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光圀伝 の商品レビュー

4.4

379件のお客様レビュー

  1. 5つ

    170

  2. 4つ

    127

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

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2012/11/02

すばらしい大作でした。 スケさんとカクさんが言う。 「ここにおられる方をどなたとこころえる。先の副将軍、水戸の光圀公であらせられるぞ」 「えぇい、頭が高い、ひかえぃ、ひかえおろう」 ここで音楽がじゃじゃ~んとなって、 すこし厳しい表情のご老公様の顔がアップ! 誰でも一度は見た...

すばらしい大作でした。 スケさんとカクさんが言う。 「ここにおられる方をどなたとこころえる。先の副将軍、水戸の光圀公であらせられるぞ」 「えぇい、頭が高い、ひかえぃ、ひかえおろう」 ここで音楽がじゃじゃ~んとなって、 すこし厳しい表情のご老公様の顔がアップ! 誰でも一度は見たことがあるに違いない、ドラマ「水戸黄門」の最大の見せ場です。 長年親しまれてきたあのシリーズも視聴率が落ちてしまってすでに終了していますが、 私はけっこう好きでした。 おそらく、私の年代ではめずらしいことだったのではないかと思います。 大人になってから、 あのドラマあらゆる設定が 史実とはかけ離れていることを知り、 そして本書を読んで、光圀がこれほどまでに苛烈な存在だっとは、と 感動を覚えました。 スケさんもカクさんも全然違う。 八兵衛、「うっかり」さんじゃないじゃん!! 作品ならではの脚色はあるかと思いますが、 まっすぐな光圀の言動にはとても爽快感を感じます。 今の政治家のふがいなさをみるにつけ、 こんな風にひっぱってくれる人が永田町にいれば、 もっと日本も変わることができるのではないかと思うのです。 その一方で、光圀のひたむきさについていくのは、 周囲の人たちもたいへんだったろうし、 光圀の治世下の領民にとっても けして良いことばかりではなかったとも思います。 実際はどうだったのでしょう。 俄然興味が湧いてきました。

Posted byブクログ

2012/10/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

一気読みに近い状態でガツガツ読み進めてたのにもかかわらず 読了するのに3日かかった。 長い話だったけど、不思議と疲れは感じなかったな。 『天地明察』共々、史実をこれだけ面白く読ませる筆力に脱帽。 とはいっても『天地明察』と圧倒的に違うところは 主人公として語られる人物の知名度だと思う。 水戸光圀の人物像を上書きするというひと手間が加わったことで より深く心に刻まれるものだということを身を以って味わった気がする。 ある意味ギャップ萌えともいえるかも。萌えたかどうかは別にして(爆)。 諸国漫遊記の出どころも史実に隠されていたというのが軽く驚きだった。 助さんのモデルはなんとなく判ったけど、格さんは誰だろう? 紋太夫か? (あとで調べてみたら格さんのモデルは安積覚だった/泣) 途中で挟み込まれた安井算哲のエピソードは所謂読者サービスだろうな。 次回作が既に気になる。 同じ時代を生きた、またちょっとだけ関わりのある人の話を読んでみたい。 その近辺の歴史を調べたうえで、 『天地明察』とセットで時間をかけて再読したい本。 文庫になったら上下巻か。全3巻かもな。

Posted byブクログ

2012/10/28

内容(「BOOK」データベースより) なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのかー。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武...

内容(「BOOK」データベースより) なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのかー。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出すー。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。

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2012/10/28

高校時代は日本史選んだものの年表も人名も覚えられないし面白さも今ひとつわからないし当然点も取れなかった類の人間ですが、面白い歴史小説っていうのは本当にここまで面白いんだなぁ…と実感できる一冊でした。 『マルドゥック・スクランブル』も『天地明察』も大好きですし、先に大森望さんのレビ...

