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銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー

4.1

314件のお客様レビュー

  1. 5つ

    109

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

    52

  4. 2つ

    9

  5. 1つ

    0

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2023/12/24

この本のタイトルは「食物・病原菌・環境」の方がしっくりくる気がする。あるいは「言語(文字)」を追加してもいいかもしれない。いずれにせよ、地理的範囲も広いし時間軸も長い割には同じ話が幾度も出てくるので、本当はもっと色々なことを書けたのではないかと思ってしまう。 銃火器と冶金について...

この本のタイトルは「食物・病原菌・環境」の方がしっくりくる気がする。あるいは「言語(文字)」を追加してもいいかもしれない。いずれにせよ、地理的範囲も広いし時間軸も長い割には同じ話が幾度も出てくるので、本当はもっと色々なことを書けたのではないかと思ってしまう。 銃火器と冶金については学校などでも習うという観点から記述が少ないのかもしれないけど、影響度は大きいとはいえ表層的であり著者の言う究極の要因とはなりえないのではないか?

Posted byブクログ

2023/12/23

2023.11.01 秋になり、読書欲が戻った。 東西に長い大陸と南北に長い大陸。そんな単純な違いがもたらす影響の大きさに驚愕する。 文化の伝播のしやすさには、気候の同一性がクリティカルであり、東西に長いユーラシアがたまたまそれに適した形であったのだ。 環境が決する要因の大き...

2023.11.01 秋になり、読書欲が戻った。 東西に長い大陸と南北に長い大陸。そんな単純な違いがもたらす影響の大きさに驚愕する。 文化の伝播のしやすさには、気候の同一性がクリティカルであり、東西に長いユーラシアがたまたまそれに適した形であったのだ。 環境が決する要因の大きさを実感する。そんなことで先進国と後進国が決まってしまったとは。 家畜できる種の少なさと、家畜を持つことで手に入れた病原菌への耐性。ユーラシアの人類が持った病原菌が新世界の人類を削減してしまうということなんて、誰が想像できたろう。 人類の歴史とは途方もない。 視野が大きく広がった。

Posted byブクログ

2023/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長い。だが割とすんなり読める。学のないわたしでも、意味を知らなかった言葉は上下巻合わせて10もなかったし、語り口も丁寧であるため、難しいということはあんまりない。ただやはり長くって嫌になる可能性は大きい。また、同じような話が何度も出てくることになるので、それもまた読破を諦めてしまう理由になると思う。 同じような話が何度も出てくること、長いこと、それらは著者が科学的に誠実であろうとしているゆえだろう。というか扱っているテーマがデカすぎて、まぁこれだけの尺は必要か、とも言える。   一番印象に残ったのは、これは人種差別主義者たちに対する声明だな、ということ。明らかに、人種差別がいかに無根拠で無意味かを伝えている。 地球に存在する様々な人間たちが、その人種であることを理由に栄えたり滅びたりしたのではない、人種による人間の差が仮にあったとしても、長い歴史の尺度で見れば意味がないのだということを徹底して言っている。 欧米の人間が世界をリードしているようなこの現状は、人種の差ではない。それは、「地域の環境差」、つまりたまたまでしかないのだ。 また、上下巻続けてずーっと使われている「直接の要因」と「究極の要因」という考え方は、素晴らしい発明だと思う。 ヨーロッパが他の地域を征服できた直接の要因は、銃・病原菌・鉄を先に手に入れたからである。先に銃を持っていれば他民族を追い出し、または殺せる。先に病原菌に対する免疫を持っていれば、他の土地で免疫を持たない人たちは勝手に死んでいく(銃による被害者どころではない数が)。鉄の武器や道具で有利に立ち回る。これらは「直接の要因」だと。 本書のキモは、ではなぜ銃・病原菌・鉄を先にゲットできたんだ?その「究極の要因」を考察しなきゃダメだろってことで話を進めるところだ。 で、その究極の要因は先に書いた通り、地理というかその場所(環境)だ、ということだ。 ちょっと意外でおもしろいのは、南北に長い大陸よりも東西に長い大陸の方が進歩しやすいという話。どゆこと?と思うが、これは簡単なことで、東西方向ならば日照時間が同じで気候の差も少ない。しかし南北方向だと気候が全然ちがう。そのため、ある地域で栽培や家畜化が始まったとき、東西には早く伝わる。南北にはなかなか伝わらない。なるほど、そりゃそうか。 究極から直接への流れを、思い出しつつ書いてみる。 ★スタート★ 環境がいい(地形、気候、作物、動物) ↓ 栽培や家畜化を始めやすい ↓ 移住を繰り返す狩猟採集民から定住民へとシフト ↓ 家畜と接する時間の増加により病原菌をもらってしまう(免疫の獲得) ↓ 食糧確保および定住により養える人口が増える ↓ 食糧生産者以外の職が生まれる(政治家や職人や宗教者) ↓ 技術発展しやすい ↓ 「銃・病原菌(への免疫)・鉄」を獲得 ↓ 周辺地域を征服できる ↓ つまり最初の環境がすべてやんけ ★ゴール★ ざっくりだけども、だいたいこういう感じか。

