和菓子のアンソロジー の商品レビュー
「空の春告鳥 / 坂木 司」 答えを知りながら尋ねる人。 出店している店に関わりが全くない赤の他人だったとしても、知識も何もかもが微妙な状態で接客を続ける姿を見ていていたら口を出さずにはいられなくなったのだろうな。 「トマどら / 日明 恩」 甘やかされて育った子供は。 こんな...
「空の春告鳥 / 坂木 司」 答えを知りながら尋ねる人。 出店している店に関わりが全くない赤の他人だったとしても、知識も何もかもが微妙な状態で接客を続ける姿を見ていていたら口を出さずにはいられなくなったのだろうな。 「トマどら / 日明 恩」 甘やかされて育った子供は。 こんなことになってしまったのは散々甘やかして育ててきた結果とも言えるだろうが、二人に対して違う想いがあったからこそ明らかに分かる接し方をしてしまったのかもな。 「チチとクズの国 / 牧野 修」 騙され続けて何も残らない。 昔からの友人だったからこそ疑うこともなく信じてしまったのだろうが、手元に少しでも財産が残っているうちに家族に打ち明けて今後の対策を取るのが一番だったのかもな。 「迷宮の松露 / 近藤 史恵」 せめて同じようにありたい。 心の限界に気付いて壊れてしまう前に逃げることが出来たのは良かったが、その後も思い出の姿に捕われてたからこそ前に進もうにも一歩が踏み出せなかったのかもしれない。 「融雪 / 柴田 よしき」 故郷に帰りたくなったのは。 他人からしてみれば羨ましいぐらい成功した人生を歩んでいるように見えたとしても、当人が今の暮らしは違うと一度思ってしまったら素晴らしいものすらも捨てるのかもな。 「糖質な彼女 / 木地 雅映子」 自分のことなのに話せない。 いくら親子とはいえ子供だって大人になっていくのだから、その年齢に合わせて自身も少しずつ距離の取り方を考えて接していかなければ変わることなど一生そのままだろう。 「時じくの実の宮古へ / 小川 一水」 二人で歩いて目指した先は。 道中で見た想い出を菓子に閉じ込めることによって、あの時のと思い出すことにより話題にもなるだろうし互いに違う場面の捉え方を知ることにより勉強にもなりそうだよな。 「古入道きたりて / 恒川 光太郎」 気配を悟られてはいけない。 偶然が重なったとはいえ生き延びて帰ることが出来たのも運のうちであり、苦しく思い出したくないことであったとしても忘れてしまっては絶対にいけないことなのだろうな。 「しりとり / 北村 薫」 言葉遊びを解いたら分かる。 何度も考えた末に思い浮かんだ句というよりも、ふとした瞬間に思い出した景色を書き留めて答えに気付くと同時に懐かしい二人の出会いを心の中で描いて欲しかったのかも。 「甘き織姫 / 畠中 恵」 和菓子に込めた想いと返事。 想像通り聡明な方だったからこそ意図を理解したうえで答えを同じように返してきたのだろうが、突然こんなことをされたら普通ならば何事か分からず困惑して終わりそうだ。
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好きな作家さんである坂木司さんと近藤史恵さんの作品は既読だった。それ以外は…和菓子?と思う様な驚きの設定あり、謎解きあり、びっくりした方が多かった。アンソロジーってこんなもんなのかも。 「しりとり」が好きかな。 近藤史恵さんがお願いしたペットのアンソロジーを読んでみたくなりまし...
好きな作家さんである坂木司さんと近藤史恵さんの作品は既読だった。それ以外は…和菓子?と思う様な驚きの設定あり、謎解きあり、びっくりした方が多かった。アンソロジーってこんなもんなのかも。 「しりとり」が好きかな。 近藤史恵さんがお願いしたペットのアンソロジーを読んでみたくなりました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
読み応えのある短編集だった。 作家によってこんなにもとらえ方が違うのかととても面白かった。 和菓子のアンを先に読んでいて、その続編だけ読もうと思ったのに、次の話も面白くて、つぎは?次は?と読み進めてしまった。 空の春告鳥 トマどら チチとグスの国 迷宮と松露 融雪 糖質な彼女 時じくの実の宮古へ 古入道きたりて しりとり 甘きおりひめ 迷宮と松露、古入道きたりて、甘き織姫 が心に残った。 迷宮と松露 現実逃避でやってきた外国で、子どものころに親しんだ和菓子に出会う 古入道きたりて 山奥で出会う怪異その話を聞いた男が時を経て約束の地へ向かう 甘き織姫 お菓子による高度な心理戦。ネットの時代だから行きつくが、昔だったらもろに育ちを問われる試験だった。
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図書館で中身ペラペラっと開いたら、なんと立花さん、椿店長という文字が!これはアンちゃんの新たなお話が読める!!と喜び勇んで借りたところ、坂木司『空の春告鳥』は既に読んだお話と気づく。 ガッカリはしたものの、やっぱり好きだなぁ…和菓子のアンシリーズ、と再実感。 柴田よしき『融雪』...
