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光圀伝 の商品レビュー

4.4

379件のお客様レビュー

  1. 5つ

    170

  2. 4つ

    127

  3. 3つ

    40

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

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2013/03/11

天地明察でもチラッと登場して、お茶の間で人気の“あの”黄門様とは一味違った、偉丈夫たる存在感を醸し出してた水戸光圀その人を主人公においての長編歴史小説。ボリュームも1.5倍だし、天地明察を経て、自分の中でのかの時代に対する素地も出来上がってるから、世界観にも入り込みやすかったし、...

天地明察でもチラッと登場して、お茶の間で人気の“あの”黄門様とは一味違った、偉丈夫たる存在感を醸し出してた水戸光圀その人を主人公においての長編歴史小説。ボリュームも1.5倍だし、天地明察を経て、自分の中でのかの時代に対する素地も出来上がってるから、世界観にも入り込みやすかったし、理解もしやすかったってのもあって、満足度は上記作以上のものがあった。上記作同様、人物間の交わりを中心に物語が進められ、とりわけ別離に焦点が当てられていて、穿った見方をすればあざといかもしれないが、人物の書き込みが丁寧であり、それぞれのエピソードを印象深いものにしている。いやいや、読み応え十分、感動の大作でした。

Posted byブクログ

2013/03/11

水戸黄門・光圀の生涯について。 「何故自分が世子なのか」 真意を一切話さない父、優れた兄を持ち、悩み続ける光國の記述がかなりの部分を占める。 そして途中から、驚くほど近しい人達が亡くなっていく。 水戸徳川第二代藩主として産まれた時から全てを手にしているかのように見える光圀だけ...

水戸黄門・光圀の生涯について。 「何故自分が世子なのか」 真意を一切話さない父、優れた兄を持ち、悩み続ける光國の記述がかなりの部分を占める。 そして途中から、驚くほど近しい人達が亡くなっていく。 水戸徳川第二代藩主として産まれた時から全てを手にしているかのように見える光圀だけれど、その人生は獲得と喪失の繰り返しだった。 戦乱の世から泰平の世に。 世の仕組みを変えていく時代の話。 次は保科正之の話描いてくれないかな。

Posted byブクログ

2013/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

熱いっ、そして厚いっ!! いやーもう光圀の熱量が半端ないのである。 幼少期から青年へ壮年、老年とその一生が描かれていくのだが、 その生があまりに濃密で、とてもじゃないが一気読みなどできるもんじゃない。あと、ほんっと厚い! 最初手にとったとき、これ、読めるのか、と思ったが、 殆ど退屈することなく読み切れた。ただ、私は寝る前に寝っ転がりつつ読むのが好きなんだが、これはムリ。腕が・・・・。もし眠たくなったりしたら 即、凶器じゃん。 自らの立場に疑問と抱き続け、苦しむ光圀。 正直、そのへんの苦しみ具合、とゆーのはそこまで気にすることなん?? と私には思えるのだが、彼にとっては重要なのだろう。 とゆーより、大好きな兄を自分が追い出した、とゆー事実がイヤなだけ、 とも。 最初に現れた武蔵の衝撃はすごかった。そのあと続々と、なんじゃこいつら的ななんかもうレベルが違う人たち続々でしたが、うん、あの真っ赤な 武蔵はほんっとびっくりでした。 その後、お前には藍があうといってくれた兄ちゃんがめっちゃ好き。 読耕斎にしろ泰姫にしろ、まさに朋友とゆうべき掛け合いが とても幸せだった分、それが失われゆくのがつらく。 それからも続々と見送る側に立つ光圀のあまりの死の存在の多さにびっくり。でも意外と医術も今ほどでない時代においてはあたりまえのことだったのかも、 もう二度と会えない、という哀しみを何度も何度もくぐりぬけ、 そのなかからでも人へ生まれ来る、とゆー喜びをみつけていくその姿が とても眩しく、本当に、左近さんは愛おしかったろうなあ、と。 そして冒頭で殺してるのは誰なんだーっとずっと思ってはいたものの 紋太夫だと分かったときはちょっと呻いちゃったぜ。 義、だとか、理想だとか、とても美しいもののようだけれど、 一旦暴走しはじめてしまうと、その下にどれほどのものを踏み砕いても是としてしまう怖ろしさがあるよなあ。 やっぱバランス感覚ってのは大切です。 でも、どうしてかそれほどのものを見出せることには憧れを抱いちゃうんだよねえ。 なんなのか、このないものねだりは。 にしてもほんっとすごい、人の一生をここまで書ききるとは。 フィクションではあるものの、それなりの知識がないと ここまでかけないよなー。歴史的事実ってのはちゃんと踏まえてるのだろうし。 すごい、もうただそうとしかいえないわあ。 学ぶ、とゆーことに対し、ここまで貪欲になれること自体、 なんなのだろう、と。そうそう先日中田さんが、学べば学ぶほど おもしろくなる、と言ってらしたが、そーゆーことなんでしょうなあ。 その楽しくなるとこまでいくのが、どーすればいいのか分かんないんだけど。

