虐殺器官 新版 の商品レビュー

伊藤計劃(著者)

2022/12/31

専門用語（造語？）が多くて、難解すぎる。
理解できる人には面白いだろうなと、思いながら読みました。
筆者は相当頭が良くて碩学なんだろうが、私には難しすぎて、半分も理解できなかったかも。
いつか再読して、面白さを理解したい。

2022/12/28

映画では詳しく説明されなかった細かいSFガジェットの描写が沢山あって満足、映画と微妙に違うラストが意外で驚いた。

2022/12/07

進化は調和ではなく、あくまで適応なのだっていう文、これだけで常に淘汰を繰り返す世界の残酷さを容赦なく突きつけられてるのがすごい。
1回読むだけじゃ抱えきれないものが詰まりすぎてて本当に贅沢な本だ…多分まだ上澄み掬いとる読み方しかできなかったので、また読みます。

2022/12/05

とても面白かったです。この方の作品は作り込みがすごい印象で、文章に無駄がないように感じます。素晴らしいと思うのですが、一方で内容が難しいことと、世界観を理解するのに苦労するので気楽に読むことができないという点があります。

作者が「思考は言語より先」で、「言葉は臓器とかと同じ器官」と捉えている点には納得がいきました。言語は完全に後天的なもので、遺伝とは関係のないミームであるため、コントロール可能であることをジョンポールに話させています。心理学や言語文法的なものではなく、もっと深層の全言語共通の本質的な文法に対して、虐殺を訴えるような仕組みを地域レベルでばら撒くことによって、虐殺器官を生み出すことにこの世界では成功しています。あくまでSFですが、なんせ作り込みがすごいのでノンフィクションであるかのように錯覚してしまいます。ただ、少なくとも言語の恐ろしさは再確認することができたと思います。

貧富の差とは、貧と富の敵対関係があることを意味しており、世の中は両方を受け入れることはできず、片方を取捨選択しなければならない。もっと本質的に言えば、大規模な自由を得るには他大な自由を捨てなければならない。社会的選考の結末。この本ではそれを伝えたかったのではないでしょうか。

2022/10/30

正直主人公の内省はウザくってあまり好きではない。テーマに影響する大事なパーツではあるが、もう少々スッキリさせる表現もあったように思う。

が。

面白かった。
人の心とは、良心とは、言葉とは何か。進化とは何か。
何言うてんねんと思っていたら見事に主軸が貫かれて行った。
展開も、ラストも、個人的にはとても良かった。

言葉は大事なんだよ。
日本で、勿論規模も影響も異なるものながら、同じような現実が展開されつつあるような気がして、気持ち悪い。

2022/10/29

誰もがIDによって追跡されるようになった世界で、暗殺者である主人公と、各地を殺戮に巻き込むジョン・ポールを追跡を中心としたお話。
暗殺者である主人公の葛藤と、人類から必然的に発生する世界の混沌という２層構造で出来上がった重厚な構成の作品。その世界観は、作者の映画や生物学等の幅広い知見に支えられた、素晴らしいもの。
全般的にきつい描写も多く、シリアスな展開が続くが、読み応えは抜群。ジョン・ポールと接した事による主人公の行動は、真に迫ったものでした。

2023/09/01

途中が論文を読んでいるようでしんどかったが、最終章からラストに向けての展開は圧巻。

人は見たいものしか見ない、、これは私たちも、主人公もみんな同じで世界を自分の都合よくしたいんだなぁ

2022/09/09

出てくるアイテムやテクノロジーがグロテスクかつ魅力的で好きでした。薄皮一枚めくれば残酷な世界があり、人はそれを見ないようにして生きている。痛みも
現実の構造も。

2022/09/03

面白かった。
あまりSFやファンタジーは好きじゃないのですが、人に薦められて読んでみたら面白かった。
何を守るために何を犠牲にするか…考えさせられました。
途中で出てくる映画のタイトルやレミングの集団自殺など、知らないキーワードを検索しながら読むのも面白かったです。

2022/08/25

激アツSF小説、読んでて予想できる流れを毎回少しずつ軌道をずらしてきて、ワワってなる。

グロ描写がリアルなんだけどあんま気持ち悪くならない感じ、好きです