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銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー

4.1

312件のお客様レビュー

  1. 5つ

    107

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

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2013/06/06

ここまで知的興奮を掻き立てられる本を読んだことがない。ともかく、スケールが大きすぎる。若干、冗長なのが気になったが、それくらいセンシティブな内容で、白人史上主義に正面からメスをいれてる点も痛快。アングロサクソンと中華系黄色人種の間に日本系黄色人種の付け入る隙をみた気がする。何れに...

ここまで知的興奮を掻き立てられる本を読んだことがない。ともかく、スケールが大きすぎる。若干、冗長なのが気になったが、それくらいセンシティブな内容で、白人史上主義に正面からメスをいれてる点も痛快。アングロサクソンと中華系黄色人種の間に日本系黄色人種の付け入る隙をみた気がする。何れにせよ、歴史に"たられば"は無いが、とても知的好奇心を掻き立てられた。秀逸。

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2013/06/02

5月はこれだけのらくら読んでた気がする。 いかにしてヨーロッパ文明が現代世界の主導権を握るに至ったかを究明する本。タイトルの『銃・病原菌・鉄』とは、白人文明が所謂新大陸をはじめとした「後進文明」にもたらした代表的な文明の産物であり、なおかつ現代世界の主導権を握るに至った直接的要素...

5月はこれだけのらくら読んでた気がする。 いかにしてヨーロッパ文明が現代世界の主導権を握るに至ったかを究明する本。タイトルの『銃・病原菌・鉄』とは、白人文明が所謂新大陸をはじめとした「後進文明」にもたらした代表的な文明の産物であり、なおかつ現代世界の主導権を握るに至った直接的要素を指している。 要はそれらの文明の産物をなぜヨーロッパ文化圏が獲得するに至ったか、なぜ他の地域はそれらを得ることができなかったのかというのが本書の肝である。作中でも引用されたアンナ・カレーニナの「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」という一節が文明の発展についてもかなりの核心を突いている。大地と生態系のあらゆる要素が一つとして欠けることなく満たされて初めて大規模な文明が生まれる。人種による優劣といった勘違いはつけ入る余地がない。 筆者はガチの科学者であるが訳がいいのか人柄か、文章はロマンに対しての誠実さを感じる。かなりボリュームがある内容で幾分だれる部分もあるが内容は説得力豊富で読み物としての面白さはかなりのもの。

Posted byブクログ

2013/06/02

書かれていた内容が、きちんと知識として頭に入ったかわからない。 けれど、「今」という時間軸だけでなく遥か一万年前から、これから先の何百年、何千年というスパンで人類がどうなっていくのか、という巨視的な考え方があることを知ることは出来た。 非常に読みやすい和訳でした。 50年経っ...

書かれていた内容が、きちんと知識として頭に入ったかわからない。 けれど、「今」という時間軸だけでなく遥か一万年前から、これから先の何百年、何千年というスパンで人類がどうなっていくのか、という巨視的な考え方があることを知ることは出来た。 非常に読みやすい和訳でした。 50年経ってから読むとまた新しく発見すること、思うことがあると思わせてくれた著書でした。

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2013/05/29

上巻の流れのまま、一気に読みました。 基本的な部分については、上巻でほぼ述べられてしまっています。 忙しい人は、とりあえず上巻だけ読むというだけでもいいと思います。

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2013/05/19

大変興味深かった。 先進国と途上国の格差はいかにして生まれたのか。 人としての知的水準はどの国においてもそんなに変わるものではない。 だが人は、特に日本ではそういう傾向が強いかと思うのだが、先進国の人間>途上国の人間という式を頭に描いてしまいがち。 しかしそうではない、という...

大変興味深かった。 先進国と途上国の格差はいかにして生まれたのか。 人としての知的水準はどの国においてもそんなに変わるものではない。 だが人は、特に日本ではそういう傾向が強いかと思うのだが、先進国の人間>途上国の人間という式を頭に描いてしまいがち。 しかしそうではない、ということを教えてくれる。 歴史の中の疑問や現代につながる問題を浮き彫りにし、人間は結局は同じ地球上に住んでいるのだということを改めて認識できた。

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2013/05/18

長い長〜い本だけど、ほんとにじっくり読む価値あり。もっと早く読んどきゃよかった。 人間は世界中に住んでるのに、文化が進んだところ・進まなかったところ、侵略する側と侵略される側に、どうして分かれたのかをじっくり理解させてくれる本。 まだ、読んでない人は是非。

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2013/04/30

著者の博識ぶりに完全に脱帽。どうしたらこんな多岐にわたる専門知識を持てるのか。希有な才能が生んだ貴書。

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2013/04/29

この本を面白いと言っている人はみんな普段難しく本を読んでいる人なので、私には難しいかもと思ったけど、分かりやすく書かれているので読みやすかった。人類史上でスペイン人がインカ帝国を征服し、その逆にインカ人がヨーロッパを征服しなかったのはなぜなのか?など、その原因を追っていく過程が面...

