要介護探偵の事件簿 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ハチャメチャ! こんな漲った72歳、しかも車イス老人。存在するか? 居たら勿論楽しい。ワクワクする・・・。 【あらすじ・冒頭のみ】 ①要介護探偵の冒険 「こんな不味いメシが食えるかあっ」嘘の名古屋コーチンに激怒し膳をひっくり返す72歳、車イスの香月玄太郎。そんな彼が所有する土地の隣接地で人が死んだ。 ②要介護探偵の生還 玄太郎が倒れた。自分のオフィスで電話中だった彼が、いきなり床に昏倒したのだ。脳梗塞が原因で後遺症が残るという。息子たち、その嫁、長女がすぐに駆けつけてきて手術に同意した。 ③要介護探偵の快走 庭に作った舗装路で車イス競争をする玄太郎と次男の研三。「新車」の玄太郎が圧勝するが、「賞品」を出すと約束していたが、玄太郎が譲ったのは、今、研三が乗っている玄太郎のお古の車イスであった。 ④要介護探偵と四つの署名 銀行が計画停電を予定していたその日、閉店間際、ちょっと銀行に寄ったのは玄太郎が現金を引き出すのが好きだったから。しかし、シャッターが閉まり切るすんでのところで店内に転がり込んで来た四つの人影は・・・。 ⑤要介護探偵最後の挨拶 玄太郎はピアノ弾きという肩書きの入居希望者の面接をした。岬洋介と名乗ったその青年は透き通った目をしていて、海軍の青年将校を思わせるほど姿勢が良かった。その面接の余韻に浸っているとき大物政治家の訃報が入ってきた。 この手ごたえ。中山千里にもハマってしまうんだろうな。
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はじめは強烈なおじいちゃんという印象ばかりが強いのですが、しだいに玄太郎さんの魅力が分かってきて大好きになりました。これが『さよならドビュッシー』につながると思うと切ないです。
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「要介護探偵の冒険」 「要介護探偵の生還」 「要介護探偵の快走(チェイス)」 「要介護探偵と四つの署名」 「要介護探偵の最後の挨拶」 の5編からなる短編集。タイトルにシャーロックホームズを感じますね。 快走は回想のもじりなのかな? 『さよならドビュッシー』で登場していた玄太郎さ...
「要介護探偵の冒険」 「要介護探偵の生還」 「要介護探偵の快走(チェイス)」 「要介護探偵と四つの署名」 「要介護探偵の最後の挨拶」 の5編からなる短編集。タイトルにシャーロックホームズを感じますね。 快走は回想のもじりなのかな? 『さよならドビュッシー』で登場していた玄太郎さんが大活躍。 そちらでは少ししか出てこなかったのであまりわからなかったけど、その我儘っぷり、言いたい放題っぷりにちょっとイラっとした。 1編目で読むのをやめようかなと思ったのだが、これがなぜか、そのうち痛快な気持ちに変わってくるのだ。 その通り、もっともだ、と。 まあ、周りにいたら振り回されてばかりなんだろうけどね。 『さよならドビュッシー』の登場人物も出てくる。 この後は…と考えると切ない。
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『さよならドビュッシー』で、強烈な個性を放っていた香月家のおじいちゃん、香月玄太郎が探偵役を務める短編集です。 要介護状態になりながらも、事件解決に向けて奮闘する姿と人を想うが故の言動は、例えフィクションだとしても胸を熱くさせるものがありました。 収録作それぞれに、意外性のあ...
『さよならドビュッシー』で、強烈な個性を放っていた香月家のおじいちゃん、香月玄太郎が探偵役を務める短編集です。 要介護状態になりながらも、事件解決に向けて奮闘する姿と人を想うが故の言動は、例えフィクションだとしても胸を熱くさせるものがありました。 収録作それぞれに、意外性のある結末が用意されているのでミステリとしても面白く、長編だけでなく短編でもその才能が遺憾無く発揮されています。 『さよならドビュッシー』の登場人物が、何人も登場するのも嬉しいですね。 最終話で見られる趣向は切なく、『さよならドビュッシー』を読んでいると、更に大きな余韻を残すのではないでしょうか。
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おもしろかった 頑固親父探偵の短編集。要介護高齢者の必要があるのかどうかってなことを問わず、楽しくストーリーを追えば良い。 何というどんでん返しってな趣はないけれど、時間を忘れて読書を楽しめることは間違いなしかな。
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痛快!パワフル!実直!な車椅子の玄太郎お爺様が、お金と権力と類まれな推理力で事件を解決するお話。 怒りっぽくて怒鳴るし我儘だし、でも面倒見が良く実は優しく... 要介護探偵と四つの署名のラストで、「玄太郎も中指を立てて応えた」のがツボに入りました笑 岬先生が出るお話もあり楽...
