名もなき毒 の商品レビュー
名もなき毒=世の中に溢れている悪意 外立、原田いずみ、自分の人生を悲観して、怒りの矛先が他人に向く。 高度経済成長とともに豊かになる一方、汚染されていく土壌と重なり合わせて、世の中の毒を見つめ、主人公が事件をおっていく。 人生を悲観することなく前を向いて生きていきたいなと思う
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展開が気になってグングン読んでしまった。 普段よく読む歴史時代物とは違い、 登場人物が現代の人々で、主人公からの視点で進む物語で、 どの登場人物にも、自分もしくは自分と親しい人に通ずる部分が多々あるせいなのか、 文庫本一冊なのにけっこう登場人物たちの存在感がズッシリ私の中に効いている。 …でもこの本のレビューは難しい。 犯罪者の心の闇を毒と捉え、 犯罪者たち自身も逃れられぬその毒で苦しんでいる。 そしてその毒は伝播していくと描かれているから、 下手に感想を書くと、自分自身気付いていなかった心の暗部と向き合わざるを得なくなり、 それをさらけ出すことになりかねない。 劣等感とか、 他者には当り前のように与えられているものが自分には与えられていないと感じる時とか、 普通の人達の型からはみ出してしまうとか、 自分ではその流れをどうにもできないとか、 この人さえいなければ自分は生きやすいのにとか、 …そんな時に、人は多分自らの内部に毒を貯めていってしまうのだと思う。 私自身も、生きていく中でそんな思いを抱くことが少ないとは言えない。多い方かもしれない。 でも、周囲の人に恵まれて、 少しづつ毒を浄化してもらいながら生きている。感謝。 それから、楽天的な自分の気質にも随分助けられていると思う(笑)。 宮部みゆきは、重苦しい内容を扱っていても読後感が良い。 納得いかない結末がなくて、 根底に優しさとちょっとの希望が流れているせいかな。
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面白かった。宮部氏の訴えたいことは分かるのだが、あれもこれも詰め込みすぎたせいで印象が薄くなった。そんな読後感だった。巷に毒があふれている。いくら潔癖に対処しても毒は音もなく幸せな人々に忍び寄る。毒から身を守るために何をどうしたら良いのか?一つの毒をやっつけても、また別な毒が進入...
面白かった。宮部氏の訴えたいことは分かるのだが、あれもこれも詰め込みすぎたせいで印象が薄くなった。そんな読後感だった。巷に毒があふれている。いくら潔癖に対処しても毒は音もなく幸せな人々に忍び寄る。毒から身を守るために何をどうしたら良いのか?一つの毒をやっつけても、また別な毒が進入してくる。恐ろしい世の中になった。しかし、優しい人間も大勢いるのも、この世の中だ。いずみのような質の悪い女でもこの世で生きていけるのは、周りに優しい人間が居たからであろう。読み終わって気になったのは、杉村は探偵家業を継ぐのかな?
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悪ではない、毒。 つまされると感じることが辛い。 誰しも持っているなら、使い方ひとつということだろうか。 主人公は無毒な存在だが、なんだか同調はできない。 私も毒を持っているということかー。 読了:20120918
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前作の「誰か Somebody」よりも、誰でも持つ病的な黒さが際立っていて、ここ数年読んだ中では一番好きな作品です。最終作の「ペテロの葬列」も早く読みたいですね。ちなみに、前作と今作は文春文庫で読みましたが、次はそこまで待てそうにないです(笑)。
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思っても思っても、届かなかった。無理だった。いったい世の中にそんなことがあるのかと、空白のような心でそればかり考えた。 丘を越えて 行こうよ 真澄の空は 朗らかに晴れて 楽しい心 鳴るは胸の血潮よ 讃えよ我が青春を いざ行け 遥か希望の 丘を越えて
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テンポが良くて読みやすかった。 でも、途中、ある登場人物が出現した時点で、明らかにキーマン=犯人というのが分かってしまい、それからは若干間延び。
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読んだことないはずなのに、読んだことがあるような既視感に「???」と思っていたら、「誰かsomebody」の続編、もしくはシリーズ物だったのですね。
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【出会い】 出張の差し入れに同僚から。 【概要】 シリーズもののようです。 【感想】 キャラクター造形がしっかりしていたからか、勢いで読めた。 2つの事件が並走して結局それらの間に関わりらしいものはなかったようで、アレッという感じ。
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二つの筋が交錯する宮部作品。作りとしては火車に似ているが、火車ほどの面白さがなかった。ラストもいまいちしっくりこない。私にはひまらなかった宮部作品である。
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