明日の子供たち の商品レビュー
正直、自分も三田村のような偏見的なイメージが少なくともあった。奏子のおかげで、かわいそうだと同情することがなぜ酷いことないのかを考えさせられた。
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面白かった。どんどんページが進んだ。 物語は、児童養護施設「あしたの家」に新任職員としてやってきた三田村の視線から始まる 三田村を始め、登場人物のキャラ描写がナイスでイメージしやすかった。 「福祉は職能であるべきです。」と言い切りながらも、心底子供たちの事を思う猪俣先生。希望に...
面白かった。どんどんページが進んだ。 物語は、児童養護施設「あしたの家」に新任職員としてやってきた三田村の視線から始まる 三田村を始め、登場人物のキャラ描写がナイスでイメージしやすかった。 「福祉は職能であるべきです。」と言い切りながらも、心底子供たちの事を思う猪俣先生。希望に溢れ着任するものっけから挫折しかけ、でも持ち前の明るさで子供たちに認められていく三田村。真正面から子供たちと向き合い悩みながらも前進していく和泉先生。 子供たちの事を思いつつも、気持ちを維持できなくなった山内先生。嫌われ役を担いつつも、施設にはいなくてはならないバランス調整でもある梨田先生。 皆、素敵な人物像。 恐らく実際にも、施設の子供たちは他の子供よりも経験を積むだけあって、集団生活で人間関係を構築していくのが上手なのだろう・・・そんなことを感じた。 共に長時間過ごすのであれば、好き嫌いに拘るのではなく自分が過ごしやすいように良い関係を築く方がいいと考える施設の(手のかからない)子供。なるほどー、大人のわたくし学ばしていただきました。 物語でも、皆んな多少ぶつかる事があっても、その人の何かを認め合っている良い関係。 物語は、前向きな前進するストーリーで、一緒に力が貰えた気分。 有川浩さんの本って、ホント読書後の後味が良い。 前向きになりたい人におすすめの一冊。
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児童養護施設で働く職員とその子供たちを題材にした作品。 児童養護施設というと、僕の年代ではタイガーマスクを連想し「親の居ない子供」すなわち可哀想な子供という先入観がありますが、今は虐待する親から保護された子供もその中に加わる。そういう子供たちにとって施設は決して同情を買う場所では...
児童養護施設で働く職員とその子供たちを題材にした作品。 児童養護施設というと、僕の年代ではタイガーマスクを連想し「親の居ない子供」すなわち可哀想な子供という先入観がありますが、今は虐待する親から保護された子供もその中に加わる。そういう子供たちにとって施設は決して同情を買う場所ではない、むしろ喜びのある施設でもある。ただし養護施設にも限界があり、進学等に関し資金援助を受けられないというハンデは存在する。施設で育てられた子供を如何に自立に導くか、、新任職員の三田村慎平は先輩職員の和泉、猪俣を見習いながら子供たちへ、よりベターな対応に腐心する。 有川さんもハズレの無い作家さん。ミリタリー三部作や「空飛ぶ広報課」では入念な調査をしたと聞きましたが、この作品でも施設への入念な調査をされたであろうことが伝わる作品でした。まる。。
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【三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられ...
【三田村慎平・やる気は人一倍の新任職員。和泉和恵・愛想はないが涙もろい3年目。猪俣吉行・理論派の熱血ベテラン。谷村奏子・聞き分けのよい“問題のない子供”16歳。平田久志・大人より大人びている17歳。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日が待っている!児童養護施設を舞台に繰り広げられるドラマティック長篇。 】
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面白くて一気に読んだ。 親としては、重い責任も感じさせられた。 本を読むことで、色々な価値観に触れられる、色々な人生を重ねられる、と書いてあるけれど、この本でもまた私は新たな価値観に触れて物の見方が広がったかなと思う。
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児童養護施設。その存在を漠然と知ってはいたものの、そこで暮らしている子供達の事情は様々だということ。「熱意はあるけどちょっとダメな新人職員」の主人公の目を通して、児童養護施設の暮らしを疑似体験をすると‥「言われてみれば、当たり前だな」と気がつくことがたくさんある。 敢えて淡々とし...
