銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー
下巻は上巻で考察された内容が、それぞれの地域で具体化されて述べられている。 大筋としては上巻で述べられていた内容になるので、難しいと感じた部分は飛ばして読んでしまった。 言語や人種の話は知識が足りず読みにくく感じた。 それでも全体を通して勉強になった。
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ちょっと下巻の方は本筋と関係はあるものの細かい話が続いていて、私の読書力ではしんどい箇所も多かったです。それでもやっぱりおもしろい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
シュメール人は、絵ですぐ描ける「矢尻」を意味する「ti」という文字を、絵で描くのは難しいが同じ発音の「生命」を表す文字として使用するようになる。そして同音異義語の曖昧性を解決するために、それがどういう範疇の名詞かを指定する決定詞を導入した。これを現代の言語学者は、決定的な革新と読んでいる。 1873年に開発されたQWERTY配列は、当時のタイプライターのキーが絡まる問題を避けるため、タイピストの動きを遅くする設計が施された。頻出文字が左側に集中しているのもその一環である。1932年に効率的な配列のキーボードが開発され、速度や使いやすさが大幅に向上したが、すでにQWERTY配列が社会に定着していたため、普及の試みは成功しなかった。 ユーラシアの人々は、他の大陸の人々より、地理的に恵まれていた。ニューギニア人の中にいるであろうエジソンに匹敵する才能の持ち主たちは、自分の才能を蓄音機の発明にではなく、密林で自給自足の生活を送るという、自分たちの問題を解決するためにその才能を使っている。 ヨーロッパ人がアフリカ大陸を植民地化できたのは、大陸の広さの違い、東西に長いか南北に長いかの違い、栽培化や家畜化可能な野生祖先種の分布状況の違いによるもの。 アメリカで発明されたトランジスタ技術は、日本で電子機器産業を開花させた。しかし日本よりもっと近くのパラグアイでは起こらなかった。パラグアイとちがい日本などがその技術を利用できたのは、文字を読み書きできる人々の国だったからである。金属の加工技術が発達し、集権的政治組織があ?国だったからである。世界の食料生産の発祥地の肥沃三日月地帯と中国は、その国々や、その周辺にあり古くから影響を受けていた日本やヨーロッパを通じて世界を傘下に収めている。
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壮大な人類史を紐解く長編の下巻。上巻の結論を裏付けるための事例が多いため、上巻ほどの驚きはなかった。いずれにせよ、名著。
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著者が何回か漢字に苦言を呈している以外は、納得のいく推論だと思う。世界の富の不均衡について、ともすれば人種差別的な憶測が論じられることもあるが、環境の差(こんな一言で表せるものでもないが)と言い切れるだけの根拠を明快に示してくれてよかった。
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下巻は主に言語学をもとに考察されることが多い印象でした。 私の「なぜ人類はアフリカ大陸で誕生したのにアフリカ大陸が世界の主導権を握ることはなかったのか」という疑問が解決されました。とても納得できたしスッキリです。 人種的な優劣ではなく、環境の優劣により富とパワーに差異が生じる。こ...
下巻は主に言語学をもとに考察されることが多い印象でした。 私の「なぜ人類はアフリカ大陸で誕生したのにアフリカ大陸が世界の主導権を握ることはなかったのか」という疑問が解決されました。とても納得できたしスッキリです。 人種的な優劣ではなく、環境の優劣により富とパワーに差異が生じる。これはすごく大切で重要な認識だと思います。 また歴史学とは文系の学問だと思っていましたが、科学の要素もあり面白かったです。
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ジャレド・ダイアモンド氏による著作の邦訳、下巻。 最初の邦訳は2000年に刊行されたそうだから、私が読み終えた今から数えれば24年前になる。本の最初にあるcopyrightの表示を見れば1997年だから、私は随分遅くになってこの本にたどり着いたわけだ。 「サピエンス全史」の解説...
ジャレド・ダイアモンド氏による著作の邦訳、下巻。 最初の邦訳は2000年に刊行されたそうだから、私が読み終えた今から数えれば24年前になる。本の最初にあるcopyrightの表示を見れば1997年だから、私は随分遅くになってこの本にたどり着いたわけだ。 「サピエンス全史」の解説本の参考図書に挙げられていて本書を知ったのだが、読んで良かった。 高校で通り一遍に習った世界史。小学生の高学年で読んだインカ帝国の滅亡を描いた児童図書。テレビやインターネットでの細切れの知識。 そういったものが今までとはまた違う統合の仕方で再生される感じだ。 びっくりするような派手な結論ではない。だがそこに至るまでの論証にはいろいろな学問分野がクロスオーバーする。言語学、文化人類学、生物学、歴史科学その他諸々…。 優れた洞察力と知力のある著者だからこそ書けた本なのだと思った。 2024.8.19読了
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要点はシンプルなのだが、医学畑出身でありながら歴史学者の立ち位置に留まらない、自然科学、地理学、進化生物学、言語学、人類学、考古学など、一分野に留まらない壮大な視点から、理論的で説得力のある考察をしていくのが鮮やかだった。そのためたくさんの立ち位置から要点を何度も繰り返したり、い...
要点はシンプルなのだが、医学畑出身でありながら歴史学者の立ち位置に留まらない、自然科学、地理学、進化生物学、言語学、人類学、考古学など、一分野に留まらない壮大な視点から、理論的で説得力のある考察をしていくのが鮮やかだった。そのためたくさんの立ち位置から要点を何度も繰り返したり、いささか詳細すぎる専門的な深掘りに読書欲が削がれる部分もあったが、総じて考察の丁寧さには目を見張るものがあるし、何より今まで都市伝説的だったりオカルト的に認識していた事例について、納得のできる現実的な考察をしていて、既成概念が面白いほど覆った。壮大で実に理論的に謎解きをしてくれるのが気持ち良い。
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パプアニューギニア人のアリの質問に対して、明確な答えはまだ未解決ながらも、どんどん新たな疑問が湧いて出てくるのが面白かった。記憶にも新しい中国とヨーロッパ、同じユーラシア大陸内の地域同士において、なぜ中国が覇権を握れなかったのか。の考察の続きが気になる。 人類史科学としての良識を...
パプアニューギニア人のアリの質問に対して、明確な答えはまだ未解決ながらも、どんどん新たな疑問が湧いて出てくるのが面白かった。記憶にも新しい中国とヨーロッパ、同じユーラシア大陸内の地域同士において、なぜ中国が覇権を握れなかったのか。の考察の続きが気になる。 人類史科学としての良識をもっと蓄えたいと感じた。
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ヨーロッパが抜きん出た理由 肥沃三日月地帯は伐採などにより土地が痩せて食料生産が続かなかった。 ヨーロッパは肥沃三日月地帯に気候が近くて雨が多いので、自然が再生しやすく食料生産が拡大できた。 中国も条件はヨーロッパに近かったが、1400年代の政策により外国への船団の派遣中止で...
ヨーロッパが抜きん出た理由 肥沃三日月地帯は伐採などにより土地が痩せて食料生産が続かなかった。 ヨーロッパは肥沃三日月地帯に気候が近くて雨が多いので、自然が再生しやすく食料生産が拡大できた。 中国も条件はヨーロッパに近かったが、1400年代の政策により外国への船団の派遣中止で勢力を拡大できなかった。政権が統一されていたため外国への進出が止まった。 ヨーロッパは大航海時代に他国に進出して植民地化を行った。中国と異なり統一支配されていなかったので外国に進出するような挑戦的なことを支持する支配者もいた。それによりコロンブスも航海に出ることができた。
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