名もなき毒 の商品レビュー
タイトルが秀逸。 京極さんが伊右衛門でかいたあの黒くどろっとした塊を現代に持ってきた感じ。 黒さが薄れたぶん怖さが増す。 こんな人達、きっと赤の他人ではなくいつどこで出会ってもおかしくない人だもの。 厚さが気にならないくらい一気に読めました。 宮部みゆき恐るべし。
Posted by
厚い本、重いテーマ。 小説では殺人犯に同情的なものが有るが(被害者は殺されて当然の悪いヤツ、加害者は仕方なく殺した…など) やっぱり悪いのは犯人だよな。
Posted by
人の持つ毒、悪意に焦点を当てたこのシリーズ。飲料に毒が仕込まれた無差別殺人事件を中心として、主人公が出会う弱さと危うさを抱えた人間達。物語の構造はミステリーなのだろうけど、人間ドラマの部分がとにかく抜きん出ていて、胸を打たれた。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
初めての宮部作品。 連続した無差別の毒殺事件と杉内の会社にいたトラブルメーカーの原田いずみの大きな二つの物語が並行して進んでいきます。 このふたつの話がどのように交わるのかわくわくしながら読んでいましたが、とてもきれいにという感じではなく残念でしたが、意外な交わり方をしたのが印象的でした。 外立に関してはその毒の正体や経緯なども分かったのですが、結局原田いずみの毒の原因は何だったのかが分からず、モヤモヤが残ってしまったのが残念です。 キャラとしてはこちらのほうが立っていただけに、もう少しバックグラウンドが知りたかったです。
Posted by
名もなき毒というタイトルが秀逸 人間にはびこる毒をあぶり出す作品 最終盤の緊迫感は、模倣犯のラストみたいで、それがからに立体的で、すばらしかった。 その毒の名は何だ。獣が捕らえられ、ライオンという名が与えられた時から、人間はそれを退治する術を編み出した。名付けられたことで、姿なき...
名もなき毒というタイトルが秀逸 人間にはびこる毒をあぶり出す作品 最終盤の緊迫感は、模倣犯のラストみたいで、それがからに立体的で、すばらしかった。 その毒の名は何だ。獣が捕らえられ、ライオンという名が与えられた時から、人間はそれを退治する術を編み出した。名付けられたことで、姿なき恐怖に形ができた。形あるものなら捉えることも滅ぼすこともできる。 私は我々の中にある毒の名を知りたい。 毒の名は何というのだ。 宮部さんは本当にすごい。
Posted by
毒物による殺人事件が発生する。しかも連続で。サラリーマンの主人公は部下のトラブルに巻きこまれていく。そして、これらの事件が見事に絡み合っていく。登場人物も個性あり、面白かった。また、土壌汚染の問題は今まで経験がないので、勉強になった。
Posted by
宮部みゆきの本は初めて読みました。 どの様に話が展開していくのか楽しみでした。 ストーリーの展開がメインと伏線と張られていて 楽しく読めた。 サスペンスストーリー面白かったです。
Posted by
宮部みゆきさん「名もなき毒」読了。杉村三郎シリーズ第2弾。広報室で雇ったアルバイト原田いずみはトラブルメーカだった。解雇された彼女の連絡窓口になった杉村は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。街では無差別と思われる連続毒殺事件が注目を集め、次第に杉村も関わることに。。敏腕刑事...
宮部みゆきさん「名もなき毒」読了。杉村三郎シリーズ第2弾。広報室で雇ったアルバイト原田いずみはトラブルメーカだった。解雇された彼女の連絡窓口になった杉村は、経歴詐称とクレーマーぶりに振り回される。街では無差別と思われる連続毒殺事件が注目を集め、次第に杉村も関わることに。。敏腕刑事や残虐な犯人とは無関係な杉村たち登場人物によって、日常的な生活が描かれる。杉村家の引越しとシックハウス症候群、原田のクレーマーぶり、被害者の犯人調査を通して人間の持つ「毒」を考えさせる内容。次作の「ペテロの葬列」も読みたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
普通の人がもつ毒の衝撃が強いはずなのに、 光差すあたたかさがそれを超えるいい余韻。 土地内の汚染の説明はやや退屈。 後半、間をあけて読んだため相関図うすまってしまっても飽きず。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
模倣犯シリーズは好みではなく、宮部みゆきから離れるのかもしれないと思っていたところ、また大ファンに戻りました。火車や理由のような面白さがよみがえりました。 杉村の境遇は、いつもの主役が心に持つ傷と同じ類の重さがあって、同情しながら寄り添って読んでいけます。 生まれながらの嘘つきという犯人に衝撃を受けました。 よくこんな人物を作り出すなと感心しきり。 やっぱり宮部みゆきからは離れられません。
Posted by