Posted byブクログ

2023/09/08

「銃・病原菌・鉄」上下巻、読み終わりました。 非常に勉強になりました。 アメリカ大陸にヨーロッパ人たちがやってきた時、彼らが原住民の文化を駆逐することになった直接の原因は、ヨーロッパ人が「銃・病原菌・鉄」を持っていたから。 …ということで付けられたタイトル。 読み始める前ま...

「銃・病原菌・鉄」上下巻、読み終わりました。 非常に勉強になりました。 アメリカ大陸にヨーロッパ人たちがやってきた時、彼らが原住民の文化を駆逐することになった直接の原因は、ヨーロッパ人が「銃・病原菌・鉄」を持っていたから。 …ということで付けられたタイトル。 読み始める前までは、なぜヨーロッパ人たちが、銃や病原菌や鉄を持っていたのか、という小さい問いに答える内容なのかと思っていたんですが、さらに広い科学的考察の数々を知ることができました。 アフリカで生まれたと思われる「人類」が、どんなタイムスケールで各大陸や島々に渡っていったのか。 そこで暮らす人々が、どのように食糧生産を始めたのか、始めなかった場所ではなぜ始めなかったのか。 考古学的な考察や、遺伝学的考察に加えて、言語学的な考察も加えて、各大陸での人々の暮らしがどうなっていったのか、それが現在の状況にどう関わっているのかの大まかな流れを知ることができました。 「人類の長い歴史が大陸ごとに異なるのは、それぞれの大陸に居住した人々が生まれながらにして異なっていたからではなく、それぞれの大陸ごとに環境が異なっていたからである」 人種の優劣があるのではなく、大陸や土地の特性や、人類がそこに到達したときの技術力など、様々な要因によって作り上げる社会が異なっていった結果、今があるのだ、という「歴史科学」。 地球を俯瞰して、人類が発生して、少しずつ住居地を広げていって、そこでどうやって暮らしていて、どんな工夫をして、どんな社会を作っていったのか、ジオラマを見ているような感覚で読みました。 歴史を「科学」で考察する。 確かにこれはベストセラーになるわけだ!

Posted byブクログ

2023/09/02

非常に読み応えのある一冊だった 文系・理系の壁を超えて…というか文系の不足分を理系で補って?知の巨人によって描かれている壮大なストーリー

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2023/07/02

読み切った…!!世界で格差が生まれた話、完。とはいえこれからも人類は続いていくのでこの先の研究にも期待ですね。そして人間科学だけの話ではなく、自分の人生にも置き換えられそう。ここでの結論は忘れず自他ともに活かしたい

