夜行観覧車 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
高級住宅地で起こった殺人事件。 被害者はエリート医師で加害者はその妻。 殺人事件がおこった高橋家、そのお向かいの遠藤家、 近所の小島さと子の視点で話は進んでいきます。 人間が持っている負の要素がこれでもかというくらいに描かれていて、 それが怖ろしく上手いです。読んでいてうんざりするくらい。 どんでん返しやサプライズを欲しているわけじゃありませんが、 この終わり方は無理矢理もってきた感じが強くてすっきりせず、 何となく残念な読後感です。
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妻が、「いやミス」っていうのがなんだかわからないからという理由で買い続けている湊かなえなのですが、少なくとも、ミステリーじゃないことだけは明言できるという感じ。 むしろ、こういうキャラクターだからこう行動するよね、ということに忠実な、言ってみれば、どんでん返しなんかは期待すること...
妻が、「いやミス」っていうのがなんだかわからないからという理由で買い続けている湊かなえなのですが、少なくとも、ミステリーじゃないことだけは明言できるという感じ。 むしろ、こういうキャラクターだからこう行動するよね、ということに忠実な、言ってみれば、どんでん返しなんかは期待することがおかしい方面の小説だと思う。そのうえ、作品の気分を規定しているのが、二人の中学生で(妻はそう思っておらず、むしろ、二人の主婦に着目しているようだが、彼女らの不満は、実は彼女らの思い通りに中学生らが行動している場合、発生しないという特性を持っている)その意味では、きわめてラノベ的な何かである。 結末らしい結末もないのだが(終わりなき日常の方面?)それでも、なにがしかのオチはついているので、ミステリーを期待しなければ、ドラマとしては成立してます。でも、特に感銘は受けないというか、ええと、読後感としては、「斜陽」みたいな感じ?
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家族の話。 子供にとっての母親、妻にとっての夫、夫にとっての家族、母親にとっての子供 いろいろな家族があると思うが、すべて共通しているように感じられる一冊。 多少雰囲気は重いが、さらりとした読後感。
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★3.5 ドラマを見ている母の話を聞くと、小説とは少し焦点が違うとのこと。 誰もがもっている黒さが全面に押し出されている人間ドラマ。 この気持ち悪さはあくまで自分が読者として、第三者の目線でみてるからこそ感じるものなんだろうなと思う。 多分自分自身も、一部だけを取り上げて書かれ...
★3.5 ドラマを見ている母の話を聞くと、小説とは少し焦点が違うとのこと。 誰もがもっている黒さが全面に押し出されている人間ドラマ。 この気持ち悪さはあくまで自分が読者として、第三者の目線でみてるからこそ感じるものなんだろうなと思う。 多分自分自身も、一部だけを取り上げて書かれることがあれば、きっとこのくらい胸が悪くなるようなものをもっている。 もう一つこの本の気持ち悪さを強調するのが高木俊介の存在。 優れた容姿と頭脳、誰もが応援したくなる完璧なアイドル。 ある意味この人物が軸なんじゃないかと思うくらい、異様な存在感が出ている。 上手く表現できないけれど、自分にとって何か中毒性のある面白さを感じさせる一冊。
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高級住宅街に納得のいく家をたてたものの、 娘の受験失敗を機に家庭が壊れかけていた。 そんなとき、何不自由ないように見えた向かいの家で妻が夫を殺害する事件が起こる。 被害者かつ加害者の家族を主人公にせず、向かいの家族が主人公となっている。これによって被害者家族、向かいの家族、近所...
高級住宅街に納得のいく家をたてたものの、 娘の受験失敗を機に家庭が壊れかけていた。 そんなとき、何不自由ないように見えた向かいの家で妻が夫を殺害する事件が起こる。 被害者かつ加害者の家族を主人公にせず、向かいの家族が主人公となっている。これによって被害者家族、向かいの家族、近所のお節介さん小島サトをつなげぐ被害者の息子、俊介がより強調されるようになっている。 読んだ後の印象 大事にしているもの、あるいは価値観を攻撃されたとき、 人は我を失い怒り狂うのかもしれない。 そして何を大事にしているかは、他の人には気づかないこともある。
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現在テレビドラマとして放映中の小説なので、登場する俳優さんたちの顔が読書中にオーバーラップします。テレビドラマはやはり見せる場を盛り上げるために原作にない筋書が用意されているようですが、原作を読み終えた今、ミステリアスな部分よりもむしろ人間ドラマで深い味わいのある作品ではないかと...
