計画と無計画のあいだ の商品レビュー
ミシマ社の本が好きで、読んでみた。 こういう熱を届けようとしてくれる出版社があることが嬉しいし、これからも応援していきたい。 ・保身から発する言葉が、人を動かすことはけっしてない。 ・強さは幻想でしかなく、弱さだけが本物だ。 ・会社を回すために、「売る」ことが目的化してしまって...
ミシマ社の本が好きで、読んでみた。 こういう熱を届けようとしてくれる出版社があることが嬉しいし、これからも応援していきたい。 ・保身から発する言葉が、人を動かすことはけっしてない。 ・強さは幻想でしかなく、弱さだけが本物だ。 ・会社を回すために、「売る」ことが目的化してしまっては ものづくりの原点から離れてしまう。ものづくりの原点は「喜び」の交換のはずだ。 ・「計画と無計画のあいだ」を揺れ動いているとき、人は初めて自由を感じうる。そして揺れ動く二つの感覚が広ければ広いほど、自由度は高い。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
原点回帰の出版社・ミシマ社の社長が、まだ成功したとは言えない設立5年目の時に敢えて書いた、自社の事についての思いをつづった本。正直、最初は「ふうん」くらいの感じで読んでたんですが、途中からはホント心に刺さる言葉のオンパレードでした♪ マーケティングや事業計画はもちろん大事ですし、理屈や理性に基づいて行動した方が確かにリスクの少ない人生は送れる気がします。少なくとも、暴走は誰も幸せにはしないと思います。ただ、自分の中で湧き上がる感情に対しては嘘をつきたくないし、またその際は、「どうしたら上手くいくか」ではなく、「どうしたら相手が喜んでもらえるか」という問いかけを自分自身に対して行った上で行動していきたいと思います。
Posted by
図書館。 ずっと読みたかったのに忘れていた本。 ミシマ社の代表が会社を作るまでと、作るに至った志、作ってからのもろもろについて書かれた本。 そのあたりは面白く読めた。 東日本大震災直後、とある人から「ミシマ社は放射能から逃れるために京都に本社を移したんだって」と聞いた。 自分を...
図書館。 ずっと読みたかったのに忘れていた本。 ミシマ社の代表が会社を作るまでと、作るに至った志、作ってからのもろもろについて書かれた本。 そのあたりは面白く読めた。 東日本大震災直後、とある人から「ミシマ社は放射能から逃れるために京都に本社を移したんだって」と聞いた。 自分を守るため、社員を守るために取ったその行動(と勝手に想像した)に驚いたもののシンパシーは感じず、得体のしれない、説明不能のもやもや感を感じていた。 そうはいいつつ、書店で見かけて「いいな」と思ったらミシマ社の本だったというのは多々あったし、売れてる、評判がいい本がミシマ社だということもよくあった。でもなんだかもやもやは消えない。 本書には、東京への一極集中にギモンを持ったことが京都への移転のきっかけと書かれていた。途端にそのモヤモヤ感がなくなった。単純だけど。 本が好きな人、本を作る末端を担っている人のはしくれとして、とてもとても共感したし、職場をのぞいてみたい気持ちになった。 だけど、終盤はちょっと飽きました。
Posted by
一冊入魂に至るまでのエピソードが本当に愛しかなくて涙出た。感覚を信じられなくなった時、足が止まってしまった時にもう一度読み返そうと思う。
Posted by
ミシマ社の代表が書いた一冊。 同社の名前は内田センセイの『街場の教育論』『街場の中国論』で知っていたけれど、こんな熱い出版社だったとは知らなかった。取次店を通さず、書店に直接卸し、自作のPOPで本を売り出すという同社のスタイルは、従来の出版・流通常識を覆すもの。その原動力になって...
ミシマ社の代表が書いた一冊。 同社の名前は内田センセイの『街場の教育論』『街場の中国論』で知っていたけれど、こんな熱い出版社だったとは知らなかった。取次店を通さず、書店に直接卸し、自作のPOPで本を売り出すという同社のスタイルは、従来の出版・流通常識を覆すもの。その原動力になっているのは、ブンダン(分断)主義を嫌い、人間を信じるという原点に回帰し、一冊入魂で本を作るという熱い思い。頑張れ、ミシマ社!
