1,800円以上の注文で送料無料

真夏の方程式 の商品レビュー

4

707件のお客様レビュー

  1. 5つ

    178

  2. 4つ

    307

  3. 3つ

    154

  4. 2つ

    10

  5. 1つ

    2

レビューを投稿

2023/02/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

実写映画が大好きなので原作を読む必要はないと思ってたけど、やっぱり原作でしか得られない面白さはあるな。文章だと登場人物の心情が分かりやすいから好き。 刑事視点でも犯人視点にもなれる濃密な描写だった。 小説を読むと、湯川よりも草薙と内海薫の有能さが際立ってる。 読んでる途中から、誰も悪くない、誰も悪くないよ……と泣きそうになりながらページをめくった。 タイミングが悪くて、空回って、やさしさが仇となって、最悪な展開へと転がり落ちていく。 やるせない話です。でも大好き。 仙波ぁ~~~恭平~~~~!!!

Posted byブクログ

2023/01/19

トリック重視ではなく、湯川先生と恭平少年、そしてその周りの人たちのヒューマンドラマがメインの作品。 ガリレオシリーズの中でも、湯川先生の人物像が一番よく分かる作品だと思います。 どことなく「菊次郎の夏」を思い起こしました。恭平少年の将来が楽しみです。

Posted byブクログ

2023/09/22

なんて深い物語。 ひとつの過ちが連鎖するように更なる過ちへと繋がってしまう。大切な誰かを想い、その誰かもまた誰かを想う。 章によって語り手が変わっていく三人称小説だったので、読み手にとってはそれぞれの視点で語られる真実がよりリアルに、近くに、感じられた。 かといって全てが語られ...

なんて深い物語。 ひとつの過ちが連鎖するように更なる過ちへと繋がってしまう。大切な誰かを想い、その誰かもまた誰かを想う。 章によって語り手が変わっていく三人称小説だったので、読み手にとってはそれぞれの視点で語られる真実がよりリアルに、近くに、感じられた。 かといって全てが語られるわけでもなく、主要人物の動機や心の内など肝心なところは読み手に委ねられている。読後は、それによって得られる余韻に浸りながら感慨に耽る。そんな時間が過ごせました。 悲しくて重い結末だったけど、ラストの湯川先生の優しくて心強い言葉に少し救われました。 テーマは「愛」と「献身」。 映画も良かったです。

Posted byブクログ

2023/01/14

最後のページ 人生と人生が絡まって事実ができる。ただ後から振り返ってこそ見えてくる事実もある。 真実は時間と共に変わっていく。

Posted byブクログ

2022/12/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

湯川と恭平少年との友情が強く印象に残った。湯川は恭平を、将来彼を苛むであろう罪の意識から救おうと、寄り添う姿勢をみせた。初期作品ではみられなかった血の通った湯川の姿に強く心を打たれた。子供が苦手だったはずの湯川だが、恭平と食事をしたり、一緒に自由研究や花火をしたりとたいへんほのぼのした様子で微笑ましい。また、環境活動家の成実に対する言動も湯川の人間味、優しさを感じさせた。彼女が過去に犯してしまった罪への向き合い方を諭す場面はもちろん、活動に対する姿勢を傲慢な態度だと指摘する場面には強烈な説得力があった。

Posted byブクログ

2022/12/23

湯川と草薙とがほぼ別行動で、今までの作品とはまた違った面白さがありました。 最後まで犯行のトリックが分からず、明かされた時にはショックでした…。 男の子が小5なのに賢すぎて、私が小5の時だったら最後に湯川からもらった言葉も「つまりどういうこと??」となり、あんな綺麗な終わり方には...