Posted byブクログ

2013/03/10

 タイトル通り、水戸光圀公の幼少のころから最晩年までを描いた一代記。個人的に歴史小説の肝っていうのは、キャラ萌えだと思う。萌えという言葉が軽すぎてアレなら、歴史上の人物をいかに魅力的に描き出しているかということ。冲方丁さんなら間違いないと思ってはいたけれど案の定、主人公光圀はもち...

 タイトル通り、水戸光圀公の幼少のころから最晩年までを描いた一代記。個人的に歴史小説の肝っていうのは、キャラ萌えだと思う。萌えという言葉が軽すぎてアレなら、歴史上の人物をいかに魅力的に描き出しているかということ。冲方丁さんなら間違いないと思ってはいたけれど案の定、主人公光圀はもちろんのこと、脇役の一人ひとりまでが非常に魅力的だった。萌え萌えしっぱなしだった。  わたしは恥ずかしながら歴史に疎くて、江戸時代といえば同著者の「天地明察」と、あとは漫画「大奥」で得た知識くらいしか持ち合わせていないのだけれど、何のストレスもなかった。歴史に詳しくなくても充分に楽しめると思う。(そして今回「天地明察」と微妙にリンクしており、渋川春海が登場した。読みながらついニヤニヤせざるを得ない……)  一気読みしてから気付いたのだけれど、1500枚と帯に書かれていた……夕方からぶっとおしで読みふけって(食事と風呂休憩は摂ったが)、読了して顔をあげたら深夜二時半だった……面白いに決まっている分厚い本は、ちゃんと覚悟を決めて休日の朝から読み始めましょう、という教訓。

Posted byブクログ

2013/03/10

 何をどのように厚め、さらに何をどのようにふくらませれば、このような大作の小説になるのか。漢文体の正規の史書ならば、われわれは読むのにあまりに骨が折れて、たぶん誰も手に取ることはない。だからといってTVの「水戸黄門」の再放送を見ているだけでは、歴史も江戸時代のイメージも得られない...

 何をどのように厚め、さらに何をどのようにふくらませれば、このような大作の小説になるのか。漢文体の正規の史書ならば、われわれは読むのにあまりに骨が折れて、たぶん誰も手に取ることはない。だからといってTVの「水戸黄門」の再放送を見ているだけでは、歴史も江戸時代のイメージも得られない。  ミステリーはではないのだから、「紋太夫」事件は、読書が、この小説をいかに読んだかの、いわば「試金石」なのだろう。

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2013/03/09

はじめと終わりの括り方(家臣をてにかける)も、それほどの重みを感じられないし、義に生きるという全体のテーマも所詮「弟なのに家を継いだ」ということへのこだわりだけで、これほどの長さを書くほどの内容かと思ってしまう。

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2013/03/14

とりあえず、予想以上には面白かったです。私的にはそんなに読みにくくもなく、水戸に住んで水戸藩の話を読むのはなかなか面白かったです。 また追記します。 ********************************************** 【追記】 光圀の生涯にぐぐっと...

