ツナグ の商品レビュー
読み終わるのが惜しい気持ち。既に雑誌「yom yom」で連載中のときに読んでいたので、新鮮な驚きや感動はなかったが、まとめて読むと立ち現れる、死者と生者それぞれの存在に迫力がある。
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死者との一晩の再開を実現する使者(ツナグ)。その様々な再開の短編集。 全てを読みきった最後には心が優しい気持ちになる。最近の作品はインパクトいまいちで、短編も辻村深月はあんまり良くないと思っていたが、ツナグは結構いい。スロウハイツなどが好きな人は気に入ると思う。
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読後に、自分だったら・・・と考えてしまっている時点で術中にはまった気が。短編の連作的な作りの本作の中で、女子高生二人のエピソードが一番しんどかったかな。ドラマ化、祖母役の樹木希林は見てみたいかも。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今回は「普通のいい話」で終わってしまうのかと思っていた前半だったが、『親友の心得』を読んだ瞬間そんな気持ちは吹き飛んだ。いつもいつも、辻村さんの「女」を描く視点に胸を突かれる。自身にも心当たりのある感情ばかり。もしも私が御園だったら、彼女と同じほどの爪痕を残したい。もしも私が嵐だったら、果たして同じことができるだろうか。この作品を大学時代に読んでいたなら、卒業論文のテーマにしていたかもしれない。
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辻村深月の初映画化作品らしいのだが、よりによって最もファンタジーなやつを選んできたなぁという印象。 氷のくじらとかだって、多分ファンタジー、なのだけど、あれは読み進めていけばファンタジーだった、という印象であって、ここまであからさまにファンタジーを全面に出していない。 もともと...
辻村深月の初映画化作品らしいのだが、よりによって最もファンタジーなやつを選んできたなぁという印象。 氷のくじらとかだって、多分ファンタジー、なのだけど、あれは読み進めていけばファンタジーだった、という印象であって、ここまであからさまにファンタジーを全面に出していない。 もともと、ファンタジーには懐疑的なので、少し厳しめにしてみました。 ファンタジーの奥にある人間模様や人間らしさには共感するんだけどね。
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読者に与えられた自由度が心地良く、様々な思いをはせられる。 さらりとした書き口でありながら、著者のメッセージがほどよく伝わってくる、良い作品と思いました。
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辻村作品、あまり自分には合わないと思ってましたが、この『ツナグ』は良かったです。 死の問題を扱う物語って、解説にもあったように難しいと私も思います。ただ、この作品は、死を美化するでもなく、悲劇にしてしまうでもなく、割と淡々と多様な視点から書いていて、その辺りに好感をもちました。...
辻村作品、あまり自分には合わないと思ってましたが、この『ツナグ』は良かったです。 死の問題を扱う物語って、解説にもあったように難しいと私も思います。ただ、この作品は、死を美化するでもなく、悲劇にしてしまうでもなく、割と淡々と多様な視点から書いていて、その辺りに好感をもちました。物語の構成も、上手かったです。 これを機に、辻村さんの作品、またいろいろと読んでみたくなりました。
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この本が最初に出た時、私には会いたい人がいて、この本を読んでしまったら現実と本の世界の区別がつかなくなる。と思い読まずにいました。それから早2年。この本は文庫化して、私はやっと日常生活に戻れて、そろそろ読んでみようと思いました。 思った通りの内容で、本の中で会った人達と自分と重ね...
この本が最初に出た時、私には会いたい人がいて、この本を読んでしまったら現実と本の世界の区別がつかなくなる。と思い読まずにいました。それから早2年。この本は文庫化して、私はやっと日常生活に戻れて、そろそろ読んでみようと思いました。 思った通りの内容で、本の中で会った人達と自分と重ねあわせて号泣してます。
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面白い。 普通に電車で涙出そうになった。 心理描写がうまい。 人の黒い部分も暖かい部分も。 こういう非日常は辻村さんは凄いなぁと思う。 久しぶりに本を読んで満足
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最近小説をめっきり読んでいなかったのですが、久しぶりに手にとった小説がこれで良かったです!面白くて一気に読んでしまいました。 とくに『親友の心得』を読んだ時の衝撃は大きいです。 可愛くて演劇の才能もあるが、プライドが高く人付き合いが下手な「嵐」。一方地味だが人を立てるのが上手く...
最近小説をめっきり読んでいなかったのですが、久しぶりに手にとった小説がこれで良かったです!面白くて一気に読んでしまいました。 とくに『親友の心得』を読んだ時の衝撃は大きいです。 可愛くて演劇の才能もあるが、プライドが高く人付き合いが下手な「嵐」。一方地味だが人を立てるのが上手く、人気者の「御園」。二人は親友でしたが、「嵐」が演劇部でどうしてもやりたかった主役に「御園」が抜擢されたところから悲劇は始まります。「嵐」は「御園」に対する嫉妬心や劣等感から歪んだ考え方や被害妄想を持つようになります。 このお話の怖いところは死んでしまったからといってすべてが許されるわけではなく、たとえかつての「親友」であっても容赦なく関係を崩壊させているところ。 いくら親友でも甘えすぎちゃダメなんだなー…なんて思ったり。軽くホラーでした。 あと個人的には「ツナグ」の少年が好きです。一見落ち着いて見える彼も実は研修中の身。大人と子どもの顔を合わせ持つ美少年という設定は魅力的です。笑 映画泣けそうだな~…
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