光圀伝 の商品レビュー
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光圀の子供時代からの一生を丁寧に書ききった大作。泰姫が亡くなる辺りまでは、エンターテイメントとしても史実としても非常に面白かった。父親を求める気持ちとか兄への憧憬とかとても良く表されて、心が痛んだ。だが後半、特に紋大夫を殺めずにすむ方法は無かったのかと、その点が不満です。
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やっと読み終わりました。読んでも読んでもページが減らないこの厚さ…。でも、冲方さんの描く人物はどうしてこうも深いんだろう。どの登場人物も魅力的で、どんどん引き込まれる。 戦国時代が終わりを告げ、江戸時代の平和な時代が定着してくまでの過渡期の物語。江戸時代をこういう視点で描く歴史物語をあまり読んだことがなかったので、新鮮でした。もともと幕末が好きなくせに、あまり時代背景を分かっていなかったので、「なぜに徳川御三家である尾張や水戸が倒幕派??」と疑問だったのですが、氷解。幕末に、水戸の流れを汲む最後の将軍慶喜が大政を奉還するに至るその萌芽が、江戸時代が始まった直後にすでにあったとは…!長ーい長ーい物語を読み終えて、この歴史がその後どう紡がれていったのかに思い当たったとき、あぁ~ここまで頑張って光圀の人生を追ってきた甲斐があったー…と思いました。なんとなく。
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通勤中に読もうとしたが、想像していた以上に本の重量が重く、通勤中に読むことを断念。 かといって自宅で読む時間も取れず放置していたが、しばらくして電子書籍版があることを知り購入。 本を2冊買ったことになったが、内容に満足できたのできにしないことにした。 冲方丁の2冊連続の時代小説。...
通勤中に読もうとしたが、想像していた以上に本の重量が重く、通勤中に読むことを断念。 かといって自宅で読む時間も取れず放置していたが、しばらくして電子書籍版があることを知り購入。 本を2冊買ったことになったが、内容に満足できたのできにしないことにした。 冲方丁の2冊連続の時代小説。前作の主人公が登場する場面があるが、連作ではないようだ。 自分の場合、時代小説だとストーリーよりも信憑性が気になり出して楽しさが半減んしてしまうことが多いのだが、この作品については、そんなことを気にする間もなく一気に読み終わってしまった。 時間があったら、もう一度読み直してみたい。 中身が濃く厚さもあるが、そう思わせてくれる作品だった。
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歴史に興味の無い人間が、それもこんなに分厚い本を読めるのか!思いつつも止まらなくなってしまいました。本が重くて片手で持って読めないくらい重い。義に生きる光圀の生き様もすばらしいし、彼を取巻く様々な人物も一人一人がドラマの主人公になれそうな人達ばかりです。天地明察より読みやすくて良...
歴史に興味の無い人間が、それもこんなに分厚い本を読めるのか!思いつつも止まらなくなってしまいました。本が重くて片手で持って読めないくらい重い。義に生きる光圀の生き様もすばらしいし、彼を取巻く様々な人物も一人一人がドラマの主人公になれそうな人達ばかりです。天地明察より読みやすくて良かったです。
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なぜ、あの男を我が手で殺さねばならなかったのか。 それは『義』のためである。 三男ながら水戸家の嫡男となり、その事に悩み続けた若者は自らの不義を義に変えんと欲した。 義にいき、義を貫き通した男の物語。
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光圀の言う 長男が家を継ぐという 大義がふーんという感じで いまひとつのりきれず・・・ 詩で天下をとるというのも 若き光圀のイメージとちょっと合わず なんだかなあ 宮本武蔵はじめ 歴史に残る偉人賢人たちと 初めて光圀が会う場面は どれもすばらしい とくに奥さんとはじめて合う場...
光圀の言う 長男が家を継ぐという 大義がふーんという感じで いまひとつのりきれず・・・ 詩で天下をとるというのも 若き光圀のイメージとちょっと合わず なんだかなあ 宮本武蔵はじめ 歴史に残る偉人賢人たちと 初めて光圀が会う場面は どれもすばらしい とくに奥さんとはじめて合う場面 奥さんの人物像がすごい
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気骨稜々に終生義を問い、史を編む。 有名すぎて実は知らなかった水戸光圀公。 読み終わって、また読みたいと心を惹きつけてやまない魅力がある。
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水戸黄門こと徳川光圀の一生を描いた物語。 TVで放送される黄門様像が創られたものだとは知っていたが、こうも違ったのかと驚かされる。 豪快で強く、詩歌を愛し、義を貴ぶ。 そんな新たな光圀像を見つけることができた。 長くを生きた光圀は多くの出会い、別れと共に学び、成長していく。 ...
水戸黄門こと徳川光圀の一生を描いた物語。 TVで放送される黄門様像が創られたものだとは知っていたが、こうも違ったのかと驚かされる。 豪快で強く、詩歌を愛し、義を貴ぶ。 そんな新たな光圀像を見つけることができた。 長くを生きた光圀は多くの出会い、別れと共に学び、成長していく。 光圀のキャラクターはもちろん魅力的なのだが、光圀を支える妻、友人もまた魅力的な人物達で、物語を彩ってくれる。 光圀の取り組んだ「大日本史」編纂の大事業。その重さ、歴史を知ることは今を生きることに繋がっている。 多くを学んだ老齢の光圀が語る「明総浄机」と、進行している成長の過程が交錯していく展開が面白い。 再読すればまた新しい発見があるのだろう。 冒頭の紋太夫の謎も、最後には成程と思わせ、途中「天地明察」と同じように難しく感じる部分もあったが、読んで良かったと心から思える一冊だった。
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最初これは無理かも・・・と思ったけど、がんばって読みすすめていくうちに どんどんおもしろくなってきて、後半はがっつり乗って読みきれました。 算哲がでてきて、また「天地明察」読みたくなりますな。 時代劇水戸黄門のイメージが、実はこんな人だったのかという驚きと尊敬に変わりました。
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最初にいきなり結末を持ってくる構成は天地明察と同じ。でも天地明察は、クライマックスは読み始める人が予想できるので、それでも良かったと思うが、光圀伝は、いきなり手打ちのシーンから始められても、なんのことだかわからない。嫌悪感を感じるだけである。人を殺める嫌悪感は確かに前半のテーマではあった。それはそれで普遍的なテーマだとは思うが、老境になって、あえて殺生した理由はやはり唐突である感は読み終わっても否めなかった。 天の章、地の章はあまり楽しめなかった。たぶん主人公である光圀が、容姿端麗、頭脳明晰で、なおかつ武芸にすぐれ、家柄もずば抜けていて、お金持ち、しかも不良、そんな昔の少女漫画にしかでてこないような恵まれた人物の苦悩など、凡人に共感できるはずもない。史実を忠実に記載するあまり、逆に焦点が定まらない。何をこの本で言いたいのか?テーマはなんだ?何を書きたかったのか?最後までよくわからなかった。 良かったのは、人ノ章以降。強固な官僚体制は、思考することから逃げるようになる、というのが現在の政府の姿と被ることである。その中でどう生きるか、どうあるべきかが描かれていること。でも現実世界では、そんな人はスキャンダルで潰されてしまう。悲しいことに。 まさか紋太夫の意図が大政奉還だっとは!そのオチにだけは関心しました。 左近は、泰姫に忠誠を尽くして、自分を隠して光圀に嫁がなかったのかなぁ。ずっと第一側室だったのが真相だとおもうけど。
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