光圀伝 の商品レビュー
江戸初期の文化、史記の話などに慣れず、読み進むのに苦労した部分もありましたが、読み終えてじんとするほど良かったです。 歴史上でも史上最悪と思っていた五代将軍綱吉。うん、確かにあの法令は最悪でしたが、決して愚鈍なばかりではなかったろうに、将軍であること、将軍を支える人々というのは大...
江戸初期の文化、史記の話などに慣れず、読み進むのに苦労した部分もありましたが、読み終えてじんとするほど良かったです。 歴史上でも史上最悪と思っていた五代将軍綱吉。うん、確かにあの法令は最悪でしたが、決して愚鈍なばかりではなかったろうに、将軍であること、将軍を支える人々というのは大変なのだと改めて考えさせられました。今の世にも通じますしね。 途中『天地明察』での一場面も出てきて、光圀側から見るとこんな感じなのかと思いました。 光圀が生きる時代が早すぎた。そう思います。
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面白い!光圀はすごい。才能だけじゃなく、強い気持ちと溢れる人間味が素敵で多くの才能溢れる人達を巻き込んで物事を成すパワーに感服です。素敵な脇役がいっぱいです。こういう人達の思いが連なって今があると思うと、明日も頑張ろって気持ちが新たになる。
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分厚い。重い。 読み始めるまでが1番の試練だったけど、読み始めたらあっという間に読み終わった。 見かけによらず文は堅すぎず読みやすい。 光圀と独耕才?の友情に憧れる。 光圀の疾風のような人生を共に過ごしたような爽快感があった。 やっぱり自分は歴史小説が好きだなぁと再認識させられた...
分厚い。重い。 読み始めるまでが1番の試練だったけど、読み始めたらあっという間に読み終わった。 見かけによらず文は堅すぎず読みやすい。 光圀と独耕才?の友情に憧れる。 光圀の疾風のような人生を共に過ごしたような爽快感があった。 やっぱり自分は歴史小説が好きだなぁと再認識させられた。
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とても面白く、まさに大作であり、傑作です。 個人的には、天地明察の方がのめり込んだ感。 テレビの「水戸黄門」ではなく、水戸光圀公が一人の人間として、その生き様、思い、人生が描かれています。 静かな筆致から熱い情念を感じる文章。 とても読みやすく、また、心に染みました。 面白かっ...
とても面白く、まさに大作であり、傑作です。 個人的には、天地明察の方がのめり込んだ感。 テレビの「水戸黄門」ではなく、水戸光圀公が一人の人間として、その生き様、思い、人生が描かれています。 静かな筆致から熱い情念を感じる文章。 とても読みやすく、また、心に染みました。 面白かったです。 先の未来。 大政奉還の折に居合わせたら、光圀はどう思うのだろう。 幼いころの彼へそうしたように、彼へ驚いた顔を向け満足そうな顔をしそうな気もします。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった!文章は読みやすくキャラクターが魅力的なので、ページをめくる手が止まりません。天地明察より堅めでこちらの方が好み。 身近な人の死が光圀を次々襲い、涙ぐむところが多かった。多くの人が生きて、死んで、それが連綿と続いていく。テレビの黄門様のイメージしかなかったけど、こんなに濃い人生を送った人物だったんだなー。 小さい頃から晩年まで、すごい人物に出逢うとすぐライバル心がムクムク湧く光圀がかわいくてかっこいい。兄も友も妻もすごくいい。 最後の展開は辛いが、「彼」もホッとしたのではないかな。そう思いたい。 光圀は、自分が歴史の大きな流れの中の一点だということをよくわかっている。 私は先の世を生きる人に何か残せるのかな。家族を作らないと、何か大きなことを成し遂げないと、だめなのかな。爪跡を残したいわけではないけど、誰かに良い影響を少しでも与えられたらいいな。そんな事を思いました。 ただ、まー重い。ぶ厚い。
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天地明察が余りに面白くて、同じ作家の作品を探した。単行本の分厚さにしばし迷ったが、やはり読みたい気持ちが勝り手に取った。 天地明察とは少し趣を異にするが、これもまた別の意味でおもしろい。淡々と光圀の人生を追い、関わった人々が光圀の周囲で生きて死んでいく。 天地明察と同時代であり、...
