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銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー

4.1

311件のお客様レビュー

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  3. 3つ

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2018/11/23

・文字の誕生、発展とその背景 ・言語学を用いた歴史の研究 -言語の系統と分化から民族の分化を推定する -特定の語彙からその民族が持っていた技術を推定する(「羊」を表す言葉があるか、など) ・技術の発明の条件とそれを受け入れる文化の条件 ・社会の集権化とその必要条件及び歴史的帰...

・文字の誕生、発展とその背景 ・言語学を用いた歴史の研究 -言語の系統と分化から民族の分化を推定する -特定の語彙からその民族が持っていた技術を推定する(「羊」を表す言葉があるか、など) ・技術の発明の条件とそれを受け入れる文化の条件 ・社会の集権化とその必要条件及び歴史的帰結 ・ニューギニアの地形的及び地理的条件の特異性と発展の歴史 ・太平洋での人類の移動の歴史 ・アフリカにおける民族と文化の移動、バンツー族によるピグミー、コイサン族の淘汰 ・中国の地理的平坦性は一国による支配を容易にし、その決断はしばしば技術的発展を妨げた。一方でヨーロッパは乱立する小国間の対立と競争が新たな技術の発展及びその導入を促した。 統括として、現代の世界の非一様性は民族間の生物学的違いではなく以下の環境上の4つの要因によると考えられる 1.大陸ごとの動植物の分布状況の違い 2.東西に長いユーラシア大陸と他の大陸との間での技術の拡散の違い 3.大陸間の地理的位置関係 4.大陸の大きさや総人口の違い 全ての説明は論理的で説得力があり示唆的でもあり非常に面白かった

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2018/11/19

上巻に引き続き下巻。言語を解析することで、どこの地域でその農作物や文化が始まったかを知ることができる、など、研究のアプローチとして大変興味深かった一方、具体的なアフリカの文化人類学などはあまり興味なく、読み進めるのが辛かったが、 最終的な結論として記載されているエピローグだけでも...

上巻に引き続き下巻。言語を解析することで、どこの地域でその農作物や文化が始まったかを知ることができる、など、研究のアプローチとして大変興味深かった一方、具体的なアフリカの文化人類学などはあまり興味なく、読み進めるのが辛かったが、 最終的な結論として記載されているエピローグだけでも読む価値があると思う。

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2018/11/18

ニューギニアの政治家からの「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」という問いがきっかけとなって書かれた一冊。 この問いへの答えとして、人種や民族の優劣を挙げた...

ニューギニアの政治家からの「あなたがた白人は、たくさんのものを発達させてニューギニアに持ち込んだが、私たちニューギニア人には自分たちのものといえるものがほとんどない。それはなぜだろうか?」という問いがきっかけとなって書かれた一冊。 この問いへの答えとして、人種や民族の優劣を挙げたくなる人が多いんだろうが、著者はこの答えを真っ向から否定する。文化人類学、言語学、生物学などを駆使した自説の展開には、この説に対する思いが伝わってくる。突っ込みどころもなくはないが、各大陸の特徴に基づいた個所など説得力十分な説を見せられると、少しは許容してもいいだろう、と思えてくる。 さすがに後半は冗長でくどかったが、文庫上下巻800ページを読み終えた今は、少し頭がよくなった気がする(笑)。

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2018/11/04

人類史に関する大作である。内容が豊富で、結論にも説得力がある。ただし、自ら足を運んで研究しているニューギニアの分析結果を中心に、地域的に深さのばらつきがあり、やや全体としてまとまりに欠けていると思う。 「文字は、情報をはるかに容易に、はるかに正確に、はるかに説得力のあるかたちで...

人類史に関する大作である。内容が豊富で、結論にも説得力がある。ただし、自ら足を運んで研究しているニューギニアの分析結果を中心に、地域的に深さのばらつきがあり、やや全体としてまとまりに欠けていると思う。 「文字は、情報をはるかに容易に、はるかに正確に、はるかに説得力のあるかたちで伝授できるようにした」p15 「技術は、非凡な天才がいたおかげで突如出現するものではなく、累積的に進歩し完成するものである。また、技術は、必要に応じて発明されるのではなく、発明された後に用途が見いだされることが多い」p68 「ニューギニアの面積はテキサスよりわずかに大きいだけなのに、世界に6,000ある言語のうち、なんと1,000がニューギニアに集中し、数十を超える言語グループに分かれて存在しているのである。そして、それぞれの言語は、英語と中国語のちがいに匹敵するほど異なっている。ニューギニアの言語の半数は、言語人口が500人にも満たない」p178 「(オーストラリア)アボリジニの独立社会は、ヨーロッパ人たちの持ち込んだ銃と病原菌によって、ヨーロッパ人たちが食料生産をしやすい地域からことごとく排除されてしまった。どうにか無傷で残ったのは、オーストラリア北部や西部で、ヨーロッパ人には無用の土地で暮らしていたアボリジニたちの社会だけだった。ヨーロッパ人は、一世紀の植民地化のあいだに、四万年続いてきたアボリジニの伝統をほぼ一掃してしまったのである」p206 「(環太平洋の島々)現在ヨーロッパ人が多く住んでいるのは、ニュージーランドやニューカレドニアといった島々だけである。これらは、もっとも遠方に位置する、もっとも大きな島々で、赤道からもっとも離れていて、気候もヨーロッパに似た温帯気候に近い」p270 「(アメリカ原住民が負けた理由)多くの種類の家畜が飼われていたユーラシア大陸において、これらの感染症が多く見られた。それに反して、南北アメリカ大陸では、わずかな種類の家畜しか飼われていなかったので、動物の病原菌から変化して人間に感染するようになった病原菌も少なかった」p278