Posted by
働くってなんだろうシリーズ。スケールを追わないって怖い部分もあるんじゃないかなと思って手に取った。 感覚的な本。会社立ち上げはもちろんありえないようなエラーも頻出するわけだけど、そういう「初めて」の経験は楽しむべきことだって明るさが本からは感じられる。そりゃ当時は大変だったんだ...
働くってなんだろうシリーズ。スケールを追わないって怖い部分もあるんじゃないかなと思って手に取った。 感覚的な本。会社立ち上げはもちろんありえないようなエラーも頻出するわけだけど、そういう「初めて」の経験は楽しむべきことだって明るさが本からは感じられる。そりゃ当時は大変だったんだろうけど。 分断主義による局所局所での最適化が実は全体としての非効率に繋がっているよねって問題意識はその通りだなと思った。「仕事に血が通っているか」って言葉が印象的。 出版社は新規参入が難しく新陳代謝が起きない 知らず知らずのうちに経験でカバーするクセが身につき、未経験への挑戦に対し、臆病になっていた できない絵を描いてしまうクセがついていた 人間である以上血の通ったものに反応する 未来につながる仕事でありたい 最初に非効率をとることで結果として効率が生まれる できるだけ人は増やさない サプライチェーンを経る毎に、本来は熱量は付け足されないといけないのに、そぎ落とされてしまう 料理は温かいうちにお客様に届けられた方がいいに決まってる 分断主義と効率主義が逆に効率を妨げてる マーケティングの発想は分断主義の最たるもの そもそも問の立て方がどうしたら売れるかではなく、どうしたら喜んでもらえるか
Posted by
ミシマ社の社長さんが語る、小さな出版社、ミシマ社がどのように生まれたか、どのような思いで本を作っているかが書かれている。そのゆるいけれど攻めの姿勢、常識に縛られないさまは読んでいて清々しい。 以前からミシマ社の本は書店で手に取る率が異常に高くて、不思議に思っていました。この本を読...
ミシマ社の社長さんが語る、小さな出版社、ミシマ社がどのように生まれたか、どのような思いで本を作っているかが書かれている。そのゆるいけれど攻めの姿勢、常識に縛られないさまは読んでいて清々しい。 以前からミシマ社の本は書店で手に取る率が異常に高くて、不思議に思っていました。この本を読んでみて、本に込められている「熱量」が高いせいだとわかり納得です。やれマーケティングだターゲットだとクソみたいなことに振り回されている人々が多い中、これからも素敵な本を作り続けてほしいと思います。
Posted by
この本は良い本を作って誰かに届けたいという思い。 その決意を実現するための思索と行動。 そして本日のサポメのテーマでもあった 「仲間たち」との仕事を通した交流を描いた一冊です。 三島さんはある日大手出版社を飛び出し、 自分の出版社を作ることを思いつきます。 その時の気持ちが書か...