天地明察が余りに面白くて、同じ作家の作品を探した。単行本の分厚さにしばし迷ったが、やはり読みたい気持ちが勝り手に取った。 天地明察とは少し趣を異にするが、これもまた別の意味でおもしろい。淡々と光圀の人生を追い、関わった人々が光圀の周囲で生きて死んでいく。 天地明察と同時代であり、同一人物も登場する。基本的にどちらに登場する人物も全く同じキャラクターとしてて描かれている。 光圀の生きる芯になった義、オープニングからエンディングまで、実はある人物に向けて様々な人を通して語られ光圀のものとなっていったそれを、向けられるべき対象の人物は、多くの登場人物と同様に淡々と語られ、決して目立ってはいない。 後半、対象が明確になってからも、他の人々に紛れている。 終始視点は光圀から動くことはなく、他の人物の感情や意思は語られることがない。読み手も、いつの間にか光圀と共に年を取り、光圀と思いを重ねる。 だから、光圀の為すことにも感情にもさもありなんと思う。 描かれ方が淡々としているので、共感というよりも少し離れたところから静かに見ている感じだ。 本を閉じて、ほーっと深い息を吐いた。 因みに光圀伝の登場人物で一番好きなのは、左近。
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「なんで、おれなんだ」光圀の人生は、このことを生涯問い続けていたのだろうと本書を読んで感じました。「生まれるはずではなかった?」みずからの出生の秘密を知り、慣習に照らすと本来なら兄が継ぐべきはずが、自分が継ぐことになった。また、歳を重ねるたびに訪れる近しい人々との死別と…、まるで...
「なんで、おれなんだ」光圀の人生は、このことを生涯問い続けていたのだろうと本書を読んで感じました。「生まれるはずではなかった?」みずからの出生の秘密を知り、慣習に照らすと本来なら兄が継ぐべきはずが、自分が継ぐことになった。また、歳を重ねるたびに訪れる近しい人々との死別と…、まるでこの世の不条理を一身に引き受けたような人物という印象を受けました。家族、朋友を失ってもなお「義とは何か」を求め続けた光圀の姿に感銘を受けました。 前作の『天地明察』の主人公である安井算哲、宮本武蔵と沢庵和尚(この部分は著者の創作かと)も登場し、従来の『水戸黄門』とは異なる人物像がうかがえる、歴史エンターテイメント小説です。
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知ってる水戸黄門とイメージのギャップが激しくて初めはすごく戸惑った。 読んで行くうちに、一生に打ち込めるものに時間も気力も費やすことに憧れたし、ノブレスオブリージュをここまで強く感じた本は初めてだった。 天地明察と交わる部分は光圀側の視線からで新鮮でもう一度天地明察を読んで照らし...
知ってる水戸黄門とイメージのギャップが激しくて初めはすごく戸惑った。 読んで行くうちに、一生に打ち込めるものに時間も気力も費やすことに憧れたし、ノブレスオブリージュをここまで強く感じた本は初めてだった。 天地明察と交わる部分は光圀側の視線からで新鮮でもう一度天地明察を読んで照らし合わせて見たいと思った。 今の時代とは慣習もなにもかも違うから、光圀が紋太夫を殺したことがいいのかどうかは判断し兼ねるが、家臣の責任を自分が取る、しかし決して嫌って殺したのではないというのがとしてつもない精神力だと思う。泰姫の死と紋太夫に「大義てあった」と囁く場面は思わず涙が出た。
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ここ2ヶ月くらいのスキマ時間の楽しみが終わってしまった。。。 天地明察と同じく、ひとりの熱い生きざまをドラマチックに描写していて、どんどん引き込まれる感覚。 光國が関わる多くの人の生と死が、無常と悲哀を感じさせる場面も多いが、光國の感情豊かな振る舞いと相まって清く受け止められた気...
ここ2ヶ月くらいのスキマ時間の楽しみが終わってしまった。。。 天地明察と同じく、ひとりの熱い生きざまをドラマチックに描写していて、どんどん引き込まれる感覚。 光國が関わる多くの人の生と死が、無常と悲哀を感じさせる場面も多いが、光國の感情豊かな振る舞いと相まって清く受け止められた気がしました。 心に何か熱いものがグッとくる、そんな小説を求める方にはオススメです。 あと、とりあえずサラッとでも論語は読んでおいてよかった。光國の大義を少しでも理解するには、とても役に立ちますよ。
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詩とか論語とか難しかったけど、読みおわって「そういうことだったのか」と納得もして泣きながら読み終わった...w そういえば子供の頃伝記を読み漁っていたけど嫌いじゃないんだなって思い出した。 でも次は冲方丁のSF読むぞ〜って気力満々w
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