和菓子のアンソロジー の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
滅多に読書はしないので知らない作家さんが多い。 なので、知らない作家さんの話も読んでみたくて アンソロジーを初めて買った。 和菓子を絡めた話で、こんなにも様々な世界、 エピソードが浮かぶものなのかと感激。 ちょっと読むのがキツい話があったけど、 それらを上回るほどの、全体の面白さだと思った。 個別に感想をいくつか書くと… 空の春告鳥は和菓子のアンの続編だと知り嬉しかった。 この後も細々と展開していくのかな。 チチとクズの国は泣いた。 お父さんが成仏して無かったのは…と考えたら泣いていた。 融雪は風景が浮かぶようできれいな感じがした。 そして和菓子よりもキッシュが食べたくなった。 古入道きたりて、しりとりは 切ないけども優しい話で、重たくも無く。 甘き織姫に出て来る妻の完ぺきさは、 リアルにはあり得ない思ってしまった(笑) 可愛らしく賢く料理も出来て空気も読め 気遣いもできる完璧な女、目指すしか!(笑) アンソロジーは面白いのだな、と発見できた。 これを機に個別で他の作品も 読んでみたくなった作家さんも出来たから、買って良かった。 本て面白いのだな、と知ったし、 同シリーズの本屋さんとペットの本も読む気になった。
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ほとんどのお話は、面白くて良かった。坂木司さんファンなら好きだろうな、と思う。異色な感じの話は私はイマイチ好きじゃない。
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どの作品も和菓子の甘さだけじゃなく、どことなく重たい感じまでしっかりと表現されていた。和菓子のアンソロジーと聞いた時には「甘さ」に目がいったので、ここまで「和菓子」そのものを感じることが出来てびっくりした。ごちそうさまでした。
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【収録作品】「空の春告鳥」(飴細工の鳥) 坂木司/「トマどら」(どら焼き) 日明恩/「チチとクズの国」(葛) 牧野修/「迷宮の松露」(松露) 近藤史恵/「融雪」(淡雪羹) 柴田よしき/「糖質な彼女」(上生菓子) 木地雅映子/「時じくの実の宮古へ」(見立ての和菓子) 小川一水/「古...
【収録作品】「空の春告鳥」(飴細工の鳥) 坂木司/「トマどら」(どら焼き) 日明恩/「チチとクズの国」(葛) 牧野修/「迷宮の松露」(松露) 近藤史恵/「融雪」(淡雪羹) 柴田よしき/「糖質な彼女」(上生菓子) 木地雅映子/「時じくの実の宮古へ」(見立ての和菓子) 小川一水/「古入道きたりて」(夜船) 恒川光太郎/「しりとり」(葛ざくら・黄身しぐれ) 北村薫/「甘き織姫」(上生菓子) 畠中恵
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+++ 甘くてやさしくて、でもそれだけじゃない。想い出に似ている。 「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」というリクエストに応えてくれたのは、小川一水、木地雅映子、北村薫、近藤史恵、柴田よしき、日明恩、恒川光太郎、畠中恵、牧野修の各氏。 坂木さんの新作ももちろん収録。 +++ 「...
+++ 甘くてやさしくて、でもそれだけじゃない。想い出に似ている。 「和菓子をモチーフに忘れがたい作品を」というリクエストに応えてくれたのは、小川一水、木地雅映子、北村薫、近藤史恵、柴田よしき、日明恩、恒川光太郎、畠中恵、牧野修の各氏。 坂木さんの新作ももちろん収録。 +++ 「空の春告鳥」坂木司 「トマどら」日明恩 「チチとクズの国」牧野修 「迷宮の松露」近藤史恵 「融雪」柴田よしき 「糖質な彼女」木地雅映子 「時じくの実の宮古へ」小川一水 「古入道きたりて」恒川光太郎 「しりとり」北村薫 「甘き織姫」畠中恵 +++ 和菓子というテーマで、よくぞここまで違うテイストの物語が集まったものだ、と感心する。リアルな物語からファンタジックなものまで、甘いテイストからほろ苦いテイストまで、さまざまなのだが、どの物語のなかでもきっちり和菓子が生きている。坂木さんの『和菓子のアン』の後日談とも言える物語はもちろん、ほかのどの物語に出てくる和菓子も、読みながら口の中がほのかに甘くなる心地である。満足間違いなしの一冊である。
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“「わからなそうな相手に、難しい言葉を投げかける。それって自分で調べてみろ、っていうことじゃないかと思うんだよね」 謝謝。職人さんが笑う。立花さんは受け取った飴細工の一つを、私に差し出した。それは、ぷっくりとお腹のふくれたうぐいす。 「自分で調べることが、学びの第一歩だもん」 私...
