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光圀伝 の商品レビュー

4.4

379件のお客様レビュー

  1. 5つ

    170

  2. 4つ

    127

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

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2012/12/22

ふとすれば江戸年間の、長い歴史に存在した、といった程度の認識を持ちがちな、しかし知名度は抜群である男。その知名度の有り様を激しく揺さぶり覆した。 およそ時代背景に似つかわしくない激しさが鮮やかに読後感として刻まれる。

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2012/12/21

前作「天地明察」がとても面白かったので期待してました♪ 登場人物がみーんな真っ直ぐでよい人で、元気と勇気を与えてくれる作品だったからです。 それを期待して読むと今回は主人公の苦悩が多く、殺生も多く、爽快な読後感とは言えない仕上がりですが、それでもとても面白くて感動しました。 ...

前作「天地明察」がとても面白かったので期待してました♪ 登場人物がみーんな真っ直ぐでよい人で、元気と勇気を与えてくれる作品だったからです。 それを期待して読むと今回は主人公の苦悩が多く、殺生も多く、爽快な読後感とは言えない仕上がりですが、それでもとても面白くて感動しました。 登場人物一人一人の個性がはっきりしていてイメージしやすいし、エンテメ性にも優れていて山場多いし、天地明察ファンのために渋川春海や保科正之まで登場させてくれるから盛り上がる盛り上がる! (ただ、私の中のこの小説全体のイメージは「花の慶次」(笑)。わかる人いるかな?ちょっとね、全体的に大げさで漫画チックなの) とはいえ、最後まで義を通す主人公のブレない姿が物語の柱となってしっかりいるから、ラストまで安心して読めました。 次作は清少納言にするつもりだと著者が話してました。期待大♪

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2012/12/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

徳川光圀の、義に生きた男の生き様を描いた作品。 非常に面白かった、いやとにかく傑作・名作。 途中までは好きなジャンルと言うのもあって「天地明察」の方が上と見ていたが、最後まで読んでその思いが吹き飛ばされてしまった。 一藩主の一生を追い続けながら、その結末はあまりに壮大。 史実と違う解釈ではあろうが、個人的にはぜひとも作者のこの描き方に一票を投じたい。 もちろん自分が心動かされた結末の部分だけでなく、「水戸黄門」でしか知らなかった一面とは別の、やんちゃで、剛毅で、懐の深い人物像は好き嫌いはあろうが引き込まれて行く。 また周りを固める出てくる他の者たち、好きな者にせよ嫌いな者にせよ、「天地明察」同様素晴らしいキャラクターの者たちばかりで、新たな人物が出て来る度にワクワクさせられる。 「天地明察」「光圀伝」両作品に共通するテーマは、時代を越えて受け継がれていくものの重さなのだろうと思う。 この作家の作品は前作と今作の歴史物2作しか読んでいないが、ぜひとも次も歴史物を描いて頂きたい所だ。 久しぶりに歴史の面白さに気づかされた作品だった。 「天地明察」は映画化されたが、ぜひとも『光圀伝』は大河でやってもらえないものかと思わずにはいられない。 最後に自分も一言申し上げたい、「大義なり、紋太夫」

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2012/12/20

長かったけど読み終えた!面白かったのは、青年期までかな。やっぱり若い頃の知識欲ってなんかすごいよね。よくもわるくも。

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2012/12/19

テレビの水戸黄門とは異なる、徳川光圀の人生を描いた作品。いろいろな人との出会いと別れのなかで悩み成長していく光圀の姿。こんな人生、ちょっと強烈すぎる。

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2012/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「天地明察」を読み終わった瞬間からこの本を手に取るのを待ち望んでいた。 図書館から予約本の準備が出来たとメールがあった瞬間のテンションは本当尋常じゃなかった。 天地明察にも出てきた徳川光圀の生涯を描いた作品。 開始一ページ目の登場人物紹介の欄でもうにやけてしまう。 予想はしてたが、最初に「あの名前」が出てくるとは思いもしなかった。 基本構成は「天地明察」と全く同じ、イベントをこれでもか、というぐらい詰め込みどんどんどんどん消化していく。 「天地明察」では最後のほうが尻すぼみになったという意見もあるが (それは渋川春海の改暦までのメインの話を主軸にしたため、作者も敢えてそうしてるのだが) 今回は最後まで怒涛。 連載時に大人気だったという光圀の兄、頼重だがこれが、まぁ本当いいお兄ちゃんでもう…。 家を出る話は泣いた。 そしてまさかの宮本武蔵、沢庵和尚。若干時代が被ってるんだな、沢庵幾つだよ、とも思ったが 山田風太郎好きの私からすればこれも思いがけぬ登場人物であった。 そして冲方丁、相変わらずこの時代の恋愛、結婚観を現代風に変換するのが上手い。 「天地明察」でもこの辺は引きこまれたが、今回も泰姫良かったなぁー。 やはり夢を追う、志高き人間というのはこうも輝くのか、と感動した。 徹夜も辞さない程面白い作品。

