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銃・病原菌・鉄(下) の商品レビュー

4.1

314件のお客様レビュー

  1. 5つ

    109

  2. 4つ

    103

  3. 3つ

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2023/03/22

地理的な環境要因が文明の発展にもたらした影響については、上巻でたっぷりと語られた。下巻では、環境要因だけでは説明がつかない差異についても語られる。文字、道具。文化的側面。はるか昔、我々が先住民と呼ぶ人々がなぜ当時その地域の覇権を握ったのか。歴史というものの不可思議さ、面白さを十二...

地理的な環境要因が文明の発展にもたらした影響については、上巻でたっぷりと語られた。下巻では、環境要因だけでは説明がつかない差異についても語られる。文字、道具。文化的側面。はるか昔、我々が先住民と呼ぶ人々がなぜ当時その地域の覇権を握ったのか。歴史というものの不可思議さ、面白さを十二分に堪能できる。

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2023/03/04

環境が社会を作るというお話。 栽培化・家畜化できる原種の分布,東西か南北かという地理的要因,人口が稠密化することによる社会の複雑化,などなど。どれもさして目新しいところはない。 中国に関していえば,古くから統一されていたことが,発達を阻害したという視点は面白かった。多様性と競争が...

環境が社会を作るというお話。 栽培化・家畜化できる原種の分布,東西か南北かという地理的要因,人口が稠密化することによる社会の複雑化,などなど。どれもさして目新しいところはない。 中国に関していえば,古くから統一されていたことが,発達を阻害したという視点は面白かった。多様性と競争がなければ新規性は生まれない。 日本の江戸時代に銃火器の開発が止まっていなければ,その後の歴史はまた違ったものになっただろうが,幕府としては政権を維持するための正しい選択だったのだろう。外敵の侵攻は予見可能性がなかったか。 歴史の重心は東から西へ移り,現在また東に戻りつつあるという説があるが,本書を読んで,そんなに単純なものでもないように思えた。ほんの少しのリードが自己触媒的に増殖して,今では取り返しのつかないほどの格差になってしまった。が,それも万年単位で見れば,一時的なものなのかもしれない。

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2023/01/29

図書館で借りた。 ベストセラーの下巻。こちらは文字の発達から道具発明の観点、アボリジニはなぜ発達しなかったか、などが詰まっている。

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2023/01/27

上巻の理論をもとに話が展開していくので、どうしても上巻ほどは驚きはなかった。一番驚いたのは、台湾先住民のオーストロネシア系の人々が700年前後にはポリネシアからマダガスカル島まで辿り着いていたということ。あと、言語学の知見から人種ごとの拡散と発祥の地が分かること。

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2022/11/29

とてもスリリング 人類の歴史の謎解き 地理地形の影響は大きい  (何故か下巻から読んでしまった  自分でもびっくり!) ブックオフ妙興寺店にて購入

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2022/10/21

長かったけれど大変面白かったです。 現代の国家間の裕福の違いは、異なる人種の差ではなく、 その地の環境や存在した動植物の種類によるもの。つまり運だという。人種に優劣は無いという結論には大賛成。 何故4大文明が生まれ、ヨーロッパと中国が発達したかは、大陸を通して比較的温暖な環境で変...

長かったけれど大変面白かったです。 現代の国家間の裕福の違いは、異なる人種の差ではなく、 その地の環境や存在した動植物の種類によるもの。つまり運だという。人種に優劣は無いという結論には大賛成。 何故4大文明が生まれ、ヨーロッパと中国が発達したかは、大陸を通して比較的温暖な環境で変化が少ない東西に伸びたユーラシア大陸のおかげ。人間の進化を地球規模で解き明かしてくれた、この本に感謝。

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2022/10/06

2022/10/9 なぜヨーロッパが植民地時代に世界を征服できたのかという人類史の問いに向き合った書。人種による優劣がないことを前提として、技術の発達の背景となった地理的特徴を整理した ・文字は食糧生産の後に、管理の必要性と書紀階級を養う余剰作物から生まれた。最初は文語と口語は大...

