光圀伝 の商品レビュー
『天地明察』が大好きだった。著者もその作品で知った。そういう経緯で本書も購入。 これまであまり興味を持たなかった光圀に興味を持ち、読後に何冊も光圀関係の書籍を購入した。そういう新しい世界を開いてくれた意味で本書は面白かった。 但し読中の感想はまず「残念な」。主人公光圀の行動指...
『天地明察』が大好きだった。著者もその作品で知った。そういう経緯で本書も購入。 これまであまり興味を持たなかった光圀に興味を持ち、読後に何冊も光圀関係の書籍を購入した。そういう新しい世界を開いてくれた意味で本書は面白かった。 但し読中の感想はまず「残念な」。主人公光圀の行動指針としての「義」の導入がどうにも唐突に感じられる。さらにこの「義」に則って動く登場人物があまりに生身の人間からかけ離れて感じる。つまりは作者の「こう動かしたい」という意思が強すぎて、どうにも「作り物」の感じがしてしまう。人物が作者の「計算」のみにしたがって動いているように感じる。 『天地明察』については「史実と異なる」なんて批判があっても「だからどうしたんだ」と笑い飛ばしたくなるほど、小説としての世界観が素晴らしかったと思う。 残念ながら本書については、さまざまな「光圀論」の「寄せ集め」のように感じられる。登場人物たちに感情移入することができなかった。
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地元の人が主人公なので思わず手に取る。後に冲方先生の作品と気づき、購入。 読んでないが先に貸した人物によると「面白い!」とのこと。読むのが楽しみな一冊。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
大作である。黄門さんこと、水戸光圀を扱った小説としては、一番史実に近いのかもしれない。戦争もなく、事件もそれほどなく、平和な時代を淡々と生きていく。地味な人生かもしれないが、いろいろな人たちとの出会いと別れが描かれている。 物語の初めと終わりに自分の後を託すはずだった紋太夫を手討にせざるを得なかった光圀の苦悩が描かれる。奇しくも、紋太夫の大義は朝廷に政権を返納することであり、水戸家出身の最後の将軍がその大義を果たすことになるとは。歴史の綾である。そこが一番のクライマックスである。 700頁以上のハードカバーが、2000円弱であり、お得感一杯の本である。
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水戸光圀のイメージって時代劇の水戸黄門のイメージだったのでそれとは全く違うお話に驚くような不思議な気持ちでした。本当のところどんな人だったのかな?と興味を抱かせる力強い小説だなと思いました。
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読んで良かったと素直に感じられる一冊。 天地明察に続き、沖方さんの書く文章の魅力に最初から引き込まれる。 梅の詩で始る物語、一人の人生を左右する出会いと別れ。 ネタバレは嫌いなので一言、天地明察では読みながら涙を流しました。 この光圀伝では最後の一文を読み、どっと文章が蘇り涙が溢...
読んで良かったと素直に感じられる一冊。 天地明察に続き、沖方さんの書く文章の魅力に最初から引き込まれる。 梅の詩で始る物語、一人の人生を左右する出会いと別れ。 ネタバレは嫌いなので一言、天地明察では読みながら涙を流しました。 この光圀伝では最後の一文を読み、どっと文章が蘇り涙が溢れました。 素晴らしい一冊をありがとうございます。
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なんともすごい大作です。 水戸光圀の生涯が書かれたこの作品、まさに大河小説と呼ぶにふさわしいと思います。なんという読み応え、読む醍醐味が十分に堪能できて満足の一冊です。1週間かけて読了しました。 幼少期から引き込まれます。兄への複雑な思いが切ないし、父への畏れもリアルでした。 ...
なんともすごい大作です。 水戸光圀の生涯が書かれたこの作品、まさに大河小説と呼ぶにふさわしいと思います。なんという読み応え、読む醍醐味が十分に堪能できて満足の一冊です。1週間かけて読了しました。 幼少期から引き込まれます。兄への複雑な思いが切ないし、父への畏れもリアルでした。 青年期も良かったなぁ。 光圀の破天荒ぶり、もやもやする心のうちはとても興味深かったし、江戸の街で若く滾るパワーや人との出会いが格別に面白かったです。 がむしゃらな学問への探究もよし、光圀の人物像にはとても惹き付けられました。 知識人たちとの語らう知の世界には心が震えました。 自分が学問をするわけではないのに(^ ^;)、宇宙を臨むような広がり感じられました。感動! 壮年期がまたじっくり楽しませてくれました。 光圀が歴史に残る人物となっていく生き様が、濃く深く描かれていて力強く圧巻でした。 周囲を取り巻く大きな渦のような政治の世界と人物たちを通し、光圀が成長していくなかで、不思議となにか自分にも教えられることがあるように感じました。人から何かを学んでいく光圀の明晰さ、柔軟さ、心の強さがいい。一方、伴侶を得ての光圀の真っ直ぐさも楽しく読みました。 そして未曾有の火災、多くの死別を経験した光圀の、晩年の思いは胸に迫るものがありました。若い頃には思い至らなかったことにふと気づいたり、ある時は自分の父は昔どんな思いでいたのかと考えたり、懐かしさを感じたり、若き立場には帰れない自分を思う。 涙が出そうになった場面が何度もあった。 光圀が人の世は…。と感じたように自分も人の生きることの移ろいを感じずにはいられませんでした。 大河のような光圀の人生がずっしり迫り、なんとも重厚な小説でした。 見事に書ききった冲方丁さん、本当にすごいことだと思います。 PS. 電車では本が重くて腕がつらかったです。上下分かれていても良かったのでは?
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面白かった~!(長かったケド・・・)今更ながらに、知ること多し。わからないことも多数だけど・・・今までより更に(ちょっとは)興味深くなった感じ。『天地明察』の映画を観たせいで、水戸光圀 - 中井貴一、保科正之 - 松本幸四郎のキャストで読んでしいました。だから、読めたのかも(笑)
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読み応え満載。 歴史にずっと興味がなく過ごしてきたけれど 最近とっても歴史小説を面白く感じる。 こんな風に過去の出来事と触れ合えていたら、 学生だったあの頃もっと楽しく学べたのに・・・ 凄く勿体なかったと痛切に思う。 テレビの「水戸黄門」しか知らなかった私には 衝撃的で鮮烈な印...
読み応え満載。 歴史にずっと興味がなく過ごしてきたけれど 最近とっても歴史小説を面白く感じる。 こんな風に過去の出来事と触れ合えていたら、 学生だったあの頃もっと楽しく学べたのに・・・ 凄く勿体なかったと痛切に思う。 テレビの「水戸黄門」しか知らなかった私には 衝撃的で鮮烈な印象を残した。 まだ読んでいない天地明察も是非読みたいと思う。
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ボリュームがあったが、最後まで楽しめた。 水戸の黄門様としての場面は最後に少しだけ。 義に対する熱い気持ちの持ち主とわかった。 『天地明察』ともリンク。 作者は一生を賭けて何事かをなす人物の造形が上手い。
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水戸黄門はフィクションと分かっていたが、水戸光圀とは何をした人なのか、よく知らなかった。 義を大切にし、そのように生きた。 別れも多く経験する。 熱く、切ない物語。
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