光圀伝 の商品レビュー
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父への不信から傾奇者としておくった青春時代から、大切な人を早くに亡くし末代まで受け継がれることを信念に死ぬまで従事した史書編纂、 その中での分かれや出会いを経て成長していく光圀の成長期。 帯の光圀の絵からして強烈ですが内容はそれ以上に全日本人が大体思い浮かべる水戸黄門とは違い、衝撃的でした。 文武両道で天下の副将軍と呼ばれ庶民に愛された光圀はどんな人生を送ってそうなったのか。正直これが目に入らぬか~とやってた人がなんでそんなに偉そうなのかよく分かっていませんでしたが、光圀伝読んで納得しました。これは誰でもひれ伏すわ。 文字通り暴れまわった青年時代も戦国武将の一代記を読んでいるような爽快感がありましたが、盟友と愛する妻を亡くし鬱屈とした日々をすごしながらも史書編纂へ情熱を向けた壮年期が面白かったです。 光圀を一番おもんばかっていた忠臣を何故光圀自ら殺さなければいけなかったのか、そこに至るまでの二人の心情がよく分かるぶんやりきれなくなります。 去る人間を弔い、新たな誕生を目の当たりにした光圀がいうからこそ「如才」の意味が輝くのだと思いました。
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水戸黄門こと徳川光圀が、ある男を殺害する所から物語は始まる。なぜ男を殺さねばならなかったのか。光圀の一生を追うことで、その真相に迫っていく。 冲方丁という作家は、期待と不安の使い分けがさながら飴と鞭のよう。幸せな状況にありながら、ある人物の死や幸福の終わりを予感させること。ま...
水戸黄門こと徳川光圀が、ある男を殺害する所から物語は始まる。なぜ男を殺さねばならなかったのか。光圀の一生を追うことで、その真相に迫っていく。 冲方丁という作家は、期待と不安の使い分けがさながら飴と鞭のよう。幸せな状況にありながら、ある人物の死や幸福の終わりを予感させること。また、「明窓浄机」の章を挟み、謎への期待と不安を膨らませること。など、随所にその仕掛けが散りばめられ、続きを読まずにはいられなくなります。人物も魅力的な人たちばかり。光圀は勿論、兄然り、読耕斉然り、、、。泰姫はじめ女性陣もいい味を出しています。 一気に読んでしまいたいところでしたが、漢詩や諸々の知識が足りないばかりに、辞書を引きつつの格闘、結局読み終わるのに一昼夜かかりました。後半は勢いが付きすぎて辞書を引く余裕もなく読み切ってしまいましたけども。 義に取りつかれ、義を追い、義に生きようとした人、徳川光圀。光圀の一生を追う中で、沢山の人が生まれ、沢山の人が死んでいきます。脈々と続く、史書編纂の意思は、まるで生命の脈絡のように・・・。この物語は、小説でありながらも光圀の一生を生き生きと描き出したという点で、紛れもない「史書」の一つであるように思います。
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水戸黄門でお馴染みの水戸光圀伝記。 水戸徳川家の三男として生まれ、世子に選ばれた光圀。 その苦悶と波瀾に満ちた人生を詳細に描いている。 改めて感じるのは、人は死んでいくという当たり前の事。 愛する妻、切磋琢磨する友、尊敬する恩人。 命あるある者は死する。 僕の両親も、友人...
水戸黄門でお馴染みの水戸光圀伝記。 水戸徳川家の三男として生まれ、世子に選ばれた光圀。 その苦悶と波瀾に満ちた人生を詳細に描いている。 改めて感じるのは、人は死んでいくという当たり前の事。 愛する妻、切磋琢磨する友、尊敬する恩人。 命あるある者は死する。 僕の両親も、友人も、先輩も・・・。 いずれは死んでいく。 『如才』 もういない者たち、存在しないものごとを あたかもそこにあるかのようにごとく扱い 綴ることをいう。
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冒頭はえぐい描写ありで、なかなか読み進めなかった。 光圀が泰姫と結婚したあたりから、さくさくと 読めるようになった。 紋太夫は今でいう右翼だな。
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黄門様の「大義」素晴らしい限り!!内容的には★5つでいい!けど、とりあえず長くて歴史が苦手の私は読み終わるのに2週間もかかりました(*_*)ということで、★4つです!でも、やっぱり歴史ものいいと思ったのも事実なので、他の歴史ものにも挑戦していきたい。 個人的には泰姫の人間性が好き...
黄門様の「大義」素晴らしい限り!!内容的には★5つでいい!けど、とりあえず長くて歴史が苦手の私は読み終わるのに2週間もかかりました(*_*)ということで、★4つです!でも、やっぱり歴史ものいいと思ったのも事実なので、他の歴史ものにも挑戦していきたい。 個人的には泰姫の人間性が好き!