現在テレビドラマとして放映中の小説なので、登場する俳優さんたちの顔が読書中にオーバーラップします。テレビドラマはやはり見せる場を盛り上げるために原作にない筋書が用意されているようですが、原作を読み終えた今、ミステリアスな部分よりもむしろ人間ドラマで深い味わいのある作品ではないかという印象でした。 高級住宅地ひばりヶ丘の3つの家が主な舞台。そこで起きたある事件を中心に時間軸を少しずつずらしながらそれぞれの家庭の内情が交互に描かれていきます。かなり以前から社会現象として事件の原因となりがちな家庭内暴力、そしてお受験、父親不在の家庭内離婚状態・・・こうした特に珍しいとはいえない現代社会の家族関係や社会背景がまず登場します。そこに渦巻く優越感や劣等感、妬み、恨み、怒り・・・人の不幸は蜜の味とばかりによその家庭を詮索する近所の住人、自己中心の視点でふりかざす正義感など、自分にも思い当たる感情を晒されたようで時には不快感がこみあげてきます。しかし、これは作者の意図するところであり、終局に向かうためのエピソードには欠かせないものなのでした。 何よりもエピローグでの小島さんの独白がそれを物語っています。
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原作のテレビドラマを母親が毎週観ているので気になって原作本を購入。湊かなえの小説は「告白」もそうだったが、登場人物それぞれの視点で物語が進み、それに伴い時系列も前後していくのが特徴。 ドラマではミステリーの要素があって、犯人や動機を探る楽しみが含まれているので、それを期待して原作...
原作のテレビドラマを母親が毎週観ているので気になって原作本を購入。湊かなえの小説は「告白」もそうだったが、登場人物それぞれの視点で物語が進み、それに伴い時系列も前後していくのが特徴。 ドラマではミステリーの要素があって、犯人や動機を探る楽しみが含まれているので、それを期待して原作本を読むと拍子抜けする。サスペンスやミステリーのようなラストを想像していたので少々残念だった。家族を描く小説として読んでほしい。
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ドラマを見ていて、うっわーーーこわっ、と思って本にも興味を持った。遠藤真弓が、ドラマでは鈴木京香で、上品になっているのが、原作では上品とは程遠い、世俗的な人間だった。その方があってる。さと子が案外原作では良い人だったのも面白かった。ドラマのさと子はテレビ的には最高の要素と思う。有...
ドラマを見ていて、うっわーーーこわっ、と思って本にも興味を持った。遠藤真弓が、ドラマでは鈴木京香で、上品になっているのが、原作では上品とは程遠い、世俗的な人間だった。その方があってる。さと子が案外原作では良い人だったのも面白かった。ドラマのさと子はテレビ的には最高の要素と思う。有りそうな世界、事件。いやぁ、残された子供達がなんとかうまく大人になることを祈る。
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ドラマが面白いので借りて読んでみた。人間関係の設定がドラマとはだいぶ違う印象だけど、時系列が前後しないのでドラマより単純な印象を受ける。家族別に章が別れていて、ドラマよりも個々の考えていることが深く描かれているので興味深かった。ただドラマの方がキャラクターが立っていて、後半までミ...
ドラマが面白いので借りて読んでみた。人間関係の設定がドラマとはだいぶ違う印象だけど、時系列が前後しないのでドラマより単純な印象を受ける。家族別に章が別れていて、ドラマよりも個々の考えていることが深く描かれているので興味深かった。ただドラマの方がキャラクターが立っていて、後半までミステリータッチで進むので面白い。本はそれぞれの家族のそれぞれの問題解決の仕方を描いた物語で、ドラマは原作を元にしたミステリーなんだと思った。
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・家庭内の問題、家庭外の問題、いじめ等、小説やドラマでよくある話が複雑に絡んでいるが湊かなえの驚きはなかった。
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