児童養護施設。その存在を漠然と知ってはいたものの、そこで暮らしている子供達の事情は様々だということ。「熱意はあるけどちょっとダメな新人職員」の主人公の目を通して、児童養護施設の暮らしを疑似体験をすると‥「言われてみれば、当たり前だな」と気がつくことがたくさんある。 敢えて淡々としたトーンで後半までスイスイ読ませて最後に。 タイトルに込められた思いにグッとくる。 「知らないこと」をプレゼンする有川浩さんは上手い。これも又、読書がもたらしてくれた新しい知識、素敵なことのひとつだ。
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児童養護施設を有川浩さんがテーマにするとこんなにも読みやすくまっすぐ心に届けてくれるのかと感激した。どうしても暗く可哀想だったり悲惨な物語の背景として描かれた本が多く、つい避けてしまいがちだった児童養護施設というものを、その中で明るく誠実に懸命に生きようとする普遍の人間のものであ...
児童養護施設を有川浩さんがテーマにするとこんなにも読みやすくまっすぐ心に届けてくれるのかと感激した。どうしても暗く可哀想だったり悲惨な物語の背景として描かれた本が多く、つい避けてしまいがちだった児童養護施設というものを、その中で明るく誠実に懸命に生きようとする普遍の人間のものであると再認識させてくれたことは大きいと思う。
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有川浩の文章は分かりやすくて読みやすい。だから万人受けするのかなぁ。そして現代の社会問題にスポットを当てて書かれている。そのためある分野の知識を深められるというか、ためになるものが多い。この「明日の子供たち」は児童養護問題。私は読むまでそのことをほとんど何も知らなかった。だけどこ...
有川浩の文章は分かりやすくて読みやすい。だから万人受けするのかなぁ。そして現代の社会問題にスポットを当てて書かれている。そのためある分野の知識を深められるというか、ためになるものが多い。この「明日の子供たち」は児童養護問題。私は読むまでそのことをほとんど何も知らなかった。だけどこの本によって知るべきことが知れた。児童養護施設の内側から。作者はこの小説を書く前に、綿密に取材調査を行っていると思う 。だから細部に至るまでリアリティーを帯びているんだろう。 こんなふうに自分の作品を通して現代人である私たちに問題提起する小説の在り方はとても有意義でいい。 まぁ、私はスリリングなミステリーの方が好きだけどね笑
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とある児童養護施設で働く職員たちと、そこで暮らす子供たちの奮闘の日々を描いた長編小説。 家庭に問題があり、施設で暮らす子供たちの、周りからの偏見に苦しむ姿や、将来への不安、葛藤など、とてもリアルに描かれている。有川先生、かなり時間をかけて取材をしたんだろうなぁ。施設の子供・奏子、久志と、新米教師の三田村、泉、猪俣。シーンによってそれぞれ視点は変わっていく。 私も、子供の時、兄がボーイスカウトに通っていた時、何度か付き添いで施設に行った記憶がある。子供ながらに、なんとなく「お母さんもお父さんもいないんだな、可哀想だな」と思っていた。しかし、かわいそう、という表現は彼らからすればお門違い。家庭では暴力や、両親の不仲、など様々な事情を抱え、親と一緒に暮らせない子供たちが共同生活をするんだけれど、普通に食事ができて、学校にも行けて、叩かれたりしない…そんな普通なことが、彼らには十分幸せと感じられるのだ。 当たり前のことを、幸せと感じる。 その大切さを痛感した。 そして、やはりキャラクターたちがとても魅力的だよね。有川さんの小説って嫌いなキャラクターが一人も現れないの。それがすごい。変に叙述トリックを使ったり、影のある人風にカッコつけて書いたり、など、奇をてらった書き方を、有川さんはしない。全員がどこかしら人間臭い。それぞれ弱みもあって、人間らしい。 後半の、奏子のスピーチは素敵だったな。新米で空回り気味だった三田村先生も、後半は子供たちを全力でサポート。カッコよくなっていく。 これ、続編を強く希望! 素晴らしかった!
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児童養護施設の子供たちのお話。自分たちはかわいそうなんかじゃない、と胸をはって言う彼らにぐっとくる。有川さんがこういう本を書いて世に広まるっていうのがいい。
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