て能力がなかったからと思う。施設では衣食住の心配も学校へ行けなくなることへの...
児童養護施設の話。 施設に入れて色んなことが当たり前にできて幸せなところだと思った。というところに心打たれた。「かわいそう」というフレーズが嫌なんだろうなと思ってはいたが、深く考えも及ばなかった。親に子育て能力がなかったからと思う。施設では衣食住の心配も学校へ行けなくなることへの不安も、すべてなくなる。幸せって当たり前のことが幸せだったんだなと改めて考えさせられた。 高校進学が1つの分岐点であり、プレッシャーのかかることだとは知らなかった。公立高校不合格=就職=退所…たった15歳の子がもう社会の波間に落ちてしまう。自分がもしその子の立場ならぞっとする。 そんなふうに色んなことを考えさせられたお話。児童養護施設とはどんなところなのか、再認識させてくれた貴重な一冊に出逢えたことに感謝。
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この本「児童養護施設の子供たちは、明日の大人たちです」という一言に尽きる。私が小学生の頃、修学旅行が、ちょっと特殊な環境で生活している子供たちとの交流会という名目の合同旅行となった。子供心にも大人って無神経で残酷だなと感じる。子供なら垣根無く仲良くなれると勘違いしているようだ。も...
この本「児童養護施設の子供たちは、明日の大人たちです」という一言に尽きる。私が小学生の頃、修学旅行が、ちょっと特殊な環境で生活している子供たちとの交流会という名目の合同旅行となった。子供心にも大人って無神経で残酷だなと感じる。子供なら垣根無く仲良くなれると勘違いしているようだ。もちろん、「ゲームする?」とか声をかけたけど、交流関係は深められず修学旅行は解散。そう、大人ってつい先入観を持ってしまう存在なのだ。この本を読んだことで、特殊な環境で生きている子供たちの現実、未来への展望とか課題は多いと感じる
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
図書館より。ようやく読めた~! この手の内容の本は、正直読まない。同情とかかわいそうとか思うから。 でも、有川浩だから。それだけで読んだ。 読んで正解。途中グッと心を掴まれる部分もあり、泣きそうになった。 子供への支援は未来への投資なんだと、気付かないと。子供を持つ親としては本当にそう思う。 そしてやっぱり有川浩は上手い。
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児童養護施設を舞台にした物語。 小説家というのは取材力、構成する能力が高いのだと思い知らされた。 私はこの物語の中で語られるようなことを知っている。子どもの頃には施設から通う友達も、(たぶんそのことが原因で)自暴自棄になっている同級生もいた。そして大人になってからは施設へ訪れ...
児童養護施設を舞台にした物語。 小説家というのは取材力、構成する能力が高いのだと思い知らされた。 私はこの物語の中で語られるようなことを知っている。子どもの頃には施設から通う友達も、(たぶんそのことが原因で)自暴自棄になっている同級生もいた。そして大人になってからは施設へ訪れ、子どもから話を聞いたり、職員から話を聞く機会も何度かあった。だから物語の中に出てくる内容は知っていることがいっぱいあった。いっぱいあったけど、私にはこうして読者が嫌な気持ちにならず、惹き込まれて読むような物語にはできないんだ。 ヒサの防衛大学・自衛隊への進学・就学については、知らなかったが、いかにもあり得る進路だと、ちょっと胸がチクリとした。 進学についてのアッコの話しには胸が痛く泣いた。 私も若き日のイノッチと同じ感覚で、学力を高めることで、 いや高めさえすれば、あとは奨学金をもらえばOKだと考えていた。安直過ぎた。 風邪をこじらせるだけでアッコが「世間の波間に沈んだ」ことに物凄いショックを受けた。 それを思い知らせてくれて有川さんありがとうと思った。 追伸 もしかして私の感想を読んでくださった方がいて、そして何か勘違いさせてはいけないので追伸。 大学進学のヘビーさ(風邪をこじらせバイトができず、困窮、ヘルプを訴える相手もなく、社会の波間に沈むなど)に私は思いが至らず胸をかきむしるほどの苦しさを感じていたのだけど、 そのあたりに詳しい知人に聞いたところ、それは5~6年前の情報なんじゃないかな、今は大学生になってもヘルプを出せば、施設が一時預かりとして受け入れてくれるように制度が、特に都市部は整ってきているんだよと教えてもらい、ようやく胸をなでおろした。 私が小中学生だった時の友人たちには間に合わなかった制度かもしれないけれど、今の子どもたちにそういう制度が整っていることを知って、やっとホッとできた。
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有川氏得意の職業シリーズ。 児童養護施設が舞台。 新米職員の視点を通して知ること気づくことの多さたるや! リアルな実情や気持ち変化、児童福祉の課題まで語られていて目からウロコ。 甘酸っぱい青春物語もあり、爽やかな中にも社会問題に切り込む面もあり、とてもよかった。面白い。 やっぱり...
有川氏得意の職業シリーズ。 児童養護施設が舞台。 新米職員の視点を通して知ること気づくことの多さたるや! リアルな実情や気持ち変化、児童福祉の課題まで語られていて目からウロコ。 甘酸っぱい青春物語もあり、爽やかな中にも社会問題に切り込む面もあり、とてもよかった。面白い。 やっぱり有川先生の作品好きです。
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児童養護施設を舞台にした物語で、著者らしい丁寧な取材が伺える。物語の構造としては、硬直化した現状に飛び込んできた門外漢が事態を変えていく、という王道だが、それを読みやすく、しかし決して軽い筆致ではなく描く、相変わらずの文章力に唸る。事態を変えるブレイクスルーのカタルシスが心地よい...
児童養護施設を舞台にした物語で、著者らしい丁寧な取材が伺える。物語の構造としては、硬直化した現状に飛び込んできた門外漢が事態を変えていく、という王道だが、それを読みやすく、しかし決して軽い筆致ではなく描く、相変わらずの文章力に唸る。事態を変えるブレイクスルーのカタルシスが心地よいが、その背景にある問題、世間の視線/偏見と、行政の受け皿は考えさせられる。その点では、家庭の問題についてよりも、社会の問題を主眼として書かれているので、下手に湿っぽくならずに読者が問題に向き合えるのも良。最後の仕掛けには涙ぐんだ。
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児童養護施設に入所している子どもと職員のお話。 初めて有川浩の小説を読んだ。 一時話題になったドラマよりもよっぽど現実的。
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