痛快!パワフル!実直!な車椅子の玄太郎お爺様が、お金と権力と類まれな推理力で事件を解決するお話。 怒りっぽくて怒鳴るし我儘だし、でも面倒見が良く実は優しく... 要介護探偵と四つの署名のラストで、「玄太郎も中指を立てて応えた」のがツボに入りました笑 岬先生が出るお話もあり楽しかったのですが、皆さんの感想にもあるように、ここから「さよならドビュッシー」に続くのかぁ...うーん...
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さよならドビュッシー エピソード・ゼロ! 香月玄太郎が、介護ヘルパーを引き連れて、豪快に謎を解く、5篇の短編集。 反骨精神をモットーに、香月玄太郎は、不動産会社を興し、成功を収めた。 脳梗塞で倒れた玄太郎は、下半身と両手指、言語中枢への後遺症を、不屈の精神と、介護ヘルパー・綴...
さよならドビュッシー エピソード・ゼロ! 香月玄太郎が、介護ヘルパーを引き連れて、豪快に謎を解く、5篇の短編集。 反骨精神をモットーに、香月玄太郎は、不動産会社を興し、成功を収めた。 脳梗塞で倒れた玄太郎は、下半身と両手指、言語中枢への後遺症を、不屈の精神と、介護ヘルパー・綴喜みち子の協力を得て、克服した。 下半身が不自由で「要介護」認定を受けてはいるが、頭の回転が早く、口は達者。 《要介護探偵の冒険》 玄太郎が分譲した土地で建設中の家の中で見つかった、完全密室殺人事件。 《要介護探偵の生還》 玄太郎が通うリハビリ施設で、あわやのところで殺人を食い止めた、殺人未遂事件。 《要介護探偵の快走》 町内の老人ばかりを狙う、連続通り魔事件。 《要介護探偵と四つの署名》 犯人達との攻防が見事な、銀行強盗事件。 《要介護探偵最後の挨拶》 我らが岬洋介の協力を得て、解決した、国会議員毒殺事件。 5篇目が、「さよならドビュッシー」の直前の話で、この後の進展を知っているので、読み進めるのが、複雑な心境。
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おじいちゃんは何事にも、誰に対しても裏表なく正直だ。潔くて気持ちいい。こういうキャラは大好き。最後は「さよならドビュッシー」に続くんだなと思うとちょっと寂しくなる。
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筋の通ったおじいさん、嫌いじゃない。むしろ好き。 でも他人を大声で叱責するとき、身内の居た堪れない気持ちは本当につらい。 その内容が正しいとか間違いとかそういうことじゃなく、周りのなんだなんだ?という驚きの目と嫌悪感が怖い。 うちの爺さんも反射的に外でも怒鳴る人だったから、幼心に...
筋の通ったおじいさん、嫌いじゃない。むしろ好き。 でも他人を大声で叱責するとき、身内の居た堪れない気持ちは本当につらい。 その内容が正しいとか間違いとかそういうことじゃなく、周りのなんだなんだ?という驚きの目と嫌悪感が怖い。 うちの爺さんも反射的に外でも怒鳴る人だったから、幼心に恥ずかしくて申し訳なくてしんどかった… それに玄太郎さん本人は敵を作りまくってもいいんだろうけど、その恨みつらみが子や孫に向く可能性は考えてるのか? 誘拐とか暴行を受けるとか、まだ幼い身内が酷い目に遭うかもしれないのに、思いのまま感情を爆発させて生きてきたことは理解できない。 まあそんなことを感じつつも話はとても面白かったし、「さよならドビュッシー」の前日譚としても補完できた。 リハビリのつらさに、そこまでして回復させることに意味はあるのかと段々疑問に感じていたら思わぬ結果になったり。 車椅子レースは、タイトルから想像したのとは違う話でいい意味で予想を裏切られて嬉しかった。 岬先生のシリーズを読み通したらまたこちらにも戻ってきたい。
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孫のルシアという名を見かけて、あれ?さよならドビュッシーとつながってるのかなと思った。玄太郎おじいちゃんの正論には耳が痛くなった。最後の玄太郎おじいちゃんと岬さんの別れのシーンは、なんというか切なさを感じた。
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