光圀伝 の商品レビュー
アップしていたはずのレビューが今日見たら消えてた……。というわけで再レビュー 図書館より 水戸黄門の通り名で有名な水戸徳川将軍、光圀の生涯を描いた歴史小説。 光圀の生涯はとにかく濃い! ハードカバーで700ページ以上の大作なので、読み始める前は「ちょっと書き込みすぎだろ...
アップしていたはずのレビューが今日見たら消えてた……。というわけで再レビュー 図書館より 水戸黄門の通り名で有名な水戸徳川将軍、光圀の生涯を描いた歴史小説。 光圀の生涯はとにかく濃い! ハードカバーで700ページ以上の大作なので、読み始める前は「ちょっと書き込みすぎだろう」などと思っていたのですが、いざ読んでみると、光圀の人生はとにかく濃くて、この生涯を描くのに700ページという厚さは必要だったのだな、と思いました。 将軍家の三男として生まれた光圀ですが、彼は長男を差し置いて父から世継ぎに選ばれます。そんな光圀の生涯の問いの一つは「なぜ自分なのか」という事でした。そしてその問いは徐々に光圀の中で「何を義として生きていくのか」ということに変わっていったのだと思います。 何のために生きていくのか、と思いながら生きていくことは正直しんどいことだと思います。だからというわけではありませんが、僕はあまりそういうことは考えず、日々を生きています。でも一方で光圀のような自分のやるべきことに対し、常に悩み、そしてそれに向かって生きていく姿はうらやましくも感じました。そうした悩みとその苦悩を振り切って彼が生きていく姿はとにかく力強かったです。 また光圀は若くして妻や友人と死に別れ、晩年も息子同前に可愛がってきた家臣との決定的対立を迎えるなど、別れの多い人生でもありました。 またそうした別れが何かが始まろうとしている時だったり、上手くいこうとしている時だったりするのがまた印象的でした。そうした悲しみにも負けず自らの義に向かって真っすぐに突き進んでいく姿は、人生に義を定めた人間の強さを表しているように、そして家臣との対立はそれだけでは如何ともしがたい義と義とのぶつかり合いの果てを見せられたように思いました。 第3回山田風太郎賞 2013年本屋大賞11位
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なんというスケールの大きな人間人生劇場。大義、儒教、学問、武士道への追求。この精神性を持続することが、日本人の日本人たる唯一無二の生き残りの道ではないかとさえおもう。
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途方もない小説。吸い込まれるようにすすんでいく。どこまでが真実でどこからが創作か浅学のため分からないが、光圀について楽しく知る事が出来た。光圀が妙に身近になった。また、水戸に行きたくなった。 サイコパスというアニメを見てたら、なんと冲方丁が、脚本協力!面白いわけだ。また、甲殻...
途方もない小説。吸い込まれるようにすすんでいく。どこまでが真実でどこからが創作か浅学のため分からないが、光圀について楽しく知る事が出来た。光圀が妙に身近になった。また、水戸に行きたくなった。 サイコパスというアニメを見てたら、なんと冲方丁が、脚本協力!面白いわけだ。また、甲殻機動隊も、脚本書いてる。
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読み応えのある本でした。 冲方丁の作品で、前作の天地明察の話も少し入っていたのが面白かった。 光圀のことを美化もせず正確に伝えているんじゃないかなぁと思いました。
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テレビの水戸黄門様とは全く異なる徳川光圀。 光圀のあふれんばかりの詩や武士としての情熱と野心と、それを上手く発揮できない立場や性格から、野生の虎が檻に閉じ込められている姿が浮かびました。とても才能と人間味にあふれた人物であったのだなーと。 泰姫がかわいすぎた。二人で幸せに生きて...
テレビの水戸黄門様とは全く異なる徳川光圀。 光圀のあふれんばかりの詩や武士としての情熱と野心と、それを上手く発揮できない立場や性格から、野生の虎が檻に閉じ込められている姿が浮かびました。とても才能と人間味にあふれた人物であったのだなーと。 泰姫がかわいすぎた。二人で幸せに生きてほしかった。 読耕齊も。それにしても歴史に名を残した人には長命の人物が多いように感じる。 水戸黄門を見たくなりました(`・U・)
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光圀は常に場面、場面に全力でぶつかり生きてきたのだろう。 大義に従い、綿々と世代をつなげていくこと、それこそが我に与えられた役目であると。 「余もまた、この世に生きた」と石に向かって静かにささやくシーンがそれを象徴する。 読後、高村光太郎の『道程』が頭の中に浮ぶ。 「僕の前に道...
光圀は常に場面、場面に全力でぶつかり生きてきたのだろう。 大義に従い、綿々と世代をつなげていくこと、それこそが我に与えられた役目であると。 「余もまた、この世に生きた」と石に向かって静かにささやくシーンがそれを象徴する。 読後、高村光太郎の『道程』が頭の中に浮ぶ。 「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る。」
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黄門様諸国漫遊しない記。 血気盛んな傾奇者として暴れ回り、様々な人物立ちとの出会いから、学問、詩歌の魅力に取り憑かれて行く。 前半は淡々と進む。中盤~後半は様々な出会い別れがありドラマチック。 人生の短さをまざまざと感じさせられる。 ほとんど知識がなくTVでしか知らないの...
黄門様諸国漫遊しない記。 血気盛んな傾奇者として暴れ回り、様々な人物立ちとの出会いから、学問、詩歌の魅力に取り憑かれて行く。 前半は淡々と進む。中盤~後半は様々な出会い別れがありドラマチック。 人生の短さをまざまざと感じさせられる。 ほとんど知識がなくTVでしか知らないので新鮮でした。 徳川と御三家の関係など歴史にうとい自分にもわかりやすく、かつ自然に解説されてるのが良かった。 ★4かなという感じなんですが、最初がちょっと退屈に感じてしまった印象。 もう一度呼んだら印象変わるかも。 同作者の天地明察のほうが好みでした。
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歴史上でも稀なほどの逸話が残されている徳川光圀の生涯が「儒教の義」という補助線を引いて見事な小説に仕上げられている。 青年期は膂力たくましい傾奇者として描かれておりイメージとのギャップでまず引き込まれたように思う。特に宮本武蔵との邂逅は興奮を感じた。
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水戸藩主、徳川光圀の一代記。 かの有名な水戸の黄門様その人であるが、TVの好々爺風情とは違い、何とも力強い、かつ激情的で繊細な一面を見ることが出来た。著者の作品を読むのは、「天地明察」に次ぐ2冊目であるが、断然、こっちの方がイイ。とにかく光圀の生き様が格好イイのだ。周りを固める...
水戸藩主、徳川光圀の一代記。 かの有名な水戸の黄門様その人であるが、TVの好々爺風情とは違い、何とも力強い、かつ激情的で繊細な一面を見ることが出来た。著者の作品を読むのは、「天地明察」に次ぐ2冊目であるが、断然、こっちの方がイイ。とにかく光圀の生き様が格好イイのだ。周りを固める脇役陣も皆、魅力的で、もの凄いボリュームながら読むのが楽しく、光圀と同様、誰かが亡くなる度に涙が零れた。 読み応えがあって、読後、満足感に浸れる一冊だった。
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700ページ超の大作なので、読み終わるのにえらく時間がかかりましたが、それだけの価値はあったと思います。テレビで有名な黄門様時代は少しで、大部分が血気盛んな若い時代の話になりますが、まさに義と文事に生きた英傑の一代記という感じです。
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