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2018/10/20

銃・病原菌・鉄 kindle版で読み上げで聴きました。 面白かった。 特に、野生動植物の農作物化、家畜化の話のあたりは私の専門にも近く、興味深かったです。 家畜と疫病と侵略の話も面白かった。 肥沃三日月地帯は豊かな土地でで多くの農作物化が起きたのに、現在砂漠なのは、農業のせ...

銃・病原菌・鉄 kindle版で読み上げで聴きました。 面白かった。 特に、野生動植物の農作物化、家畜化の話のあたりは私の専門にも近く、興味深かったです。 家畜と疫病と侵略の話も面白かった。 肥沃三日月地帯は豊かな土地でで多くの農作物化が起きたのに、現在砂漠なのは、農業のせいだったんですね。確かに、古代文明が起こったエジプトも砂漠だし、中国も砂漠だ。。。 人間の力って凄い。。。 作者の専門であるニューギニアについても全然知らなかったので、凄く面白かったです。 あんな大きさの島に多くの言語と多くの部族が細かく別れて暮らしていたとか、その理由とか。 それ以降の人類史もなかなか。 読後にamazonにあるアマゾン太郎さんのレビューを読むともっと面白いですw

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2018/07/06

「銃・病原菌・鉄(下)1万3000年にわたる人類史の謎」(ジャレド・ダイアモンド :倉骨 彰 訳)を読んだ。 どこで刷り込まれたのかわからないけれど何となくずっと思い込んでいた人類史のあれこれについて、「実はそうではなかったのか!」という目からウロコの面白さです。

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2018/07/01

高校の時、世界史を取らなかった。今からでも遅くはない、この本を読んだ後に、世界史を学びなおすと新しい発見が生まれるかも。高校生がこの本を読んで、そして大学に行く方がいいと思う…。 西洋中心の考え方にまみれているのだなぁ、としみじみ感じた。染みついちゃって、逃げられない…。

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2018/06/23

初期条件は同じだったはずの人類の文化に、大陸間で差が生じることになった要因、それが、銃、病原菌、そして鉄。本書では上下巻を通してあらゆる知見を総動員しながら、そうした要因が生み出されるに至った究極の要因を考察している。大げさでなく、人類なら一度は読んでおきたい名著。

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2019/05/25

農業を始めたのが文明の始まりで、富を目指して今のような時間で区切ってあくせく働く世の中につながった、と。オーストラリアのアボリジニが最も、原始的な生活をしているというが、どちらが幸福かはわからない、という深い指摘あり。 今の自分たちの暮らし方を少し引いて認識できる貴重な機会をくれ...

農業を始めたのが文明の始まりで、富を目指して今のような時間で区切ってあくせく働く世の中につながった、と。オーストラリアのアボリジニが最も、原始的な生活をしているというが、どちらが幸福かはわからない、という深い指摘あり。 今の自分たちの暮らし方を少し引いて認識できる貴重な機会をくれた本。

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2018/05/28

上巻までは、知的な内容で非常に楽しく読めたのだが、筆者の大きな論理展開、主張がよくわかった後の下巻はちょっと読むのがきつくなってしまった。これは人によると思うけど。 現代優勢を占めている白人人種はなぜ歴史上優勢となったのか、一方、東南アジアの島国や、アフリカの黒人達はなぜ現代で...

上巻までは、知的な内容で非常に楽しく読めたのだが、筆者の大きな論理展開、主張がよくわかった後の下巻はちょっと読むのがきつくなってしまった。これは人によると思うけど。 現代優勢を占めている白人人種はなぜ歴史上優勢となったのか、一方、東南アジアの島国や、アフリカの黒人達はなぜ現代で貧しいままなのか。 筆者は上下巻の圧倒的なページ数で、それは人種の優劣ではなく、たまたま過去の地理上の有利、不利が影響しているだけ。との主張を展開している。何となく聞いたことのある話でもあったが、圧倒的な事例と歴史データ、推測ロジックによってこれでもかと主張の裏付けが繰り返される。 歴史の話だけど、理系の人が書いた本。 論文とか読み慣れてる人にオススメ。 自分は上巻でお腹いっぱいでした。。。

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