まともな家の子供はいない の商品レビュー
タイトルに惹かれて読みました。子どもは、親を選んで生まれてこれない。だからこそある苦しみが人それぞれある。
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津村さんのお話は癖がないのに癖になるなあ。 まともな家の子供はいないのかな? 私は恵まれているので正直実感としては分からないけど、周りにはそれ親のすることなの…という親の話を聞くことは少なくないなあ。。 でもセキコやナガヨシ、大和田くんやクレのように家の中を覗き見ればすくなから...
津村さんのお話は癖がないのに癖になるなあ。 まともな家の子供はいないのかな? 私は恵まれているので正直実感としては分からないけど、周りにはそれ親のすることなの…という親の話を聞くことは少なくないなあ。。 でもセキコやナガヨシ、大和田くんやクレのように家の中を覗き見ればすくなからず埃が出てくるもんなんだろうか?うーん、わからん。。 でも中学生の抱えるどうしようもないモヤモヤ感とかは懐かしいなって思ったし、沙和子の「いつかもう少しましになる日が来る」という言葉が全てを物語っていて、そう思えることがモラトリアムから脱する大人への一歩なんだと思う。
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環境こそ異なるものの、セキコの感じ方、考え方は自分の中学生の頃のそれにかなり近い気がした。 けれど全体的に退屈で読み終えるまでかなり時間がかかった。
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「まとも」とはなんでしょうか? この物語に出てくる家庭は「まとも」ではないのでしょうか? 思い返せば私の家も「まとも」ではなかった(今もない)かもしれず、この本のタイトルは正しいのかもしれない。 まぁ、「まとも」だから何なんだとも思うわけで、「まとも」かどうかを判定したがる感性に...
「まとも」とはなんでしょうか? この物語に出てくる家庭は「まとも」ではないのでしょうか? 思い返せば私の家も「まとも」ではなかった(今もない)かもしれず、この本のタイトルは正しいのかもしれない。 まぁ、「まとも」だから何なんだとも思うわけで、「まとも」かどうかを判定したがる感性に対して反感もなくはない。 でも、「まともな家の子供はいない」は好きだと思う。 どこが良かったのかはっきりとは分からないのだけど。 塾の宿題の答えを集めて行くところとか。尾行とか。シューアイスとか。図書館の席取りとか。 そういう諸々が心地良かった。 「サバイブ」は、本当に嫌んなるよねって感じのお話で、世の中の家庭の何割でこういうことが起きているのかと知りたくなる。 小説ではやたらと読むから、50%くらいはこんなんなのか?と考えてしまう。 まぁ、これも実際に頻発していたからどうだということもないのですが…。 ただ、くだらないなぁと思うだけで。
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「親はみんなおかしい。」 この文に救われた。普通に見える家庭でも皆何かしらの問題や不和を内包している。 そのことを恥じたり出自を罪深く思ったりする必要はないのだということに気が付かせてもらった。
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冒頭─── 図書館で宿題をするのは集中できないが、父親がいるから家にはいたくない。セキコは本当に、図書館の机を占領して勉強している連中が嫌いでもあった。大学受験や資格試験を控えていると思しきあいつらは、絶体絶命に家で勉強する場所がなくて図書館に来ているのかというとそうではなくて...