湯川と草薙とがほぼ別行動で、今までの作品とはまた違った面白さがありました。 最後まで犯行のトリックが分からず、明かされた時にはショックでした…。 男の子が小5なのに賢すぎて、私が小5の時だったら最後に湯川からもらった言葉も「つまりどういうこと??」となり、あんな綺麗な終わり方にはならないだろうなと思いました。

Posted byブクログ

2022/12/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あの子供嫌いな湯川さんが子供と接している… 喉の奥が締め付けられて胸が苦しくて泣いた ずっと節子が犯人だと思っていたがラストがまさかすぎた 読み続けるにつれて明かされていく事実を知って、キャラクター全員に同情してしまった 苦しすぎます

Posted byブクログ

2022/11/20

東野圭吾さんは人間関係によって生じる「摩擦」から物語をつくるのが本当にお上手。 ミステリーときくとまずトリックに意識が向いてしまいがちだけど、そもそも人が死ぬっていうことはただ事ではなく、そんな事態が発生してしまった背景にはなんらかのバックグラウンドがある。 東野圭吾さんはそ...

東野圭吾さんは人間関係によって生じる「摩擦」から物語をつくるのが本当にお上手。 ミステリーときくとまずトリックに意識が向いてしまいがちだけど、そもそも人が死ぬっていうことはただ事ではなく、そんな事態が発生してしまった背景にはなんらかのバックグラウンドがある。 東野圭吾さんはそのバックグラウンドを描くのが巧みで、殺人そのものは絶対にダメだけど、「でもこの状況なら人を殺してしまっても仕方ないよな」と思わせてしまうだけの状況をきっちりと書ききる。 「容疑者Xの献身」がそうだったように、本作でも犯人たちが起こした事件には同情の余地が多分にあって、その思いを想像するとやるせない気持ちになった。

Posted byブクログ

2022/11/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

映画視聴後に原作を読んだが、特に恭平くんが自分のしたことに気づくまでの過程、そしてその後の葛藤が映画より丁寧に描かれており、最後の駅でのシーンがより深いものになっていた。また塚原と仙波の関係などもより丁寧に描かれており、珍しく映画より原作の方が人間関係を丁寧に描いているかな、と。容疑者xからはじまり、ガリレオシリーズの長編は全員が誰かを愛していた結果の悲劇の描き方が上手い。言ってしまえば一辺倒な展開なのだがそこに毎回違った科学トリックを持ち込んでそれぞれの色が出ているのも面白い。そして珍しく今回は全て明かされた上で真犯人は捕まらない、あるいは殺人とは認められないというオチ。特に成美については裁判も全て終わっているので逮捕しようがないものではあるが、珍しいな、と。一方で捕まらないから後味が悪いかといえばそうではなく、そこに恭平くんという事件に関わってしまった少年が出てくるのもよい。またその少年と湯川の最後の駅での会話が印象深い。なによりこの会話の裏には湯川を変えた石神の件がある。だからこその同じ問題を抱えて、悩み続けよう、というセリフなのだろう。だやはり愛の深さ、その狂気と切なさに関して容疑者x以上ではないな、ということで☆3くらいで。

Posted byブクログ

2022/11/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

湯川先生と恭平の授業のシーンを読んで、湯川先生に勉強教えてもらうの楽しそう!と思った。 三宅伸子を殺害したのは、仙波ではなく成美。 成美は重治の娘ではなく、仙波と節子の娘だった。 伸子が成美にその秘密を暴露し、成美は伸子を殺害してしまう。 その罪を被ったのが仙波だった。 塚原が仙波のために動き、緑岩荘に泊まったところで、重治が恭平を花火に誘い、ロケット花火が部屋に入ると危ないからという口実で、窓や煙突を塞ぐ。 そのせいで一酸化中毒になり、塚原は死んでしまう。 そんなに割り切った話ではないと思うが、何もわからない恭平を殺人の実行犯にした重治は本当に卑劣で許せないと思ってしまった。 仙波に寄り添おうとして、身勝手に殺されてしまった塚原も不憫でしかない。 恭平が最後は思い悩んでいる感じがなかったのが救いかな。 この本でも、途中で「容疑者Xの献身」について少し触れられている。

Posted byブクログ