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虐殺器官 新版 の商品レビュー

4

258件のお客様レビュー

  1. 5つ

    85

  2. 4つ

    86

  3. 3つ

    46

  4. 2つ

    12

  5. 1つ

    2

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2023/10/03

各地で内戦が多発する世界での暗殺部隊に所属する主人公と 暗躍する謎の人物「ジョン・ポール」を巡るディストピアSF IDや人工筋肉など、それらしい設定は盛り沢山だが、 メインは理解され難い葛藤を抱えた主人公の心の動きの方にあるように思える 一部かなり幼さを感じさせる点もあり共感はし...

各地で内戦が多発する世界での暗殺部隊に所属する主人公と 暗躍する謎の人物「ジョン・ポール」を巡るディストピアSF IDや人工筋肉など、それらしい設定は盛り沢山だが、 メインは理解され難い葛藤を抱えた主人公の心の動きの方にあるように思える 一部かなり幼さを感じさせる点もあり共感はしづらかったが 結末は特にショッキングで放心させられた

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2023/09/19

あれ、何でこんなに読み易いのだろう? 今更ながら伊藤計劃氏の虐殺器官を読了。 (この感想を書く数ヶ月前に) 最初は世間の評価を前に身構えてしまい、 いかに難解で複雑怪奇な作品かと怯えていたが、 個人的には大変読み易い大好きな文体、 かつ、ところどころ主人公が一人称語りで出す例...

あれ、何でこんなに読み易いのだろう? 今更ながら伊藤計劃氏の虐殺器官を読了。 (この感想を書く数ヶ月前に) 最初は世間の評価を前に身構えてしまい、 いかに難解で複雑怪奇な作品かと怯えていたが、 個人的には大変読み易い大好きな文体、 かつ、ところどころ主人公が一人称語りで出す例えの数々が個性的なのだが、しかしそのどれもが「ああ〜〜」と何故かストンと腑に落ちる。 作中の特異な近未来SFの舞台背景、虐殺器官というタイトルよろしいとんでも兵器が明らかになっていく展開もそうなのだが、 何よりも伊藤計劃氏自身から生み出される明瞭でしかし努めて温度感を廃した文章のおかげで、それらがスルスルと自分の中に入ってくる。 文章をここまでロードマップ化できるのかと、読んでいる最中に何度も感嘆。 とても良い読書経験でした。

Posted byブクログ

2023/09/15

 ラストの謎の清涼感を味わいたくて再読。ムンバイの基地で見かけたリボルバーを腰に挿した銀髪の老兵ってリボルバーオセロットのことかなって思わず考えてしまいました笑。小島監督ファンの筆者らしい作中世界の雰囲気がとても良かったです。  無責任であること無関心であることの罪、自己責任から...

 ラストの謎の清涼感を味わいたくて再読。ムンバイの基地で見かけたリボルバーを腰に挿した銀髪の老兵ってリボルバーオセロットのことかなって思わず考えてしまいました笑。小島監督ファンの筆者らしい作中世界の雰囲気がとても良かったです。  無責任であること無関心であることの罪、自己責任から逃れたい罪への赦しについて色々と考えてしまいました。

Posted byブクログ

2023/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ミッションインポッシブルや007の映画のような話でした。ありそうでなさそうで、なさそうでありそうな、深いようで深くないような、深くないようで深いような、エンターテインメント小説。

Posted byブクログ

2023/08/31

21世紀を代表するSF作品と呼び声の高いことより、気になり読んでみた。 虐殺器官という物騒な響きより、スケールが大きく激しい戦闘シーンだらけなのかと予想していたが、それだけではなく、非常に心情描写が豊かな作品でもあった。 周囲の風景に溶け込む服や、網膜にあらゆるデータを映し出す機...

21世紀を代表するSF作品と呼び声の高いことより、気になり読んでみた。 虐殺器官という物騒な響きより、スケールが大きく激しい戦闘シーンだらけなのかと予想していたが、それだけではなく、非常に心情描写が豊かな作品でもあった。 周囲の風景に溶け込む服や、網膜にあらゆるデータを映し出す機会など、SFならではのワクワクさせる要素が万歳。 それに対し、痛みや感情を抑制する麻酔など、現実にあるとゾッとするようなモノも存在している。 今ある生活が、一体何によって脅かさせる可能性があるのか。 今自分はどんな不都合な現実から目を背けているのか。 そんなことを深く考えさせられる一冊でした。

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2023/08/21

ハーモニー同様大変興味深い本で、良い読書体験をさせてもらった。ストーリーはハーモニーとは全く異なるが、内包するテーマはハーモニーと同じものも違うものも含まれているように感じられ、妙に親和性が高く、まるでセットのような本だなと思うなどした。個人的にはハーモニーの方が終わりの美しさや...

