悪医 の商品レビュー
阪大卒の現役医師(在宅医療が専門のようです)が描き出す医療者と患者のズレ。 がんを告知されても、抗がん剤が効かなくても、どこかに希望を見出したい患者と、せめて残された時間を心安らかに苦痛を少なく過ごして欲しい医師。 生き延びたいがため、金儲け主義の悪質な病院に騙されたり、高額...
阪大卒の現役医師(在宅医療が専門のようです)が描き出す医療者と患者のズレ。 がんを告知されても、抗がん剤が効かなくても、どこかに希望を見出したい患者と、せめて残された時間を心安らかに苦痛を少なく過ごして欲しい医師。 生き延びたいがため、金儲け主義の悪質な病院に騙されたり、高額な新しい治療法にすがってみたり・・・「生」への執着のすさまじさと病気の残酷さ、エゴや僻み、異性への関心・・・ 現場で働いていると、先生方が一生懸命お仕事されていることも分かるし、ベテランであっても担当患者の死にショックを受けたり、それ以外の雑務にも追われ毎日疲弊していることも知っている。 世間一般の人が思うほどには、医師というのは(潤っている開業医の先生のイメージが世間一般のイメージとすると)楽な仕事でもおいしいことばかりの仕事でもないと感じる。 医療には限界がある。人にも寿命がある。 でも、自分や大切な人がもし「告知」されてしまったら、「余命宣告」されてしまったら、、、どんな選択をするだろう。 ちなみにこれは消化器外科の先生にお借りして読みました。
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もう治療方法がないから、あとは時間を有意義に使ったほうがいいと告げられた末期ガン患者の苦悩。告知した医師の葛藤。 ミステリー要素がないのが残念だったが、終末期医療についていろいろ考えさせられた。 もう治らないだろうと薄々感づいていても、命を縮めることになるとしても、それでも万が...
もう治療方法がないから、あとは時間を有意義に使ったほうがいいと告げられた末期ガン患者の苦悩。告知した医師の葛藤。 ミステリー要素がないのが残念だったが、終末期医療についていろいろ考えさせられた。 もう治らないだろうと薄々感づいていても、命を縮めることになるとしても、それでも万が一の奇跡が起きるのではないかという希望から治療をやめられない患者もいる。 嘘やごまかしはしたくないとか残り少ない時間を有意義に使ってほしいという医者側の気持ちもわかるが、いずれにしても助からないのなら、治療を続けるかやめるかの決定権は医師でなく患者にあるべきだと思う。
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#読了。末期癌の患者に「これ以上、治療法はありません」と告げる医師、わずかな望みをかけ治療に意欲を燃やす患者。2人の視点で物語が綴られる。筆者が医師だけに、抗がん剤の副作用に関する描写は生々しいものがある。「悪医」というタイトルだが、そこにあまり焦点をあてていないような。
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医師である森川は患者の小仲に告げる。 「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません」 「だから、もう治療法がないのです」 小仲「治療法がないというのは、私にすれば、死ねと言われたも同然なんですよ!」 森川の苦悩は最後まで続きます。 小仲の体の痛み、精神的な痛みは読んでいても...
医師である森川は患者の小仲に告げる。 「残念ですが、もうこれ以上、治療の余地はありません」 「だから、もう治療法がないのです」 小仲「治療法がないというのは、私にすれば、死ねと言われたも同然なんですよ!」 森川の苦悩は最後まで続きます。 小仲の体の痛み、精神的な痛みは読んでいても辛い。 医師と患者。 お互いにとっての最善の方法とは何か。 最後はデータなどでは計り知れない 人と人の信頼関係で成り立つ気がする。
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抗がん剤では、がんを治すことはできない 医師は、それを常識として知っている 他にも治療方法がない病気はたくさんある まだ、分からないことがたくさんある それなのに、患者は医療に対して、過大な期待をし過ぎる 治らない病気なのに、完治したいと望む 現実を直視できない
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もし自分だったら、治療法がない末期癌と言われたらどうするかな? あまり抗がん剤が効かないくて、ひどい副作用で体力消耗したり、 倦怠感ひどくて動けなくなったりするくらいなら、 よけいなことをせず、心穏やかに人生を終えたいと考えているけれど、冷静にその事実を受け止められるかな? 絶...