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2012/12/14

長い長い、義を追い求めた光國の物語が、 そっと静かに幕を閉じたなというのが、今の読み終わった心境。 猛る虎のようでありながら、終始、静謐さが漂っているなと思うのは、 光國が武より文に重きをおこうとした結果だろうか。 最後の一文に、光圀の祈りを垣間見た気がする。

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2012/12/13

光圀伝読了。歴史を紡ぐ物語、という話になると思いきや、徹頭徹尾水戸光圀という、一人の人生を描いた物語だった。異形ではあるが、その人生を通してみることで、異形の人は「義」の一字を貫こうとして生きてきたことが伝わる。 「天地明察」は歴をなす、という一つの目的を持った人間として晴海が...

光圀伝読了。歴史を紡ぐ物語、という話になると思いきや、徹頭徹尾水戸光圀という、一人の人生を描いた物語だった。異形ではあるが、その人生を通してみることで、異形の人は「義」の一字を貫こうとして生きてきたことが伝わる。 「天地明察」は歴をなす、という一つの目的を持った人間として晴海が描かれた。一方の「光圀伝」は,水戸光圀がどのような目的を持ったか、というレベルではなく、まさに彼の生を描いた作品。だからこその750ページだし、読み終えても分かりやすい答えはない。ただただ、冲方がみた光圀が描かれるだけ。 史実に基づく分、奔放さで言えばやはり、過去の冲方作品には及ばない。がしかし、光圀とその父親、強烈な個性を持ち苛烈さを持つ男を描くからこそ、歴史小説でありながら冲方丁という作家の個性が生きたのだろうなぁ。 そして、親友たる読耕斉や山鹿、最後まで「兄貴」であった頼重などが、本当に気持ちの良い人間たちで。それが鼻につくところもあったのに、読めば読むほど彼らの存在が大きくて。後半の藩主としての光圀の姿を見ていると、余計にそう思ってしまう。 作品として素晴らしいのが、少年であった光圀が、藩主になるまでの間、読んでいて自然に歳を重ねているのだ。傾奇者として江戸を渡り歩く時期の話が好きなのだが、自然と落ち着きを持つようになっている。それ以降の月日の流れが早いのは仕方ないが、未熟ながらもまっすぐ歳を重ねていく光圀の姿がいい。 とにもかくにも、冲方丁の歴史小説デビュー作は「天地明察」ではなく「光圀伝」だ!と、声を大にして言いたい。これが冲方丁ならではの時代小説なのだと思う。 …実は、光圀伝を読んでいて思い出したのが桜庭一樹の「荒野」。これも、主人公の歳のとり方がすごく自然に感じられた作品だったし、何か終着点がある話でもなかった。どちらも、丁寧に主人公の人生を追った作品。

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2012/12/12

「光圀伝」を読んで思うのは冲方さんは博識なのだなぁということと、怒涛の如きエネルギーを持つ方だなぁということです。文章からは溢れんばかりの炎が湧き上がり読み手を軽々飲み込んでしまう。その手腕には感嘆するばかりです。 水戸が第二の故郷とはいえ無知な私に驚きの光圀像を見せつけてくれま...

「光圀伝」を読んで思うのは冲方さんは博識なのだなぁということと、怒涛の如きエネルギーを持つ方だなぁということです。文章からは溢れんばかりの炎が湧き上がり読み手を軽々飲み込んでしまう。その手腕には感嘆するばかりです。 水戸が第二の故郷とはいえ無知な私に驚きの光圀像を見せつけてくれました。新鮮で面白かったです。 ただ気になったのはクライマックスを冒頭に持ってくるといった天地~と同じ手法。同じ手は喰わないと鼻白んだ。 また事前に何か起こるぞと予告する一文、例えば「だが、そうではなかった」等を多用するのが気になった。これでは何かを予測して構えてしまうし面白みが無い。 また物語の後半、壮年~中年~後年期がやけに駆け足で流れていくのが残念だった。もう少し何巻か分けて丁寧に書いて欲しかったかなぁ。紋太夫の大義についても唐突な気がしたし、それに対する光圀の対応もそれしか無かったのだという根拠がもっと欲しかった。

Posted byブクログ

2012/12/12

新しい光圀像を描いた もう少し要領良くコンパクトにまとめた方が良かった。 大作だしレベルは高いのだが、前作よりは落ちる

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