まともな家の子供はいない の商品レビュー

津村記久子【著】

2013/12/11

子どもは親を選べない。
津村さんって、登場人物に絶対「逃避」の
道を差し出さない。
この本は、特に読んでて苦しかった。

2013/10/22

「まともな家の子供はいない」「サバイブ」の2編が収録。前者は中３女子が、後者は高３女子が主人公。それぞれ、家族と相容れず、家に居ずらい日常を過ごしながら、日々過ごしているといったストーリー。こう書いてしまうと、退屈そうな話のような印象を受けるかもしれないが、読み出すと一気に読破できる小説。

2013/07/17

中学三年の夏休み。

仕事が長続きせず働かない父、そんな父のご機嫌とりな母、なんでも受け入れられる妹にうんざりしているセキコ。
暇を持て余して買い物狂の子供みたいな母を持つナガヨシ。

学校にも塾にも来なくなったクレ。
笑わないクールな室田いつみ。
ナガヨシに尾行される大和田。

それぞれが家の事情を抱えながらも塾に通い、家以外の自分の居場所を探して毎日を過ごしている。

面白かったけどなんか読むのに時間かかったー。

中学生ってお金ないし頻繁にカフェとかはいれないもんねー。
図書館は涼しいけど職業不明の人たちがほんとうにたくさん居座ってるしね。

サバイブは希望がなくて暗かったな)^o^(

2013/05/07

14歳のセキコの父親は無職で家でゲームをしてばかり。母親はそんな父親に怒るわけでもなく仲良く接している。妹もうまく立ち回り、家庭環境に不満を抱いているのはセキコだけのよう。
・・・それでいいのか。
･･･いいわけないだろう。
じりじりと怒るセキコの心情を、友達とその家族たちの事情も絡めつつ綴られる。作者らしくシニカルでユーモアある表現で、ときに笑いときに考えさせられながら、重ねられるエピソードに気がつけば「まともな家なんてない」なんてことを、腑に落ちたように納得させられる。
劇的な解決があるわけではなく、ひと夏の小爆発とその結果のささやかな変化があるのみで、「まともな家」は遠そうに思える。けれども小爆発を経て、いろいろとさらけ出したセキコと彼女の家族のこれからは、まともとはいえなくとも、バラバラになることはないのではないか、などと考える、期待する。だってひとつきりの家族なんだから、良い方向に進むと考えたい、ではないか。せめてフィクションくらいは。などと、思ったのでした。

2024/06/02

(2013年4月3日読了)
タイトルと同じ表題のと、「サバイブ」の二本建て。
背景は同じだけど、主人公達は違う。(知り合い程度の間柄)
「とにかく…」は、中学生の出口のない小さな泡だったイラつきが私にも伝染して、中盤まで読書スピードがはかどらず。
以降は、中学生ながらの世界の繋がりに面白みを感じ、ラストまで一気に読み上げた。
そのラストは、中学生の尽きない悩みと同じく、物語の中でまだまだ続いていくのだなと感じた。
「サバイブ」は、更に重たい悩みを持つ中学生の家庭の話なのだけど、先が見えた分、面白く読めた。
それにしても、津倉さんの作品は、複雑な家庭が多い気がする。

2013/03/07

おもしろい。登場人物もそれぞれ魅力があるしストーリー展開もよい。うまいと唸らされる文章ではないし、ちらほら矛盾もある気がするけど、パワーに持っていかれて一気に読んじゃう系。

これ、表題作とサバイブの2本立てなんですね。ただの章だと思って混乱した。

2013/01/07

私の普段の怒りは中3と同レベルだなあ。
でも、未来の開かれ具合は眩し過ぎるほどの差がある。

クレの台詞に涙が出る。クレと結婚したらいい。

2012/09/03

中学生って、無力だったよな～と思いました。
高校生になって、お金がないとなったら、バイトできるけど、
中学生は無理。
だからお小遣いでなんとかするしかないので、
必然的に外出先が限られる……。

私は田舎で育ったので、セキコが少しうらやましい。
自転車でちょっと走れば図書館というものがあって、
いざというときは喫茶店にも行くことができる。
私の町は図書館はなく、町民センターの中に図書「室」と
いうもののみがあり、中学生が入れそうな喫茶店なんて皆無。

そのため「図書館で勉強」というものにものすごく憧れていたので、
短大に入ったときは学校内の図書館をさんざん利用したっけ。
……な～んてことを、これを読んで思い出しましたよ。

ナガヨシが、なかなかいい味だしてる。
大和田くんを尾行するのも、特に「好きだから」という
理由じゃないみたいだし。

中学生って、こんなにいろんなこと考えていたっけ。
うちの長女も、あと３年もすれば中学生。
その時に「うちなんて大嫌い」と言われないような親に
なっていなければ……。

2012/08/16

父親がいる家にはいたくない。セキコは苦しかった。塾の宿題は重く母親はうざく妹はテキトー。世の中にまともな家はあるのか。怒れる中学３年生のひと夏の物語

2012/07/23

・読後とてつもなくシューアイスが食いたくなってコンビニ行ったけど無かったからバニラモナカで妥協した。悪くなかった。
・津村記久子が湊かなえみたいな子達書いてる。思春期ってめんどくせーな。ここまで冷静かつ辛辣に親の事観察すんのかなーと思った。それにしても分析力あり過ぎなガキらで津村記久子的に過ぎる。俺あんまり親に関心なかったからこの子達に共感できないのよなー。関心なかったからというか、親に悪意を特に持たない思春期だったから。うちも全く普通の家ではなかったけどもな。今こう言えるのは年取ったからかも知れないな。
・行くところ探すの大変なのは、会社サボってお金使いたくない時そうだから良くわかるよ。図書室で居眠りする大人になってごめんよ。