まともな家の子供はいない の商品レビュー
津村記久子さんの「まともな家の子供はいない」、2011.8発行です。まともな家の子供はいない、サバイブの2話が収録されています。2話に関連はないですが、共通の登場人物は出てきます。連作2話といえるかどうか・・・w。飯田世規子(いいだ せきこ)や室田いつみ、14歳、中学2年でしょう...
津村記久子さんの「まともな家の子供はいない」、2011.8発行です。まともな家の子供はいない、サバイブの2話が収録されています。2話に関連はないですが、共通の登場人物は出てきます。連作2話といえるかどうか・・・w。飯田世規子(いいだ せきこ)や室田いつみ、14歳、中学2年でしょうか・・・、大人と子供の狭間を生きる微妙な感性が描かれています。夏休みの宿題の答えを教科ごとに得意な友達の答えをコピーし、全教科揃ったとき、かすかに寂しさを覚え、これからは勉強しようと思ったそうです(^-^)
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タイトルがいいなと思って読んでみたのですが、ただ思春期に両親を嫌悪する女子中学生の荒れた感情が爆発しているだけで物語性は薄いので評価は低めにしました。
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おなじみのお仕事小説ではなく、受験を控えた中学生の物語だが、やはりどこか通じるものがあって面白い。津村さんの本に出てくる登場人物たちはいつも魅力的だ。今回は、学校のヒエラルキーでは確実に下位になるだろうクレやナガヨシ。自分の同級生の中にもきっとそんな隠れた逸材がいたんだろうなぁと...
おなじみのお仕事小説ではなく、受験を控えた中学生の物語だが、やはりどこか通じるものがあって面白い。津村さんの本に出てくる登場人物たちはいつも魅力的だ。今回は、学校のヒエラルキーでは確実に下位になるだろうクレやナガヨシ。自分の同級生の中にもきっとそんな隠れた逸材がいたんだろうなぁと思われ、何だかひどく損をしていた気になった。
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中学生の頃のあのイライラする感じがすごくリアルに描かれています。タイトルどおりまともな家が出てこなくて、読んでいて辛かった。 セキコもいつみも救われないよなあ。大人はもっとしゃんとしないとな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
*父親がいる家にはいたくない。セキコは苦しかった。塾の宿題は重く母親はうざく妹はテキトー。世の中にまともな家はあるのか。 14歳の目から見た不穏な日常、そこから浮かび上がる、大人たちと子供たちそれぞれの事情と心情、おかしくも切ない、 怒れる中学3年生のひと夏の物語* うまいなあ!怒れる中学生の心情。そうそうそうそうそうだったわ!と、懐かしくも苦々しくもちょっと可笑しいあの日々を再体験したような気分。
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子供というのは大人の期待するような内面を持っているわけではないのだが、誰しも子供時代を通過しているはずなのに忘れてしまっている、そんなひねくれていて、こまっしゃくれて、素直じゃないけど壊れやすい中学時代の心象風景が描かれている。
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まともな家の子供はいないとサバイブという2篇が入っているのだけど、サバイブとても良かった。 津村記久子は子供を決して大人が思う甘さみたいな持った存在として書かなくて、子供であるが故のあらゆるものに対して誠実さを持った、未成熟ながら自分なりに思考して必死に生きている存在として書いて...
まともな家の子供はいないとサバイブという2篇が入っているのだけど、サバイブとても良かった。 津村記久子は子供を決して大人が思う甘さみたいな持った存在として書かなくて、子供であるが故のあらゆるものに対して誠実さを持った、未成熟ながら自分なりに思考して必死に生きている存在として書いていて、それが真摯に生きようとする心を揺さぶるのだと思う。 サバイブというのは、納得できないけれど、受けとめるしかない現実に襲われるすべての人への今をやり過ごしてどうにか生き延びて欲しいというメッセージなのだと思う。 不条理さに襲われてやりきれなくなった時にはまた思い出したいし読み直したい。
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人間と一言で言ってもさまざまな人がいるように、家族というのはひとつとして「ふつう」や「当たり前」なんてないのだろうな、と思う。 ばらばらの寄せ集めの集団を家という箱に収めたおもちゃ箱のような。
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同じく中学生を主人公にした『エブリシング・フロウズ』より良かった。 『エブリシング・フロウズ』ほど物語性はないが、登場人物の内面は、より強く心に響いた。 で、考えたのは、これはYAになり得るかということ。この小説は親のセックスに触れていて、学校の先生は即座に脚下するだろう。しかし...
同じく中学生を主人公にした『エブリシング・フロウズ』より良かった。 『エブリシング・フロウズ』ほど物語性はないが、登場人物の内面は、より強く心に響いた。 で、考えたのは、これはYAになり得るかということ。この小説は親のセックスに触れていて、学校の先生は即座に脚下するだろう。しかし、中高生を対象にして性の問題に触れない、無いように振る舞うのはごまかしだと思う。読み手は性に関して興味があるし、家庭をはじめとして世の中にある性の匂いに非常に敏感になっているわけだから、性の問題を真剣に(遊びや快楽としてではなく)考えさせるものなら、いいのではないか。『ゼブラ』や『目ざめれば魔女』のように親のセックスに触れた作品がYAなら、これもYAでよいではないか。もし子どもが本棚にあるこの本を勝手に読んだなら、それは別に構わない。でも大人が中高生に薦めるのはどうだろうか。 日本の文化的にはちょっと難しい気がする。とてもいい作品だが。 もしも自分がこの小説を中高生の時に読んだなら、すごく救われたと感じたのでは、と思うので、読ませないのは惜しいとも思う。 虐待みたいな犯罪的な行為はなくても自分の家族が嫌でしょうがなかった身としては。それを打ち明けられる友達もいなかった身としては。 表題作に関しては、こういう煩悶を抱えた。 が、「サバイブ」に関しては悩まなかった。これはYAではない。 小説の出来としては「サバイブ」の方が良い。 しかし、表題作の方が心に残る。
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働かない父、父をかばう母、お調子者の妹、さらに受験勉強も加わり、中3セキコのイライラは募るばかり。 思うようにいかないセキコの気持ちを思うと、こちらも切なくなってきます。 決して「まともな家」ではないけれど、読後には「家族」「友達」「日常」の大切さに気づかせてくれるお話です。
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