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2023/06/29

銃、病原菌、鉄はインカ帝国やアメリカ大陸先住民の制圧にどのように関与したのか。歴史、地理、生物学を俯瞰して解き明かす。

Posted byブクログ

2023/06/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上巻を読み終えたのが2022/1/31… 下巻を読み終わるのに一年半かかっとる! 合計でたぶん3年位かかってると思うが、実際なにか学べたのかと言うと、たぶん圧倒的に覚えられていないと思う。ただ、それよりも人類が先に生まれたはずのアフリカ大陸が世界の支配者になることはなく、面積や人口で言えば小さく、歴史も浅いヨーロッパが大陸を「発見」し、先住民を滅ぼしていった理由はなぜなのか?という、確かにそう言われたら不思議に思う疑問を疑問だと感じられるようになり、その理由をある程度理解できるようになった。 なにより、「暇は大事」ということ。古代ギリシャで技術もアートも何もかもすごい勢いで育ったのは、なによりも奴隷文化があり、上流階級が勉強や趣味に没頭できたから。 そして食べ物を探して歩くその日暮らしでもなかったこと。栽培できる植物があり、家畜にできる動物がいて、気候もひどくなくて定住できる場所だと更に強い。つまり農耕民族は狩猟民族より強い。 文字も同様の背景で生まれた。余剰食料を保管するために記録を取るということで文字が必要になった。 さらに周囲にライバルがいると、それに負けない技術を開発し続けたり、新しい技術が見つかったら生産力が下がらないようにその技術をすぐに応用する、と。逆に、ライバルがいないとその技術を使う必要がなく、技術が発展していくことがない。 アフリカは太古の昔は砂漠ではなかったのに、文化が育たなかったのは、家畜にできる動物がおらず、植物も栽培に向くものがなかったから。それだけの違いでオセアニアが大発展した、と。 中国とヨーロッパが似たような条件だったのにヨーロッパばかりが発展したのは、中国は一枚岩になっており、そのときの支配者の気分次第で一気にすべてが禁止されたり止まったり巻き戻ったりしたから。ヨーロッパは国が多すぎて技術が封印されるということがほぼなかった。 南北に移動する場合、気候が変わるために植物も動物も病気も新しいものになり、文化が動かない。だが東西だと植物の種も普通に育つし、どんどん文化の共有ができる。そういうのもあってヨーロッパは強かった。 上下ともに大変おもしろかったが、なんだろう、自分には役立てられないかもしれないなと思ってしまったのだった。

Posted byブクログ

2023/06/08

ようやく読み終わった、下巻。 面白かったけど、なかなかしんどかったー。 上巻から引き続き、ヨーロッパが世界の中心となり、富や権力を把握した理由、なぜアメリカやオーストラリアの先住民やアフリカ人の黒人が、逆にヨーロッパを侵略したり、植民地化したりすることがなかったのか? という問...

ようやく読み終わった、下巻。 面白かったけど、なかなかしんどかったー。 上巻から引き続き、ヨーロッパが世界の中心となり、富や権力を把握した理由、なぜアメリカやオーストラリアの先住民やアフリカ人の黒人が、逆にヨーロッパを侵略したり、植民地化したりすることがなかったのか? という問いを、下巻では主に、世界に広がる言語や文字を皮切りにして、発明やら社会のあり方の変遷、人々の拡散などの側面からときほぐしていく。 普通に生活していたら、なんの意識もせずに使っているが、文字って本当に凄いと改めて思わせられる。 言葉もすごいけど、文字を1から作るのって確かにめちゃくちゃ難易度が高い。何から手をつければ作り出せるのか、「文字がある」世界の人間なら造作もなさそうに思うけど、「ない」世界においてを想像するだけでも途方に暮れてしまう。しかも人類がこの技術を手にしたことで得られた恩恵は計り知れない。 そういった、よく考えたら当たり前なんだが、よく考えることのあまりない事象をデータとともにこれでもかと繰り出される。 個人的には江戸時代の日本が銃火器の技術を手放した事象についてとても興味深く感じていたので、もう少しここを掘り下げて知りたかったけど、この疑問を自分なりに温めておけば、まあいずれどこかで学べる日が来るんじゃないかな、と楽観的に思っている。 そして下巻はエピローグが圧巻だった。 なんならここだけでもいいんじゃないか、とうっかり思ってしまうくらいによく纏められていて面白かった。 かなり歯応えのある骨太な内容だったので、出版当時にまかり間違って読んでいたらたぶん挫折していただろうな。 ここ1年のいろんな勉強で、ようやく半分くらいは理解できたな、という印象。 またそのうち読み返そう。

Posted byブクログ

2023/06/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻も面白かった。上巻より日本がピックアップされていたかも。 日本人が非効率に思われる漢字を使い続けるのは感じの方が社会的ステータスが高いからというのだけは納得いかなかった。表音文字の世界の人にはそう見えるのか。

Posted byブクログ