ハーモニー同様大変興味深い本で、良い読書体験をさせてもらった。ストーリーはハーモニーとは全く異なるが、内包するテーマはハーモニーと同じものも違うものも含まれているように感じられ、妙に親和性が高く、まるでセットのような本だなと思うなどした。個人的にはハーモニーの方が終わりの美しさや表現の面白さ、テーマ的に好きだが、虐殺器官もかなり好きだ。責任、赦し、平和、自由。色々なことを考えさせられるが、同時にどこか他人事で、そんな自身の姿勢がまたこの本によってチクチク刺されるのが面白い構造になっているように感じた。

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2023/08/14

読み終わる直前、最後まで衝撃が残った。 虐殺や殺人、紛争といった重く暗い内容が描写される一方で、繰り広げられる思想については考えさせられる内容が多くあった。 人工筋肉のように「もの」であるのに偽の生命が宿っているような物質は、不思議な感じがした。 自由について、平和についての話は...

読み終わる直前、最後まで衝撃が残った。 虐殺や殺人、紛争といった重く暗い内容が描写される一方で、繰り広げられる思想については考えさせられる内容が多くあった。 人工筋肉のように「もの」であるのに偽の生命が宿っているような物質は、不思議な感じがした。 自由について、平和についての話は自分自身でも今一度考え直す必要がありそう。 ところどころで難しい表現や理解しにくい論理展開があったので、しばらくしたら読み返して、改めて理解したいと思う。

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2024/02/04

読み始めてすぐ、主人公のアンバランスさが目につきます。強い軍人で頭もいい、そして幼い。俗に言う厨二病感ある主人公。 同僚が望んでいたいつものピザを食べて過ごす日々を無視したくせに、一人で行き着く。嘲笑も含めつつ最高にクールだな!と言いたくなります。 虐殺という重々しい内容が吹き飛...

読み始めてすぐ、主人公のアンバランスさが目につきます。強い軍人で頭もいい、そして幼い。俗に言う厨二病感ある主人公。 同僚が望んでいたいつものピザを食べて過ごす日々を無視したくせに、一人で行き着く。嘲笑も含めつつ最高にクールだな!と言いたくなります。 虐殺という重々しい内容が吹き飛ばされるようなラストで、作者の「爽快感をめざした」という言葉の意味が感じられます。

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2023/07/24

近未来に起こるであろう、核使用、生体認証による総監視システム。描写のグロテスクさ、SFだけど、リアルさもあった。 また、風景に溶け込む迷彩等メタギアを彷彿とできた。

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2023/07/18

世界各地で起こる虐殺の場に見え隠れするジョン・ポールを追う、米国の暗殺部隊員クラヴィス・シェパードのお話 ものすごい小説を読んだというのはわかるが、自分の中でうまく咀嚼できていない いずれ読み返す事になるだろう…… 以下、公式のあらすじ ---------------- ...

世界各地で起こる虐殺の場に見え隠れするジョン・ポールを追う、米国の暗殺部隊員クラヴィス・シェパードのお話 ものすごい小説を読んだというのはわかるが、自分の中でうまく咀嚼できていない いずれ読み返す事になるだろう…… 以下、公式のあらすじ ---------------- 9・11を経て、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。  米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう……彼の目的とはいったいなにか? 大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは? ---------------- 序盤はジョン・ポールが虐殺の原因なのか? 虐殺を起こす原因は何か? 虐殺を引き起こす器官は言葉を生み出すところ 言葉は人間を狂わせ、虐殺へと導く 動物の一斉自殺という現象の真偽 もしそんな現象が本能として備わっているのであれば、それは生態学的にどんな意味を持つのか? 虐殺は人間に備わった本能なのか? 虐殺の文脈があるかどうかは別として 歴史を振り返れば、戦争が起こる前の状態には共通点があるというのと同じようなものかもしれない 最近はその傾向がより強く、タモリが「新たな戦前になるのでは」といった発言をしていたのも、ある意味で納得感がある

Posted byブクログ