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神様2011 の商品レビュー

3.9

115件のお客様レビュー

  1. 5つ

    33

  2. 4つ

    29

  3. 3つ

    31

  4. 2つ

    2

  5. 1つ

    1

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2012/07/28

人間は自然界にはほとんど存在しないものを集め、加工し、それでもって自然を破壊し、これからも同じ過ちを繰り返す可能性があることを、静かに伝える作品だと感じた。

Posted byブクログ

2012/08/03

デビュー作の神様自体が未読だったので、続けて間違い探しをしながらの読書。「神様」は心にスッと落ち着く話だったけれど、「神様2011」はガイガーカウンターという単語ひとつで、ものすごい違和感が残った。 図書館で借りたけれど、手元に置いておきたい本。

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2012/06/09

「3.11」が起きてしまう以前に書かれた「神様」と後に書かれた「神様」というふたつの短編が収録されています。後の方はただ切なくて涙が出そうになりました。最後のくまの言葉は本当に優しくて心に沁みます。

Posted byブクログ

2012/05/28

元のほうのお話と、2011年バージョンと続けて読んで、 読み終わって、ふっと涙が出たよ。 そっくりなんだけど決定的に違う。 2011年バージョンのほうは、間違い探しをしながら読む感じだった。 防護服、ガイガーカウンター。 嘘みたい。信じたくないけど、これが日常になってしまった...

元のほうのお話と、2011年バージョンと続けて読んで、 読み終わって、ふっと涙が出たよ。 そっくりなんだけど決定的に違う。 2011年バージョンのほうは、間違い探しをしながら読む感じだった。 防護服、ガイガーカウンター。 嘘みたい。信じたくないけど、これが日常になってしまった。 わたしたちはこんな現実を生きている。

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2012/04/15

2012.04.01. ずっと読みたくて、いろんな本屋さんで探してたんだけど見つからなくて。久しぶりに図書館に行ったら、偶然目があってうれしくなりました。デビュー作「神様」の、03.11その後バージョン。川辺にお散歩に行くにも、その後の影響が入り込んでいる。川上さんは、正しく怒っ...

2012.04.01. ずっと読みたくて、いろんな本屋さんで探してたんだけど見つからなくて。久しぶりに図書館に行ったら、偶然目があってうれしくなりました。デビュー作「神様」の、03.11その後バージョン。川辺にお散歩に行くにも、その後の影響が入り込んでいる。川上さんは、正しく怒っている。

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2012/08/14

 川上弘美が福島原発事故を受けて、デビュー作『神様』を書き直したという話題は知っていた。本屋でたまたま見つけてその薄っぺらさにびっくりしたが、迷うことなく購入した。どちらも、初めて読む。  熊との会話も自然で違和感はない。熊の神様というのも分かる気がする。大きくて獰猛で、しかし憎...

 川上弘美が福島原発事故を受けて、デビュー作『神様』を書き直したという話題は知っていた。本屋でたまたま見つけてその薄っぺらさにびっくりしたが、迷うことなく購入した。どちらも、初めて読む。  熊との会話も自然で違和感はない。熊の神様というのも分かる気がする。大きくて獰猛で、しかし憎めない動物だからか。アイヌは熊を崇拝したというが、アイヌの人々は人間の卑小さを直感的に知っていたのかもしれない。自然の恵みに感謝していたからこそ、熊を神と崇めたに違いない。著者があとがきで書いているように、自然とともに生きていた日本人は、万物に神が宿ると信じていた。自然に対する畏怖の心を忘れるとどんなことが起こるかを、3.11の原発事故は突きつけたとも言える。石原慎太郎の言う意味とは違って、<罰が当たった>のかもしれない。  そう言えば、中沢新一と内田樹が、原発を<一神教的技術>であり、<荒ぶる神>だと指摘していたことが思い出される(『大津波と原発』、『日本の大転換』、『日本の文脈』)。  熊の神様の背後に、ウランの神様がいることを忘れていたと感じて、川上弘美は書き直しを思い立ったのではないかと、勝手に考えたりもした。

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2012/04/02

「神様」自体が未読だったので、「神様2011」を続けて読んで 衝撃を受けるというようなことではないのだが。。  擬人化した熊を通して、人間と動物の関係を相対化して見せる原著に対して、2011は「あのこと」の後、変わってしまった自然(環境)に対して人間自体を相対化している。もはや...

「神様」自体が未読だったので、「神様2011」を続けて読んで 衝撃を受けるというようなことではないのだが。。  擬人化した熊を通して、人間と動物の関係を相対化して見せる原著に対して、2011は「あのこと」の後、変わってしまった自然(環境)に対して人間自体を相対化している。もはや、人間にとっての熊と、生態系の中での人間は同じように「住みにくさ」の中でサヴァイヴすることを要請されている。  そんな人間と熊がハイキングをする、散歩をするということが、人間の未来を考える上では必要な視点なのかな、とボンヤリ思った。

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2012/03/27

あの震災があって何か特別なことをするわけでもないし、 かといって何か特別なことができるわけでもない。 でも日常を生きていくうえで、あーこんな風にきっと思ってるかも、 という感情をしみじみと浮かび上がらせてくれるそんな作品。 あとがきにもしみじみと共感。

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2012/03/22

同じシュチュエーションの間違い探しのように少しづつ何か違う、2編。 当然(と言うのも違和感だけど)「2011」の方は不穏。 だからこそ『熊の神様のお恵みがあなたの上にも降り注ぎますように。』と言う言葉が生きてくる。 God Bless You

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2012/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

図書館にて。 「神様」は以前読んでいたが、優しい文体の中にもブラックで辛辣なものが隠されていてさすがだと思っていた。 それに2011年の震災、それによる原発事故の内容を盛り込むことによって作者の持つ怒りが感じられた。 神様、どうか、と思う。 神様、ごめんなさい、とも思う。 熊の優しさが染みた。日常の大切さを思った。 あとがきで、さらに作者の怒り、むなしさが理解でき共感できた。 あの事故以来誰もが持っているものだと思う。

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