2022/10/9 なぜヨーロッパが植民地時代に世界を征服できたのかという人類史の問いに向き合った書。人種による優劣がないことを前提として、技術の発達の背景となった地理的特徴を整理した ・文字は食糧生産の後に、管理の必要性と書紀階級を養う余剰作物から生まれた。最初は文語と口語は大きく異なっており、書記言語は最古のシュメール文字は数字と一部の名詞、形容詞しか使えず、特権階級による支配の道具だった。表音文字の誕生によって文字が大衆化した ・技術は独自に発明されるよりも、実物あるいはアイディアが模倣され伝播することで受容されることが多い。また、技術は自己媒介的に技術革新を早める、巨人の肩である。これが最も広くネットワーク性のあったユーラシア大陸が他の大陸に比べ、技術が決定的に進んだ要因である ・中国とはかつて分断した複数の文化だったものが、征服し、征服されることで統一的な文明として広がっていった国 農業と牧畜、特に牧畜ではアメリカ大陸で家畜が1種類しかおらず動力や軍事力として活用できなかった ・農業による人口密度の増加と家畜は病原菌の蔓延を生み出し、アメリカの既存文明人の減少に大きく影響した またアステカ、インカ帝国しか国家が存在せず他は首長社会であった。これは文字や冶金技術がなかったことの結果とも言えるが、新大陸が征服された主要な原因 ・ユーラシア大陸が他の大陸よりも有利であった点 -栽培化、家畜化が可能な動植物種 -伝播しやすい地形。ユーラシア大陸は横長で同じ緯度の地域が広く栽培化、家畜化の技術が伝播しやすかった -大陸の大きさ

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2022/09/28

下巻は結論から絞っていく なぜヨーロッパ人ひいてはユーラシア大陸の人類が征服者となり、主導権を握れたのか ポイントは4つ ①栽培化や家畜化の候補となりうる動植物種の分布状況が大陸により異なっていた ユーラシア大陸は家畜化や栽培可能な野生動植物が多様で、食料生産をより効...