とりあえず、予想以上には面白かったです。私的にはそんなに読みにくくもなく、水戸に住んで水戸藩の話を読むのはなかなか面白かったです。 また追記します。 ********************************************** 【追記】 光圀の生涯にぐぐっと迫る感じ、光圀や水戸藩や江戸幕府や江戸時代や描かれている全てのものに対する偏愛っぷりとかは結構好みでした。 キャラ立ちはいいけど、天地明察よりはずっとずっとラノベ感が減ってると思います。長いけど案外すんなり読めたし、天地明察よりも余韻に浸ることの出来るラストのまとめ方が良かった。 私の中では頭の中で小説の世界の描かれていなかった部分を妄想できるのはすごくいい小説なので、これはその意味ではすごく良いと思います。 江戸時代には詳しくないから時代考証がどうとかそういう細かいところまではわかんないけど、小説としての世界観はものすごく一貫性がある。 こっからは気になる点。 まず各章が光圀が自分の生涯を振り返るようにして書いた手記(?)のようなものから始まり、その手記に該当する部分のお話が展開していくのだけど、それがなんかうまくない。 こういう手法は歴史・伝記的なものには珍しくないのだけど、たぶんうぶかたさんも慣れてないんじゃないかな?あってないと思った。 手記のあとに毎回前の章の振り返りみたいな部分がついていてもたつくし、リズムが悪くなる。毎回ブレーキかけられてるみたいな感じで、最後まで嫌だった。 あと、偏愛っぷりはわかるのだけど、小説としては情報が多すぎる。これもこれもこれもこれもいれたいー!って感じがばしばし伝わってくるけど、これも読むときの邪魔。光圀の生涯を描いた歴史的小説(娯楽的なもの)が書きたいのか、光圀の伝記(研究的なもの)を書きたいのかの区別がついてないんじゃないかと思った。読むほうとしてはあくまで娯楽的な(フィクションも混じっていると覚悟の)小説を期待しているので、時々混ざってくる文献的な書き方が邪魔。それを小説に入れたいのなら文体を考えて、って言いたくなる。 そして紙の本愛好家としては気になるのがフォント。 手記的なところのフォントは読みづらくても「まぁ、短いしそういう感じにしたいのね」ってところだけど、本文のフォントが嫌いだった。 まぁ、これは好みの問題かなー。 と、ずらずら書いてみてまとめるとすれば、私はうぶかたさんは歴史もの以外に興味はないかなーというところと、脚本でも書いてみたらおもしろいんじゃないかなぁーというところ(←つまるところうぶかたさんの文章がそんなに好みではないw)。 でも、光圀伝はよかったですよ。多少大目に見ながらよんでやろう(←偉そうw)という気持ちで細かい所に目をつぶれば読後感はいいと思います。

Posted byブクログ

2013/03/10

水戸黄門のイメージが強すぎる感がある光圀だが、実際は非常に優れた文才を持った文武に秀でた人物だったということが分かる内容。 幕末の水戸学につながる思想の原点が光圀にあったことが非常によくわかる作品。

Posted byブクログ

2013/03/03

流石にお見事。 水戸黄門知ってるようで、知らなかったことを痛感させられました。 司馬遼太郎と同じように凄い作者なのですね。 次回作はどの時代を描くのでしょうか、期待しています。

Posted byブクログ

2013/03/03

久しぶりに充実した読書をした。水戸黄門の知らない部分を改めて 知る事が出来た。実質3日で読了したが、(骨応えのある)小説(評伝かな)であった。力作です。

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