銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー
Civilization というゲームがあって、おもしろいのでスマホ版をやってるんですが、この本を読むとそのゲームをしたくなるので読み終わるのに時間がかかりました。 「歴史は、民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によ...
Civilization というゲームがあって、おもしろいのでスマホ版をやってるんですが、この本を読むとそのゲームをしたくなるので読み終わるのに時間がかかりました。 「歴史は、民族によって異なる経路をたどったが、それは居住環境の差異によるものであって、民族間の生物学的な差異によるものではない」 科学者によって書かれた人類史の本。 エピローグの歴史科学と天文学や進化生物学などとの方法論の比較は、高校生までに読んでたら進路選択に影響しそう。
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世界の文明の発展速度の違いを、大陸の形の違いや、有用な野生の動植物の存在などで解釈していく名著。 かなり重厚な内容の上、訳文ということで読み解くには骨が折れるが、一度は読んでおきたい。
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アボリジニのような先住民に対して、少なからず自分は偏見を持っていたもしれない。でも読んでみて、彼らは厳しい環境の中で自分達の力で生きてきた、尊敬すべき人々であることに気づかされた。その一方で、自分の生活に目を向けたとき、自分の家の中には何一つ自分で一から作り出したものがないことに...
アボリジニのような先住民に対して、少なからず自分は偏見を持っていたもしれない。でも読んでみて、彼らは厳しい環境の中で自分達の力で生きてきた、尊敬すべき人々であることに気づかされた。その一方で、自分の生活に目を向けたとき、自分の家の中には何一つ自分で一から作り出したものがないことに唖然とした。何一つとしてない。だからといって今から無人島で暮らせるような力をつけたいとは思わないけど、せめてこの満たされた生活ができることに感謝して過ごしたい。 この本の結論は、冒頭で既に述べてあったように、各国の貧富の差は、もとをたどれば人種の能力の差によるものでは決してなく、地形の違いによるもの。だったら今たまたま富める国で生活できる私たちは、苦しい生活を強いられている人々に対してできることを見つけなくてはならないと思う。探さなくちゃ。やらなくちゃ。
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大筋は上巻と同じ。太平洋とアフリカが興味深かった。 食糧と家畜になれるものが近くにあったかなかったか、これが分かれ道。 翻訳ものにたまに感じるのですが、自分には少し読みにくかった。もう少し流れるようなのが好みです。
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名著後半 文字を作った種族は多くない。ほとんどの民族はほかから受け継いだり、借りたりしている。他の民族から切り離されていると文字を使わないままになることが多い。 技術が社会に取り入れられるかどうかは偶然の要素が強い。 オーストラリアのアボリジニが発展しなかったのは、農作できる原生...
名著後半 文字を作った種族は多くない。ほとんどの民族はほかから受け継いだり、借りたりしている。他の民族から切り離されていると文字を使わないままになることが多い。 技術が社会に取り入れられるかどうかは偶然の要素が強い。 オーストラリアのアボリジニが発展しなかったのは、農作できる原生種が少なく、他の民族と切り離され、人数が少なかったから。 中国は、早い時期に統一され、技術が発展した。しかし、政治的に統一されていたことが仇となって、技術発展を妨げる政治的な動きに拘束された。 アメリカ原住民が発展できなかったのは、南北に長い地形と、砂漠で南北に切り離されて農作技術や文化が伝承しにくかったこと。家畜化できる野生の動物が少なく、そのため、(家畜に由来する)伝染病が少なかったために、西洋人が持ち込んだ伝染病への抵抗力がなかったこと。 アフリカも、南北に長い地形、砂漠による分断、家畜化できる野生動物がいなかったこと、南北で機構が大きく異なることから農作技術が伝承しにくかったことから、文明の発生が遅かった
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理系による歴史学を見せられた。文明の発展が人種の特徴などではなく、地理的条件にすぎないと言うのは面白い。
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◯人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである(365p) ◯政治や技術の分野において、中国が自分たちよりも遅れていたヨーロッパにリードを奪われてしまった理由を理解する...
◯人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人びとが生まれつき異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである(365p) ◯政治や技術の分野において、中国が自分たちよりも遅れていたヨーロッパにリードを奪われてしまった理由を理解することは、すなわち、中国の長期にわたる統一とヨーロッパの長期にわたる不統一の理由を理解することになる。(382p) ★これから中国と米国の覇権争いはどうなるのだろうか。
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上巻は人類文明発展の地域的な偏りが起こった理由を説明。下巻ではその偏りの具体的な事実を大陸ごとに解説する。ユーラシア大陸に比べて、南北アメリカやアフリカ、オーストラリアはなぜ文明が発展しなかったのか。 農業や産業、文字など文明は人の移動とともに伝達し、試行錯誤されながら発展する...
上巻は人類文明発展の地域的な偏りが起こった理由を説明。下巻ではその偏りの具体的な事実を大陸ごとに解説する。ユーラシア大陸に比べて、南北アメリカやアフリカ、オーストラリアはなぜ文明が発展しなかったのか。 農業や産業、文字など文明は人の移動とともに伝達し、試行錯誤されながら発展する。が、海や大河、山脈、砂漠などがあると、人の移動が止まり、文明は発達しなくなるどころか、そこの住民が滅亡してしまうことがある。著者は、マダガスカル島やタスマニア島など大陸から取り残された島民の歴史を研究して、その結論にたどり着く。 結果、人類の移動に都合がよく、しかも東西に長いために気候の違いが少ないユーラシア大陸で人類の進化はリードする。では、なぜ中国ではなく、ヨーロッパなのか。この説明が急に俗っぽくなって、納得できないのだが。 何はともあれ、本書は実験のできない歴史学において様々な事実を「実験」として比較、検証した壮大な人類進化論。
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第3部 銃・病原菌・鉄の謎(承前) 第12章 文字をつくった人と、借りた人 第13章 発明は人の母である 第14章 平等な社会から集権的な社会へ 第4部 世界に横たわる謎 第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー 第16章 中国はいかにして中国になったのか ...
第3部 銃・病原菌・鉄の謎(承前) 第12章 文字をつくった人と、借りた人 第13章 発明は人の母である 第14章 平等な社会から集権的な社会へ 第4部 世界に横たわる謎 第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー 第16章 中国はいかにして中国になったのか 第17章 太平洋に広がっていった人びと 第18章 旧世界と新世界の遭遇 第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか エピローグ 科学としての人類史 関連文献
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非常に興味深く読んだ。 上巻に比べ、下巻は言語の伝播がどのようにして大陸を移動していったかなどであった。上巻に比べ、下巻のほうがちょっと分かりにくかったかな。 いずれにせよ、土地の環境、気候や風土、土着の動植物などのコンディションの違いでそこに住む人間の発展が変わってきてしまうと...
非常に興味深く読んだ。 上巻に比べ、下巻は言語の伝播がどのようにして大陸を移動していったかなどであった。上巻に比べ、下巻のほうがちょっと分かりにくかったかな。 いずれにせよ、土地の環境、気候や風土、土着の動植物などのコンディションの違いでそこに住む人間の発展が変わってきてしまうという。本当に興味深い。
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