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学生のころは「大日本史」の編纂者(当時は作者)として、 でも、僕としては勧善懲悪の象徴の印象の方が 断然強いご老公。 その生い立ちはしらないことだらけ。 後で調べて キーマン藤井某さんって本当にいたのね、 事件は史実なのね、って感じ。 なかでも殉死の禁止に至る経緯にはいちいち納得。 実在の人物かはわからないけど、 泰姫との死別以降の左近との関係性は切ないなぁ。 (男目線であることは仕方ないけど) ただ、とにかく分厚くって、 特に後半は頁が進むと人が死ぬ。正直疲れた。
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…飛び飛びでしか読めなかったからか…途中棄権。 だから★をつける事はできない。でも半分までは読んだ。 「学」を競う場面が続いて疲れた。スリリングと感じる人もいるんだろうなぁ。 最後まで読めば、「あの場面があってこそ」とか思うのかも知れないけど。
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★2013年2月17日読了『光圀伝』冲方 丁著 評価A 一作ごとに出来不出来の差が大きく、なかなか評価の定まらない冲方の大作。 水戸のご老公黄門様を幼少の生い立ちより描いて、その人となりを余すところなく描ききった作品。どこまでが、本当の話なのかは判断できないけれど、いかにも真実ら...
★2013年2月17日読了『光圀伝』冲方 丁著 評価A 一作ごとに出来不出来の差が大きく、なかなか評価の定まらない冲方の大作。 水戸のご老公黄門様を幼少の生い立ちより描いて、その人となりを余すところなく描ききった作品。どこまでが、本当の話なのかは判断できないけれど、いかにも真実らしく物語られるため、話として面白く、息をつかせぬ緊張感のある740ページである。 自らの信じる義を貫き、そのために最愛の部下をも自ら殺さなければならなかった悲劇、文武に優れた巨人、それゆえに時の将軍犬公方綱吉からも疎んじられた背景などなど、さまざまな登場人物が交錯しては、消えていく。 天地明察の安井算哲が、登場してくるのもまた面白い。 なぜ、黄門様があれ程いまだに人気なのか、その理由が分かった気もした。 お勧めの一冊です。1995円買っても損はないと思う。
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なぜ、あの男を自らの手で殺めることになったのか。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する…。まったく新しい“水戸黄門”像を描く。 テレビで観た諸国漫遊の爺とは確かに違う、大男で血気盛んな水戸光圀像が描かれている。宮本武蔵や安井...
なぜ、あの男を自らの手で殺めることになったのか。老齢の光圀は、水戸・西山荘の書斎で、誰にも語ることのなかったその経緯を書き綴ることを決意する…。まったく新しい“水戸黄門”像を描く。 テレビで観た諸国漫遊の爺とは確かに違う、大男で血気盛んな水戸光圀像が描かれている。宮本武蔵や安井算哲(作者の前作「天地明察」の主人公)など、おなじみの人物も登場する。物語に惹きつける力は十分だし、「天地明察」と並ぶ力作には違いない。ただ中盤からやたらと周囲の人が死ぬ場面が多く、読んでいて切ない。大作を貫くテーマは「義とは?」だろうが、私には儒教思想はちょっと理解しづらかった。 (B)
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伝記と呼ぶべきものか判断しかねるけど、大日本史という史記を編纂した、ご存知水戸黄門様その人の物語。 文武両道にして義の人。人との出会いに恵まれ、得難いものを数多く得る一方で、多くの大切な人をその手で見送らなくてはいけない悲しい宿命を背負った生涯。 兄を差し置いて世継ぎとされた...
伝記と呼ぶべきものか判断しかねるけど、大日本史という史記を編纂した、ご存知水戸黄門様その人の物語。 文武両道にして義の人。人との出会いに恵まれ、得難いものを数多く得る一方で、多くの大切な人をその手で見送らなくてはいけない悲しい宿命を背負った生涯。 兄を差し置いて世継ぎとされたことを疑問に思い、自分の存在を肯定するためにがむしゃらに理由を探していた少年期。 身命を賭すべき大義を見出し、成就のために邁進した青年期。 治世者としてのもどかしさを抱きながら、次代を見据えた事業に取り組む壮年期。 作中を通じて、快活な光圀の人となりを思わせるような清々しい文章で、読んでいて気持ちいいし、熱い思いの炸裂する大義成就の瞬間を始め、身震いするようなエピソードが散りばめられていて飽きない。 『天地明察』の主役だった安井算哲が顔を出す場面もあって、そういえばそっちの光圀公も出ててきてたなーとか思ってニヤリとする場面も。
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