図書館で中身ペラペラっと開いたら、なんと立花さん、椿店長という文字が!これはアンちゃんの新たなお話が読める!!と喜び勇んで借りたところ、坂木司『空の春告鳥』は既に読んだお話と気づく。 ガッカリはしたものの、やっぱり好きだなぁ…和菓子のアンシリーズ、と再実感。 柴田よしき『融雪』は、これから先に続く未来がちょっと楽しくなるような読後感。 北村薫『しりとり』と、畠中恵『甘き織姫』は、日常の中にあるミステリーだった。 お目当ての"新たなアンちゃん作品”は読めなかったものの、日常でおこる出来事の謎や人が死なないミステリー、私、好きだ 。 これから読みたい本を探す時にとっても役立つ発見になった。 それに、読んだことのない作家さんたちの作品との出会いにもなるアンソロジー(特定のテーマに寄せた複数の作家の作品が掲載されている←初めて知った)って、自分好みの作品との出会いや今後の読書体験が広がっていくアイテムにもなりそうだ。
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坂木司、小川一水、近藤史恵、日明恩、畠中恵…もう読むしかないじゃないか。 アンソロジーなのでここの話のボリュームは多くないが、続きが読みたくなるものが多い。
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アンソロジーなので好きな話もそうでもない話もあるのですが、貧乏性なのでとりあえず全部読んでしまう。そしてモヤモヤしてしまう。 全部好きっていうアンソロジーに出会う日はいつか来るかしら。
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坂木司『空の春告鳥』 読んだことあったけど、懐かしく楽しめた。 日明恩(たちもりめぐみ)『トマどら』 描写が細かくて、味や心情を想像しながら楽しく読めた。 牧野治『チチとクズの国』 和菓子が、葛が、こんな風に使われるとは。 近藤史恵『迷宮の松露』 モロッコで自分を取り戻し、...
坂木司『空の春告鳥』 読んだことあったけど、懐かしく楽しめた。 日明恩(たちもりめぐみ)『トマどら』 描写が細かくて、味や心情を想像しながら楽しく読めた。 牧野治『チチとクズの国』 和菓子が、葛が、こんな風に使われるとは。 近藤史恵『迷宮の松露』 モロッコで自分を取り戻し、昔からの思い違いを知る話。 柴田よしき「融雪』 好き。 自然の中のペンションで主人公の周りの人が幸せになる話。 木地雅映子(きじかえこ)『糖質な彼女』 心の病は難しい。 もやもや。 小川一水(おがわいっすい)『時じくの実の宮古へ』 荒唐無稽?SF? 我慢して読んでいる内にはまりそうになった。 縮んだ日本が舞台。 恒川光太郎『古入道きたりて』 主人公が途中で替わった。 古入道に関する言伝え、本当にあるのかな?と思えてきた。 北村薫『しりとり』 俳句に和菓子を組み合わせる。 昔、こんな恋に憧れた。 畠中恵『甘き織姫』 登場人物それぞれの必要性はよくわかってらないけど。 こういう謎かけのようなやりとりは好き。 この後アンソロジー、後書きまで含めて面白い。 次は本屋さんのアンソロジーを読んでみたい。
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坂木さんがリクエストして書いていただいたとのことですが、和菓子というテーマでこんなにも違う読み応えのある短編が揃うとは思わなかったので驚きました。作品を読んだことがある作家さんの物はそれぞれその方らしいカラーが出ているのを期待通りに楽しむことができましたが、驚いたのが初読み作家さ...
坂木さんがリクエストして書いていただいたとのことですが、和菓子というテーマでこんなにも違う読み応えのある短編が揃うとは思わなかったので驚きました。作品を読んだことがある作家さんの物はそれぞれその方らしいカラーが出ているのを期待通りに楽しむことができましたが、驚いたのが初読み作家さんのものです。トマどら、チチとクズの国、糖質な彼女、時じくの実の宮古へ、どれも切り口がとても好きで、この作家さんたちの他の本も読んでみたくなりました。こんな風に他の本も読んでみたい作家さんと出会えるのはとても嬉しいです。
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図書館で「和菓子のアンソロジー」というタイトルに興味をそそられ、たまたま手に取ってみた本。 作家10人が和菓子をテーマに思い思いに物語を紡ぐという面白い作品。 軽やかな話、ファンタジーっぽい話、しんみりする話、など見事にどの作品も趣が異なり、作家たちの創作性の高さにうなる。 ...
図書館で「和菓子のアンソロジー」というタイトルに興味をそそられ、たまたま手に取ってみた本。 作家10人が和菓子をテーマに思い思いに物語を紡ぐという面白い作品。 軽やかな話、ファンタジーっぽい話、しんみりする話、など見事にどの作品も趣が異なり、作家たちの創作性の高さにうなる。 和菓子からここまで話が広がるなんて思いもよらなかった。
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アンちゃんのお話で好きな坂木さんのアンソロジー。しかも和菓子!これは読まなきゃと思って読んだ。 和菓子がテーマの話は正直坂木さんの本しか読んだことがなかったからいろんな作家さんの和菓子の話が読めて良かった。切り口はたくさんあるんだな。 今度上生菓子買いに行こう。
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