もし自分だったら、治療法がない末期癌と言われたらどうするかな? あまり抗がん剤が効かないくて、ひどい副作用で体力消耗したり、 倦怠感ひどくて動けなくなったりするくらいなら、 よけいなことをせず、心穏やかに人生を終えたいと考えているけれど、冷静にその事実を受け止められるかな? 絶望感でしばらく何もする気になれないかもしれないけど、 できるだけ取り乱すことなく受け止めることができたらいいんだけど。 医者だって「もう治療法がない」なんて患者をガッカリさせる ようなことは、できれば伝えたくないだろう。 口先だけで希望を持たせて誤魔化しちゃう医者より、 伝えにくいことでも正直に伝えてくれる医者を選びたいなぁ・・・。 どちらにしても医者と患者との信頼関係が大事だなと感じます。
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末期ガンの患者小仲に「これ以上治療法がない。」と余命を申告した森川医師の両者の苦悩。患者は「俺に死ねというこたか?」医師は「苦しい治療をするより有意義な時間を・・」 小仲は外来を飛び出し他の医療機関にかかるが、そこは診療報酬のために無駄に患者を苦しめ治療と称して実験台にされている...
末期ガンの患者小仲に「これ以上治療法がない。」と余命を申告した森川医師の両者の苦悩。患者は「俺に死ねというこたか?」医師は「苦しい治療をするより有意義な時間を・・」 小仲は外来を飛び出し他の医療機関にかかるが、そこは診療報酬のために無駄に患者を苦しめ治療と称して実験台にされていることを看護師から知らされる。そうこうするうちに病状は進みホスピスで最期を遂げる。 死ぬ前に小仲は森川のテレビ出演を見て、自分のことを覚えていてくれ、悪医と思い込んでいたのは本当は患者思いの医師であったのだと誤解をとく。 もし、自分があるいは家族が末期ガンで余命を申告されたらどうするか?抗癌剤の副作用に苦しんでまで生に固執するか、素直に受け入れるか考えさせられた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「悪医」・・・癌を専門とする外科医の森川。 ある患者にこれ以上の治療はないから後は好きなことをして過ごして欲しいと告げる。 患者は「死ねと言われたも同然」と、癌治療難民となり、様々な治療を施す医療施設を渡り歩くことになる。 医師と患者の平行線。 ある程度以上の治療はかえって体力を奪い余命を縮める。 患者は最後まで治療することをあきらめたくない。 誠意ある医療とは? 最後、それでも死に直面した患者からの森川医師へのメッセージが。 「医者が見離さないでいてくれることが励みになる。そしたら勇気が出るんだ。死ぬ勇気が」 泣いてしまった。
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これ読んですっかりガンに詳しくなった気分。 ここに出てくる患者があまりにも最後まで治療にこだわってるのが 私的には?で、私だったら抗がん剤で苦しんでまで多少長生きしても うれしくないけどなぁ。 ま、実際なってみないとわからないのかな。 それにしても途中主人公が苦しむ描写がすごく...
これ読んですっかりガンに詳しくなった気分。 ここに出てくる患者があまりにも最後まで治療にこだわってるのが 私的には?で、私だったら抗がん剤で苦しんでまで多少長生きしても うれしくないけどなぁ。 ま、実際なってみないとわからないのかな。 それにしても途中主人公が苦しむ描写がすごくて がん、コワ~ってぞっとした。 でもお医者さんも人間でいろいろ悩んで苦しんでいるのが 分かりなんだか救われる思いでした。
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知人が現在、抗がん剤治療中なので、非常に複雑な思いを抱えながら読んだ。 医者の立場からの見解がわかってよかった
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