高校時代は日本史選んだものの年表も人名も覚えられないし面白さも今ひとつわからないし当然点も取れなかった類の人間ですが、面白い歴史小説っていうのは本当にここまで面白いんだなぁ…と実感できる一冊でした。 『マルドゥック・スクランブル』も『天地明察』も大好きですし、先に大森望さんのレビューをラジオで聞いていたので、まず面白いに決まっているとは思ってましたが、想像以上の面白さ。胸が締め付けられるような場面も何度もありました。時代劇のおぼろげな黄門様のイメージしかなかったのが逆に幸いし、もう本当に展開が新鮮でわくわくして、分厚いのにページを繰る手が止まらず、後半はもう一気読みするしかありませんでした。 冲方さんはつくづく「人の魅力」を描くのが巧みですよね。 また、時代的に当然とはいえ、『天地明察』とちゃんとリンクしている場面もニヤッとしました。 あと、執筆時期が重なっているのでしょうか、明暦の大火からの展開に3.11を思い出します(ご本人も被災されたとのこと)。 それにしても、最近立て続けに本で泣かされているなぁ…あー読めてよかった。

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2012/10/27

グッとくる!けど、本当はもっと長編がふさわしかったのではないなかぁ、と。光國と師匠の関わりなんて、もっとじっくり描いてもいいよね。

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2012/10/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

平和な時代に(徳川家康の孫として)生まれ、三男にして家督を継いだことから苦悩する若かりし時を経て、「大義に則り、仁政を施す」という儒教に裏付けられた君子としてのあり方を実践した光圀の人生から、生涯を通じて貫くべき人間として大事な一本の芯を持つことの重要性(また、それを実践するための心技体の鍛錬の必要性)を感じました。

Posted byブクログ

2012/10/20

戦国時代を終え泰平の世の中に進むなか義のために苦心し、義のために生き抜いた徳川光圀の人生を描いた伝記小説。兄をさしおいて世子として父より指名を受けてからの苦悩の様を周囲の人々の触れ合いと供に絶妙に描く。そして治道、文事を極めた名君として名高い光圀の心のゆらぎを見事に史書から読みき...

戦国時代を終え泰平の世の中に進むなか義のために苦心し、義のために生き抜いた徳川光圀の人生を描いた伝記小説。兄をさしおいて世子として父より指名を受けてからの苦悩の様を周囲の人々の触れ合いと供に絶妙に描く。そして治道、文事を極めた名君として名高い光圀の心のゆらぎを見事に史書から読みきって仕上げる。さすが筆者渾身の大作だな。あと光圀が影響を受けた脇役が兎に角豪華。宮本武蔵、沢庵、保科正之、林羅山。悪役の徳川綱吉もいい味を出してます。司馬遷の史記も学べる、感動と気持ちが高揚しっぱなし圧巻のファイブすた~。それにしてもこの作家凄いな。次は誰を描くのか楽しみ♪

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2012/10/19

「正しい苦楽をもって、生をまっとうすること。そのすべてこそ、大義」ということが大きなテーマだと思うけど、親と子の葛藤や縁のあった人を何人も見送るということ…色々感じる事があって、読み応え大でした。個人的には 重畳 莞爾 善哉 と、外国語のように漢字の意味がわからず、辞書片手に読む...

「正しい苦楽をもって、生をまっとうすること。そのすべてこそ、大義」ということが大きなテーマだと思うけど、親と子の葛藤や縁のあった人を何人も見送るということ…色々感じる事があって、読み応え大でした。個人的には 重畳 莞爾 善哉 と、外国語のように漢字の意味がわからず、辞書片手に読むという行為が新鮮でした。勉強になります。

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2012/11/07

内容(「BOOK」データベースより) なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武...

内容(「BOOK」データベースより) なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する。父・頼房に想像を絶する「試練」を与えられた幼少期。血気盛んな“傾奇者”として暴れ回る中で、宮本武蔵と邂逅する青年期。やがて学問、詩歌の魅力に取り憑かれ、水戸藩主となった若き“虎”は「大日本史」編纂という空前絶後の大事業に乗り出す―。生き切る、とはこういうことだ。誰も見たこともない「水戸黄門」伝、開幕。

Posted byブクログ

2012/10/19

冲方丁らしい小説ではあるけれど、「天地明察」のような読後の満足感に欠ける印象。これは主人公の成長がある意味諦観につながっているように感じたことも影響している気がする。 いずれにせよ、水戸市民は必読である。 ※水戸の記述は実は多くないのだけれど...

Posted byブクログ