この本は良い本を作って誰かに届けたいという思い。 その決意を実現するための思索と行動。 そして本日のサポメのテーマでもあった 「仲間たち」との仕事を通した交流を描いた一冊です。 三島さんはある日大手出版社を飛び出し、 自分の出版社を作ることを思いつきます。 その時の気持ちが書かれた文章があるのですが、 何ともいい感じです。 『何の前触れもなくある日、出版社を作ろうと思いついた。そして思いついた途端、目の前には驚くくらい前日までと違う光景が広がっていた。目にする草木はもちろん空気さえもキラキラと輝いて目に飛び込んでくる。自転車で何度となく通っても特に何も感じることはなかった都内の道なんかも急にいとおしく思えてくる。そして僕はやがて気がつくこれは何も特別な知識ではない。むしろこっちが普通なのだということを。裏を返せば勝手な僕は普通の景色さえ見ることのできない状態になっていたのだ。おそらくバラバラになりすぎていたために。バラバラだったボクは一部分だけを見て怒り、悲しみ、それだけがすべてのとらえていた違いない。自分で自分の小さな世界に閉じ込め苦しんでいたのだ。出版社を作ると決断した瞬間、僕は世界そのつながりを回復した。。そう、つまりは力を未来へ向けてやるだけで、自分の中の世界の扉はぱっと開くものなのだそうなると必然思考も伸びやかになる相手悪く言えば大胆になる。 』 まさに勇者の旅立ちです。 夕陽の前で立ち尽くす ルーク・スカイウォーカーのシーンを連想しました。 旅立ちのきっかけとなる思いって突然やってきますよね。 不思議なことです。 これだけを読むと三島さんという人は ポジティブで行動的な人のように思えるかもしれません。 だけどそれだけの人ではありません。 出版社を作ろうと思うまでの 三島さんの状況はかなり大変だったようです。 精神的にも経済的にも。 「バラバラだった僕は一部分だけ見て怒り悲しみ、それだけがすべてだととらえていたにちがいない。自分で自分を小さな世界に閉じ込め、苦しんでいたのだ。出版社をつくると決断した瞬間、ぼくは世界とのつながりを回復した」 ポジティブで行動的であることは素晴らしいことです。 だけどそれだけでは感じられない思いはたくさんある。 そんな悲しみや弱さを知っているからこそ 人のこころに届くなにかを作り出すことが出来る。 「強さは幻想でしかなく、弱さだけが本物だ。」 そして三島さんは共に働く仲間たちを とても魅力的に書いています。 悲しみも弱さもだらしなさも そして強さも持っている仲間たちです。 どんな人たちなのだろうと気になる方は 是非この本を手にしてみてください。 三島さん自身 この本を成功ストーリーとして描いたものではないと書いています。 現在進行形での”もがき ”の記録であると。 確かに高いところに登り着くまでの途中経過的な本ですね。 出版事業という旅の途中で 三島さんが得たいくつかの気付き。 その中のいくつかが 僕にとってとても響いたし”熱”を感じたのですね。 その”熱”は確かに小さいけど 僕の中で発火したような気もする。 そんな気持ちにさせてくれたこの本、 手放せない一冊になってしまいそうですね。 ズバリ、オススメの一冊です。 「山?この原っぱのどこににそんなものがあるの?」 「あるよ。あちこちに。 見えないとしたら、それは檻の中に閉じ込められているからだよ。 それも気づかないうち、知らず知らずに。 けれど檻の中にいるのも、檻の外に抜けるのも 本当は自由なんだよ 思考という野生の力は 自分を檻の中に閉じ込めることできれば そこに山や木々を作って 高い所や低い所、自由自在にいろんなところから 広い世界を見渡すこともできるんだ」
Posted by
ゆる〜〜い本。 図書館で見つけて流し読み。 矢萩多聞さんの本で絶賛されてたら手元にあった。笑 2時間ぶっ通しで本を読んでたから、もっとゆっくりしてる時に読みたい。 「気は抜いても手は抜くな!」ってこの会社のことなのかもな。わたしは良いと思う。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
自分に嘘をつかずに生きている人は素敵だと思った。 文体にもそれが表れている気がする。飾らないそのままの平易な言葉で綴られた小さな出版社の道のり。ユニークなスタッフのエピソードに吹き出しつつも、すごく大事なことを実践している会社だと思った。入りたい。 ・自社製タイヤを持つ。タイヤの形になっていなくても、成長していくタイプのタイヤでありさえすればよい。 ・数字を気にしない ・ちゃぶ台を囲んだミーテイング。 ・宿を決めず、PCを使わない「感じる身体を作る」合宿 ・野生の感覚を磨く ・あらゆることを「100年やるため」という視点から発想する。数年もたせるためのやり方はとらない。 ・できるだけ小さな規模で運営することにより、一冊に込める熱量を凝縮させる。 ・「ブンダン主義」 ・データは重視するが、最優先すべきは、どれだけ面白いか、どれだけ熱くなれるか ・入魂する魂の総量が結果の差となる ・ものづくりの原点はあくまでも「喜び」を交換すること すごく共感した。でも自分にはできていないことばかり。いきなり全部でなくても、少しずつでも変えていきたい。
Posted by