要介護探偵の事件簿 の商品レビュー

中山七里【著】

2013/04/21

さよならドビュッシー、の開始早々に派手に消えてしまった玄太郎おじいさんを主人公にしたスピンオフ。短い登場だったが、強烈な印象を残した。やっぱ、ド迫力で面白い。短編集でちょっとばらつきがあるけど、特に車椅子レースは圧巻。そして、最後は・・・
なんとも切なくなります。

2013/04/17

「さよならドビュッシー」のおじいちゃんが主人公の短編集です。
5つのお話があります。
最後のお話には「さよならドビュッシー」の岬洋介が登場します。
このお話の事件が解決して、おじいちゃんと岬洋介が別れた後に、
さよなら…の事件が起こるのかな？という設定で終わっています。
全体的に、さっぱりしたストーリーで、トリックなどにも奇をてらったところなどなく、他のシリーズのお話に比べたら、物足りないかな？という気もしましたが、番外編だから、こんなものかもしれませんね。

2013/03/03

下半身は不自由だが頭と口は人並み以上に元気な老人が関わることになった事件の数々。
とにかくこの主人公が古き良き頑固ジジイで楽しい。不動産会社の社長で金と権力（有力者とのつながり）があるのでやりたい放題である。身近にいたら閉口するかもしれないが、自らの信じるところを猪突猛進で突き進み、誰に対しても遠慮せず怒鳴りまくる様は爽快である。
また、第１話目は自分が分譲した土地で起きた殺人を調査するというわりと普通の話だが、話が進むごとにどんどん派手になって面白い。
読了後、『さよならドビュッシー』とリンクしていることを知ったので、こちらも読んでみたい。

2013/02/21

著者は後悔しているだろう、この主人公を前作であっさり殺してしまったことに。生かしておけば、岬洋介シリーズのスピンオフとしてあと何作かはひねり出せただろうに。読者としても残念だ、貴重なキャラクターがひとり消えてしまったことに。
しかし、この著者の蘊蓄はすごい、どの作品もディテールがオタクの領域に達している。

2013/02/14

脳梗塞だったかなんだかで倒れちゃって死ぬと思われていたワンマン社長のじいちゃんが執念深く息を吹き返した。ただ、後遺症で下半身不随で車椅子。
普通ならショボンとなるところをこのじいちゃんは言いたい放題のやりたい放題。
近くにこんなにやかましいじいさんがいると辟易するけど、あまりにも正論でブレがない考え方にスカっとしてしまいます。
真摯に生きるというのはこういうことかな？
車椅子のレースの話とか感心します。競技用の車いす。ものごっついカスタマイズしたりするんですよ。
勝つことにこだわるのっていいことだと思いました。

2013/02/13

脳卒中で倒れてから下半身が動かず、車椅子生活をするおじいさんが、かなり口悪く、人使いが荒いけど、義理人情に厚いひとで、街で起こった事件を解決していく。古き良き時代のお節介な人みたいで、他人に対して本気で怒れる人で、こんな人がいたらいいな、と思った。読んでいて気持ちよかった。

2013/02/03

さよなら、ドビュッシー、に出てきたおじいさんと介護士が活躍するミステリー。
こういう頑固なおじいさんは苦手だ。
岬先生が出て来たのでちょっと和やかになった。
最後は少し悲しい。そこからあの事件になるんだな、と。

2012/11/13

「さよならドビュッシー」で登場する玄太郎社長が介護人のみち子とともに事件解決に奔走(暴走？)する物語。切れ味鋭すぎる玄太郎氏の言動や行動は唯我独尊を地で行くものだけれど、その心中の潔さは眩くて羨ましいくらいのものです。玄太郎氏の舌峰は甘えを許さないものだけれど、面と向かって他人にあれだけ諭せる大人が今はどれくらいいるだろうか、と思う。終盤の弱気な氏には切なさを感じさせられます。
そして「ドビュッシー」を読んだあとに読むと、なんだかずっと寂しい思いを抱えつつ読むハメになります。とはいっても、このあとに「ドビュッシー」を読むほうが、よほど衝撃は強いかなあとも思うのです。なんだかとても罪作りな物語だと思いましたよ。だってこんなにいとしい登場人物たちなのに、なのに…。泣けてきます。

2012/11/10

玄太郎さんが自分のお祖父ちゃんだったら嫌だな(笑)

警察官やゴマ擦ってくる連中に一喝するのは、読んでいてスカッとする。
けど(『〜最後の挨拶』の犯人が言うように)皆が玄太郎さんみたいに強く生きられるわけじゃないからなぁ。

最後の「〜ドビュッシー」への布石が切ない。

2012/12/23

〈内容〉22万部突破、俳優・妻夫木聡さんも絶賛『さよならドビュッシー』に登場した玄太郎おじいちゃんが主人公になって大活躍！　脳梗塞のため車椅子に乗った大手不動産会社社長の香月玄太郎。彼が所有する土地の家から死体が見つかった。完全密室の状況であり、捜査は暗礁に乗り上げてしまう。警察が頼りにならないと感じた玄太郎は、介護者のみち子を巻き込んで犯人探しに乗り出す！　ほか、高齢者ばかりを狙う通り魔の謎や、銀行強盗犯との対決など、要介護探偵の名推理が冴え渡る連作短編集。