この本を面白いと言っている人はみんな普段難しく本を読んでいる人なので、私には難しいかもと思ったけど、分かりやすく書かれているので読みやすかった。人類史上でスペイン人がインカ帝国を征服し、その逆にインカ人がヨーロッパを征服しなかったのはなぜなのか?など、その原因を追っていく過程が面白かった。目ん玉が飛び出るほど驚きの発見はなかったものの、なるほどなーと納得させられることばかりだった。著者が歴史学者ではなく医学博士なのにはびっくりしたけど、この本で取り上げられるデータはどっちかというと自然科学よりのものかもと思うと納得。

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2013/04/27

大陸によって、工業化や技術の進歩に差があるのはなぜか?社会によって、技術に対する受容性が異なるのはなぜかだろうか?一つの要因として、社会の平均寿命が長いことが影響する。発明家が長生きすれば、長い間研究を続け、知識を蓄積することができる。時間のかかる開発に着手しても、見返りを受ける...

大陸によって、工業化や技術の進歩に差があるのはなぜか?社会によって、技術に対する受容性が異なるのはなぜかだろうか?一つの要因として、社会の平均寿命が長いことが影響する。発明家が長生きすれば、長い間研究を続け、知識を蓄積することができる。時間のかかる開発に着手しても、見返りを受ける可能性が高まる。現代医学で平均寿命が延びたことが、近年加速度的に発明の生まれるペースが早くなっていることに貢献しているのかもしれない。 技術は自己触媒的に発達する。食料生産の開始時期、伝播上の障壁、人口の過密度の違いが、大陸間での技術進歩の違いにつながった。肥沃三日月地帯で始まった食料生産が、東西に横長なユーラシア大陸で最も早く広がり、ユーラシア大陸の人口が急増した。 今日でも、中国、インドのあるユーラシア大陸の人口は、他の大陸の人口を圧倒している。 ヨーロッパの白人だけが、文明を特徴づける3つの要因(文字、銃などの技術、人民統治の社会機構)を発達させることができたのか? なぜアフリカ、アメリカ、オーストラリアの大陸を植民地化できたのか? 白人と原住民に人種的な差があったからではない。ヨーロッパは、東西に広いユーラシア大陸の地理的な優位に恵まれたにすぎない。食物栽培に適した東西に広い大陸、特に重要な牛と馬という家畜に適した大型動物の自生分布が、他の大陸に比べて有利であった。 アフリカはなぜ黒人の世界になったのか?700万年前に人類の祖先を生みながら、なぜアフリカがヨーロッパを植民地化することがなかったのか。 アフリカ大陸は南北に長く、赤道直下の気候が食物栽培に適さず、サハラ砂漠で分断され、栽培や家畜に適した原生種も、ユーラシア大陸と比べて恵まれていなかった。 アフリカでは農業が発達せず、いまだに狩猟採集生活をする部族もいる。 小麦、大麦というカロリーやたんぱく質の多い穀物生産の発展が、人口増加と免疫力、道具や技術、社会機構の発展に不可欠であった。 アフリカがヨーロッパに植民地化されたのは、アフリカ人が人種として劣っていたからではない。 南北アメリカ大陸では、家畜に適した動物が、人を乗せて運ぶことのできないラマやアルパカであったこと、栽培に適した植物がカロリーやたんぱく質の少ないトウモロコシであったことなどから原住民の人口は増加せず、動物から人に遷る病気に対する免疫力を備えてなかった。多くの原住民がヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘やペストなどの病原菌に犯された。人口密集と家畜から既に免疫を得ていたヨーロッパ人が、南北アメリカ大陸の原住民を征服できたのは、銃の力よりも、病原菌の力によるところが大きかった。 農耕が発達すると、定住により出産間隔が短くなり(狩猟民族は定住しないから出産感覚が4年、定住した農耕民族は2年だった)、更に人口密度が増加して、牛やウマを使った家畜による農耕技術が発達し、更に余剰食糧が生産され、農業に従事しない階級社会が生まれ、文化や技術が発展することになった。 ユーラシア大陸と同じ自然環境がアフリカや南北アメリカにあったとしたら、白人ではなく、原住民がその文化を得て、白人を駆逐していたにちがいない。

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2013/04/21

「ヨーロッパ人がインカ帝国を征服・滅亡させたが、  その逆のことは何故起こらなかったか?」 上巻では、大陸間の文明発達スピードの違いが 何によってできるのか。といった問いに対して、 主な答えが出された。 壮大な時間軸を遡る謎解きはとても読み応えがあった。 下巻では、その答えを...

「ヨーロッパ人がインカ帝国を征服・滅亡させたが、  その逆のことは何故起こらなかったか?」 上巻では、大陸間の文明発達スピードの違いが 何によってできるのか。といった問いに対して、 主な答えが出された。 壮大な時間軸を遡る謎解きはとても読み応えがあった。 下巻では、その答えを踏まえて、 いろいろな大陸に対して検証を行なっているが、 基本的な答えは上巻で出てしまっているので、 謎解きという部分では面白みが欠ける内容だった。 ページ数も相当あるので、 個人的には「下巻は読まない」とか 「エピローグだけさらっと読む」 という選択もありだと思う。

Posted byブクログ