“「わからなそうな相手に、難しい言葉を投げかける。それって自分で調べてみろ、っていうことじゃないかと思うんだよね」 謝謝。職人さんが笑う。立花さんは受け取った飴細工の一つを、私に差し出した。それは、ぷっくりとお腹のふくれたうぐいす。 「自分で調べることが、学びの第一歩だもん」 私はうぐいすを見つめながら、こくりとうなずく。 いいのかな。中身が空でも、ここから詰めていけばいいのかな。”[P.39_空の春告鳥] 「空の春告鳥」 坂木司 「トマどら」 日明恩 「チチとクズの国」 牧野修 「迷宮の松露」 近藤史恵 「融雪」 柴田よしき 「糖質な彼女」 木地雅映子 「時じくの実の宮古へ」 小川一水 「古入道きたりて」 恒川光太郎 「しりとり」 北村薫 「甘き織姫」 畠中恵 和菓子にまつわるアンソロジー。 現代物に限らず。 和菓子食べたくなる。 「空の春告鳥」が「和菓子のアン」の人達の話で嬉しかった。 「融雪」と「甘き織姫」が特に好きだな。 “「ま、そんなようなもんだ。でも芸能界の水になじめなくて引退して、普通の女子大生になってた。だけど一度でも芸能界にいたような子だから、ちょっと垢抜けてて、可愛くて。まあなんだ、むちゃ惚れてたわけだ。でね、一度だけ、その子を実家に連れてったことがあるんだ。それで実家でさ、淡雪羹を出してくれて。こんなおしゃれなんじゃなくて、昔からある、下半分が柚子色の黄色い寒天羊羹で、上が淡雪羹の、あれ。その子、淡雪羹を食べたことがなくて。ババロアだと思ったのに、ババロアより男前な口どけね、って」 「男前な、口どけ」 奈穂は感心した。 「素敵な表現ですね」”[P.166_融雪]
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坂木司さんの「和菓子のアン」の続編が収録されているということで楽しみに読んだ。短い話だったのでちょっと物足りなかった。もっと続きが読みたくなる。 アンソロジーということで普段はあまり読まない作家の話に触れられて面白かった。同じ題材を扱っても作家によってまったく話の方向性が違うから...
坂木司さんの「和菓子のアン」の続編が収録されているということで楽しみに読んだ。短い話だったのでちょっと物足りなかった。もっと続きが読みたくなる。 アンソロジーということで普段はあまり読まない作家の話に触れられて面白かった。同じ題材を扱っても作家によってまったく話の方向性が違うから色んな意味で楽しめる。これを機に別の作家の作品も読んでみたくなる。 さすがアンソロジー。短編なところも読みやすい。
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坂木さんの「和菓子のアン」の続編が読めてよかった。 あとは日明さんのと初作家さんの木地雅映子さんの作品がよかった。 恒川さんも良かった。 畠中さんはやはり時代小説がよい。 現代ものだと、なんかいらっとくる。合わないのだなぁ。 内容自体は良いのに、残念。
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執筆陣が魅力的だったので購入。 最初は坂木司さんの作品から。 「和菓子のアン」の続編というか後日談であるとあとがきでご本人が書いているが、確かにそういう感じ。これからまた新しい展開があるのかと期待してしまう。覆面作家ということだが、最近ますます女性的な雰囲気が漂っているなあと思う...
執筆陣が魅力的だったので購入。 最初は坂木司さんの作品から。 「和菓子のアン」の続編というか後日談であるとあとがきでご本人が書いているが、確かにそういう感じ。これからまた新しい展開があるのかと期待してしまう。覆面作家ということだが、最近ますます女性的な雰囲気が漂っているなあと思う。 日明恩さんの作品は初めて読んだのだが、硬質な雰囲気がけっこう面白かった。 牧野修さんの水まんじゅうには度肝を抜かれた。こんなふうに和菓子が出てくるなんて。 近藤史恵さんと柴田よしきさんはしっとりした感じ。モロッコと日本という違いはあるが、どちらも女性の心理がねっとりと描かれている。最近柴田よしきさんは、食べ物系に重心を移しているのだろうか。作中やたら食材や料理法に言及しているのが、私には余分だった。 木地雅映子さんは「氷の海のガレオン」以来だが、やはり心がヒリヒリするような作品だなあと思う。 小川一水さんと恒川光太郎さんはとても不思議な気持ちになる作品。 北村薫さんは相変わらずの北村節だなあと思った。 畠中恵さんの作品は、時代設定がちょっとよくわからなかった。タブレットを使っているのだから現代なのだろうが、出てくる男性陣がまるで明治か大正時代の学生のようで、人間関係のあり方がやけに古臭く感じた。 御岳さんは発達障害なのかなあ。あの反応や対応の仕方はまるっきりそうとしか思えなかった。 和菓子にはほとんど興味がないのに、これだけ楽しめるからアンソロジーは面白い。
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