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神様2011 の商品レビュー

3.9

114件のお客様レビュー

  1. 5つ

    32

  2. 4つ

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2013/09/16

収録作品は「神様」と「神様2011」。一瞬木で鼻をくくったような内容に戸惑いも。短いし何のこっちゃっ。それでも次第に熊との自然な関わりがじんわり伝わってくる感覚が何だか凄くよかった。原発事故後の2編目も静かな怒りが心に深く染みた。

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2013/09/15

2013.9.15 前から『神様』好きだったけど、2011が出てるのは知らなかった。 書かずにはいれなかったんだろうな。たんたんとしていて、良い。

Posted byブクログ

2013/09/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2011年3月11日東日本大震災。 直後、「被災地に対して、自分のできることをする」が流行った。 正しいと思う、でも、選択肢は多くなかったと思う。 被災地で身体を使い救援にあたるか、多めのお金を出すか。 実質的にはこの二つしかなかったと思うんだけど、なぜか芸術系のひとたちの「被災地の人を歌で励ます」的なものが流行って、関東の片隅で、自分は、首を傾げながらも、銭湯に行ったり計画停電に備えたり、自分としてはかなり多めの募金を振り込んだりしていたのだった。 「結果として励ますことになる」なら良いのだけれど。 川上弘美はもちろん違う。 励ましでもなく、説教でもない。 川上弘美の「神様2011」は、1993年に書かれた「神様」を書き直したもの。同じお話である。 川上弘美らしい、異空間に読者を連れて行く書き出しは変わらない。 「熊にさそわれて散歩にでる」。 しかし、散歩に出たはいいが、2011年では、それが、放射線量マイクロシーベルトを気にしなければ成り立たないものと変わってしまっていた。 これは結構、心を抉られる。 これは物語内の日常が変わっただけじゃなく、現実の日常が本当にこうなったわけだから。 福島だけではない。 新聞には毎日、各都市の前日のマイクロシーベルトが掲載されている。 これが2011年3月11日から変わってしまった、私たちの日常だ。 東日本大震災以前に戻ることはできないけれど、では、私たちはこれからどうしたらいいのか。 自分はどうするべきなのか。 いつの間にか異界へ連れ去られている、川上弘美の作風色濃いふうわりとした物語に、大変大変重いものを突き付けられた感じがする。 私は、放射線量を気にして日常を送りたくはないし、どの人にもそんな日常がこれから起こらないよう、ちゃんと考えたい。

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2013/08/04

前作ができた1993年は私が生まれた年で、「あのこと」がこんなにも風景を一変させてしまったんだなと感じた。『神様』と『神様2011』を読み比べることで、その変化が一層浮き彫りになった。それでも生きるということを熊の神様が静かに投げかけているように感じた。

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2013/07/26

くまさん・・・ こういう書き方しなくてもいいじゃないの。と思う。 真摯な取り組み方なのかも知れないけど、わたしはイヤ。

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2013/04/20

「くまにさそわれて散歩に出る。」 想像をかきたてる印象的な冒頭。 ほのぼのとしているのに、どこか切ない雰囲気のただよう不思議な物語。 「あのこと」以前には、非日常とされていたことが日常になってしまう哀しさ。慣れてしまうことの恐ろしさ。

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2013/04/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「わたし」と近所に引っ越してきた「くま」の日常、とある一日のお話。 場面を想像したり、どういう背景なのか考えてみたり、そういう風に読んでいく作業が面白い1冊。 くまは人によってきっと想像が違うだろう。私はリアル熊(ヒグマ)で読んでいた。歩く時も四足歩行。でもそれをぬいぐるみのようなクマで、二本足で歩いてる場面を想像してる人もいるかもしれない。 後半はまったく同じ1日を震災後の1日にしたお話。 同じ事をしている1日なのに、悲しくなった。 あとがきの神様についての部分がとても好きだ。

Posted byブクログ

2013/03/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

クマに誘われて散歩するというデビュー作「神様」。 震災後にこのデビュー作をあらためて書いた作品「神様2011」。 「あのこと」について語られるあとがき。 短いお話なのですぐに読めます。 クマと散歩という非日常の世界。 なのに、「神様2011」のほうでは震災以来、否が応でも関わることになってしまった原発事故の影響が日常として描かれています。 防護服、被爆累積量、飛散塵堆積量、プルトニウムなどの言葉が散りばめられたほのぼのした作品は、平穏な日常が何かのきっかけで変わってしまう怖さを訴えています。 手に負えない領域とわかっていながら目先のエネルギー利用を優先してきた結果、起こってしまった放射能被害。政府の出す楽観的にもとれる予見に違和感を感じずにはいられません。 この取り返しのつかない異常な現実を認め生きていくことを考えるのにとてもわかりやすいお話だと思います。子供たちにも読んでほしいです。

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2013/02/09

「くまに誘われて川原まで散歩に行く」1993年に書かれた短編と同小説の2011年(震災後)バージョンの2編を掲載。川原に子供はいなくなり、取った魚を食べることはできず、被曝料を日々チェックする日々。それでも日常は続いていく。とても短い物語ですが、突きつけられる内容は深く、重い。

Posted byブクログ

2013/01/31

ほんとうに、日常は無情にも続いてゆくし、どこにぶつければ良いのかも分からないもやもやが消えることもない。 ただ、生きるということは、希望を失わないこと。

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