下巻は結論から絞っていく なぜヨーロッパ人ひいてはユーラシア大陸の人類が征服者となり、主導権を握れたのか ポイントは4つ ①栽培化や家畜化の候補となりうる動植物種の分布状況が大陸により異なっていた ユーラシア大陸は家畜化や栽培可能な野生動植物が多様で、食料生産をより効率的におこなうことができた 食糧生産の実践が余剰作物の貯蓄を可能にした つまりその余剰が非生産者階級の専門職を養うゆとりを生み出し、大規模集団の形成を可能とし、技術面、政治面、軍事面で有利となった また家畜化できる動物が多かったため、人や荷物を運ぶ運搬する手段、さらには他地域へ侵略する際の戦闘用にも役立った ②伝播や拡散の速度 東西方向に伸びるユーラシアの陸塊が有利に 生体環境や地形上の障壁が他の大陸より少ない アフリカ大陸や南北アメリカ大陸は南北方向のため、障壁が大きい (例:南北アメリカ大陸→アマゾン川、砂漠、ジャングルにより地理的に分断) ③異なる大陸間での伝播の影響 地理的に孤立している大陸は不利 ユーラシア大陸から遠い、南北アメリカやオーストラリアなど ④大陸の大きさと総人口の違い 面積の大きな大陸や人口の多い大陸では、何かを発明する人間の数、競合する社会の数、利用可能な技術…などが相対的に多い (ユーラシア大陸は社会の人口密度が高く、労働の分化や専門化が進んだ) 一部重複するが、他にも下記要因がある ・ユーラシア大陸は、定住生活が比較的早くからはじまった ・ユーラシア大陸は家畜化できる動物が他の大陸より多かったため、動物のかかる感染症が変化して人間がかかるようになった  しかしながらそのおかげで病気に対する免疫や遺伝性の抵抗力が(他の大陸より早く)自然に出来上がっていた ・特定の宗教を国教と定め、政教の結びつきを利用して征服戦争を正当化し政治的複合体を形成できた ・ユーラシア大陸は多くの国家で読み書きできる官僚がいた  理由としては、食糧生産とともに文字は発達した(納税の記録や、国王の布告、さらに文字は交易を通じて広がった)  そのため食糧生産が早くからさかんなユーラシア大陸は文字の伝播も早かった そして下巻の中で一番気になったのが ユーラシア大陸と似たような恵まれた条件の中国がなぜ主導権を握れなかったのか 東西方向に比較的ゆるやかな地形が続く中国 異なる地域を結ぶのに黄河と揚子江の水系が利用され、文化的及び政治的に統一されやすかった 食糧生産も早い時期に始まり、地形や環境の変化に富み、多様な作物や家畜や技術が誕生している 世界最多の人口を誇り、広大な土地を有している 著者の意見として、中国は国全体が政治的に統一されている このことがかえって裏目に出たという 何かを取りやめると国全体の流れが変わる… そのため技術や文化が後退しやすい そして比較的孤立している この辺りはかなり興味深いのだが、いまいち納得のいく結論がなかったため、もう少し掘り下げて今後の個人的なテーマとしていきたい 結局のところ人類の能力などに差があるのではなく環境の差でしかないのだ たまたま運よくユーラシア大陸に居たヨーロッパ人が恵まれていたがために傍若無人な振る舞いをし、 先住民を絶滅に追いやり世界を牛耳ることになったのだ 知れば知るほどこの理不尽さになんともやりきれない気持ちになってしまう もっと身近なところにもたくさんある 恵まれた環境の人たちと、そうではない人たち… あああ、何とも虚しい(嘆いたところで何も変わらないのだが…) 上下巻ようやく読み終えることができた 決して読みにくいこともわかりにくいこともないのだが、結論までがとてもとても丁寧で(笑)… 読む時間がなかなか取れない身としては、いったい何の話だったか都度都度テーマを確認しないと迷子になる もちろんトピックによっては実に興味深いものもあったのは事実 面白かったのか微妙であるが一時間度は読んでみたかったのでおおむね満足である

Posted byブクログ

2022/09/12

今まで生きてきてこんなにもニューギニアという言葉を目にしたことはなかった。太平洋の島国についてよくわかっていなかったけど、人類の流れが見えた気がして面白かった。 大陸の延びている方向やそれに伴う気候、元々あった動植物によって世界はこんなにも変わるのかとゾクゾクした。

Posted byブクログ

2022/09/09

今の世界が形作られていく中で、地形が如何に影響を与えてきたか。農耕社会が起こり、階級社会が発展していく。それがまわりに波及していく。 本書は、ヨーロッパの人々なぜ、がアフリカ、アメリカ、アジアに対して、侵略ができ、逆に、先住民のひとたちはそれができなかったのか。 余剰食料も大切...

今の世界が形作られていく中で、地形が如何に影響を与えてきたか。農耕社会が起こり、階級社会が発展していく。それがまわりに波及していく。 本書は、ヨーロッパの人々なぜ、がアフリカ、アメリカ、アジアに対して、侵略ができ、逆に、先住民のひとたちはそれができなかったのか。 余剰食料も大切ですが、文化や技術が伝播していく環境が大きいのかなと感じました。進学校などで、頭の良い人たちが集まり、互いに切磋琢磨するイメージでしょうか。 今の世界は、過去の歴史の積み重ねの結果だとしたら、成り立ちを知ることが、世界の不均衡を解決する鍵になるのかなと感じました。 人が集まることは、効率的な社会になるかもしれませんが、病原菌を生み出し、争いを生み出す。また、人間関係の悩み大きくなり、現代の様な鬱病に繋がるのかもしれない。それでも、人の進化は後戻りできないのだから、受け入れることで、よりよい道を選択していくしかないのだろうなと思います。 考察も深く、色々と考えさせられる一冊でした。

Posted byブクログ