名もなき毒 の商品レビュー
最近特に増えている、自意識過剰・被害者意識・自分探しなどといった要素を取り入れた話。これは謎解きというよりも、心理小説といった方がいいのではないだろうか。 原田みたいな人物は、冗談ではなく存在するので、サイコホラーといってもいいかもしれない。
Posted by
久しぶりの宮部作品。 中学1・2年の頃に代表作はほぼ読んだ記憶がある。 『レベル7』と『理由』が突出して作品として記憶に刻まれている。 久しぶりにそんな刻まれる作品を期待したが駄目でした。 自分が年を取ったからなのか、あの中学生の時に味わった宮部みゆき独特の毒々しさというか、常に...
久しぶりの宮部作品。 中学1・2年の頃に代表作はほぼ読んだ記憶がある。 『レベル7』と『理由』が突出して作品として記憶に刻まれている。 久しぶりにそんな刻まれる作品を期待したが駄目でした。 自分が年を取ったからなのか、あの中学生の時に味わった宮部みゆき独特の毒々しさというか、常に背後から誰かに狙われているかのようなゾクゾク感を味わえませんでした。なので★3つ。
Posted by
『理由』『火車』との比較で★5つは付けられず。 それでも十分に堪能できる作品。 ただ難点を言えば、キャラクターの善悪の境が明確である点。 そのため本全体に良い意味での「淀んだ空気」が全くない。 エンターテインメントを基軸に据える作家なのでこの点はおそらくは意図的なものだろうが、深...
『理由』『火車』との比較で★5つは付けられず。 それでも十分に堪能できる作品。 ただ難点を言えば、キャラクターの善悪の境が明確である点。 そのため本全体に良い意味での「淀んだ空気」が全くない。 エンターテインメントを基軸に据える作家なのでこの点はおそらくは意図的なものだろうが、深みが少々足りない感あり。
Posted by
人の持つ悪意=毒を描いているが、登場人物の誰もがすごくリアリティがあるので、怪物の様な圧倒的な犯人が出てくる小説よりもある意味怖い内容だったし、考えさせられた。自分や、周りの人も大きな毒に蝕まれる可能性があるかもしれない。余韻の残る結末も良かった。
Posted by
読んでから気付きましたが、シリーズものだったんですね…。ちらほら気になるところはありますが、単体でも大丈夫です。 青酸カリという毒物を使った無差別連続殺人と、トラブルメーカー原田いずみが持つ毒をメインに話が進みます。世の中は毒に溢れているなんていうけれど、青酸カリは別として誰か...
読んでから気付きましたが、シリーズものだったんですね…。ちらほら気になるところはありますが、単体でも大丈夫です。 青酸カリという毒物を使った無差別連続殺人と、トラブルメーカー原田いずみが持つ毒をメインに話が進みます。世の中は毒に溢れているなんていうけれど、青酸カリは別として誰かの悪意にはみんなどうにか耐性をつけながら、ときには侵されながら暮らしているわけで、 原田いずみは確かに特殊すぎはするけれども 自分自身が誰かにとっての毒になってない保証もない。見てみぬ振りをしながら生きているけれども、何より主人公(とその奥さん)の無毒っぷりが羨ましいのか、妬ましいのか、いじめたくなる気持ちも分からなくはないというのが、怖い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
今のこの世は毒(悪意)に満ちている。 その毒は、悪性の強いものもあれば、弱いものもあるだろう。 また作中の「原田いずみ」のように、しぶとく執念深い毒もおり、これまた質が悪い。 一度は退治されたと思われた毒が、「無罪」との司法判断を受け、これを期に再び勢力を取り戻し猛毒へと進化を遂げることもある。 最近では「国民のため」を連呼しつつ、永田町界隈で猛威を奮っている。 しかしこの場合での一番悪性な毒は、抹消されつつあった毒を再び持ち上げ、猛毒へと導いた「取り巻き連中」の毒であると思う。 この取巻毒は50匹以上いるらしい。
Posted by
読了!★★★★☆ 今多コンツェルン杉村シリーズ 青酸カリによる、連続無差別殺人事件。 普通の人だと思っていた被害者の古屋家の面々にも知られざる秘密が・・・ 原田みゆき・・・強烈なキャラクターだ・・・ 憎しみや恨み、妬み、怒りを生成し、熟成させて毒を生み出す・・・ 完全に病気。も...
読了!★★★★☆ 今多コンツェルン杉村シリーズ 青酸カリによる、連続無差別殺人事件。 普通の人だと思っていた被害者の古屋家の面々にも知られざる秘密が・・・ 原田みゆき・・・強烈なキャラクターだ・・・ 憎しみや恨み、妬み、怒りを生成し、熟成させて毒を生み出す・・・ 完全に病気。もしくはサイコパスだ。ん?サイコパスは病気だっけ?? 反して全く無害そうな外立君。 彼を見た人のほとんどは、同情という感情を抱くだろう。 萩原社長の様に。 では一体、毒の元となるものはなんなのだ??? 人間は負の感情という毒に似たものを生み出す。 生物が持つ毒とはそもそも自分の天敵となる種族から身を守る為に持つものだと思っていた。 同族を攻撃する為に毒を使うのは人間以外にもいるのだろうか。 そしてその毒は、自らでコントロールできるものであるはずで、 本人に影響を与える事は無いはずであるべきなのに、 毒を持ち続ける事に耐えられずに、吐き出さなければ我が身を蝕んでしまうなんて。 杉村に探偵は無理だと思うな〜平凡探偵。 しかし、日常に狂気を潜ませる宮部流のテクニックにはいつも 思わず後ろを振り返ってしまいたくなる様な恐怖を与えられる。 先を読ませない幾重にも重なった緻密で細かいプロットはため息モノ。 お気に入り一文引用↓ 「人は皆、幸せの最中にあるよりも、これから幸せがやってくるという確信に満ちたひと時をこそ望むものではあるまいか。」
Posted by
原田いずみや外立君のような毒はわからないでもないなと思った。多かれ少なかれ誰しも持っているのではという気がする。 それぞれが抱えきれないほどの毒が引き起こし、連鎖していく悲しい事件。宮部みゆきは社会派の要素もあっていい。
Posted by
結構面白かった。 新潮文庫のパンダグッズが欲しくて 古本屋で何冊か買ってきたものの1冊が宮部の「淋しい狩人」。 (*表紙の裏の応募券を集める為、薄い本を取りあえず選んで読んでた…) そのいきおいでこの本も読みました。 でも、集めてた応募券は引越しの際行方不明です…(...
結構面白かった。 新潮文庫のパンダグッズが欲しくて 古本屋で何冊か買ってきたものの1冊が宮部の「淋しい狩人」。 (*表紙の裏の応募券を集める為、薄い本を取りあえず選んで読んでた…) そのいきおいでこの本も読みました。 でも、集めてた応募券は引越しの際行方不明です…(涙)
Posted by
久しぶりの宮部みゆき。読みやすい。タイトルに繋がる伏線のはりかたも好き。無個性が個性の主人公が光る作品。最後、北見氏のあとを継いでおわるかと思いました。
Posted by