冒頭─── 図書館で宿題をするのは集中できないが、父親がいるから家にはいたくない。セキコは本当に、図書館の机を占領して勉強している連中が嫌いでもあった。大学受験や資格試験を控えていると思しきあいつらは、絶体絶命に家で勉強する場所がなくて図書館に来ているのかというとそうではなくて、ただ、対外的に勉強しているというポーズをしているとその気になって勉強するというフィードバック現象ゆえに勉強している意志薄弱な連中だとセキコは見做していた。奴らが参考書とノートを開いて難しぶっているのを見かけると、その程度のもんならやめちまえ、落ちろ落ちろ、と椅子の背もたれを掴んでがたがたさせながらわめき散らしたくなるのだが、実際にやってしまうと殺されそうなのでやっていない。まだ命は惜しい。さすがに。十四歳だから。 ────── いやあ、津村記久子の作品は本当に面白い。 受験を間近に控えたどこか一風変わった家庭の中学三年生の子供たち。 嫌な事とか、気になることとかが毎日のようにあるのだけれど、まだ子供なので、上手な解決方法を見出せない。 仕事もせずに家でぶらぶらしている父親に我慢が出来ず、なおかつそれを咎めない母親も許せない、主人公のセキコ。 特に理由もないのに同じ塾に通う男子の尾行をし始める友人のナガヨシ。 学校を不登校になり塾にも来なくなった、英語が抜群にできるクレ。 店で働いていた仲の良かった年上の女性を母親が突然解雇したことに納得できない大和田。 一見恵まれた家庭のように見えるが母親が不倫をしていたという室田。 親の身勝手さ故に、自分の居場所を上手く見つけられず、苛立ちもがく子供たち。 そこには、家族や友人、ひいては人と人の結びつきとは何なのだろう、という問題が孕んでいるようだ。 夏休み中に終えなければならない塾の宿題。 途方に暮れていた主人公は、周りの子供たちと些細な繋がりを持つことで、全ての教科の答えを得られるようになっていく。 ほんの偶然から生まれた淡い関係でも、他人と良い関りが築ければ、世の中は何とか上手く乗り越えていけるのかも……。 津村さん独特の世界観が垣間見える作品。 もう一篇収録された「サバイブ」は、親の不倫や離婚の積み重ねで家庭が崩壊していく過程を描いたストーリーで、読んでいると居心地が悪く胃がもたれるような気分になります。 出てくる子供たちには何の罪もないのに。 すべて親たちの我儘です。 こちらは、ちょっと重すぎたな。 それでも、人それぞれ辛いことはある。 “ 長くは続かない。 沙和子は、顔を空に向けて、陽の眩しさを厭うように目をぎゅっとつむった。 いつかもう少しましになる日が来る”(220P) と、未来に希望を抱かせる終わり方は変わりない。 この作品の舞台は「まともな家の子供はいない」にも出てくる室田家がメインになっています。 初出を見ると、こちらが2006年で、「まともな家の子供はいない」が2009年なので、この「サバイブ」のほうがだいぶ先になります。 なので、これをベースに、子供と家庭の関わり方というテーマをより深く掘り下げて「まともな家の子供はいない」を書いたのかもしれません。
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やっぱり面白い。たまたまそういう地域なんじゃって感じだけど、みんな家出とかニートとか不倫とかする親に困ってて、自分が一番大人で馬鹿げた家族が許せなくて、でも家には帰ります…みたいなやるせない感じが随所にうまーく盛り込まれてた。節約するセキコは他の主人公と被るな、てか津村さんてこう...
やっぱり面白い。たまたまそういう地域なんじゃって感じだけど、みんな家出とかニートとか不倫とかする親に困ってて、自分が一番大人で馬鹿げた家族が許せなくて、でも家には帰ります…みたいなやるせない感じが随所にうまーく盛り込まれてた。節約するセキコは他の主人公と被るな、てか津村さんてこういう人なんだろうな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
不安定な家庭にイライラを募らせる思春期女子が主人公の2編。 どんな家にも事情や都合ってのは、あるんだろうけど、子供が夜や休日勉強するのに、自分んチが一番エエ環境とは思われなくても、せめて一番居心地悪いって思わせる家庭にしたらアカンよな。 津村記久子はイライラしている人を主人公にした小説を書かせると上手いなぁと思うが、この作品は、読んでていたたまれない気持ちになるぐらい主人公がイライラしているので、さすがにちょっとツラかった。誰も死なない小説で口直しにちょっとスッキリしたもんを読みたくなるなんて、珍しい経験である。
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中学生くらいの時に感じていた、親への苛立ちとか自分への苛立ちとか、不満に溢れんばかりだった頃の自分を思い出した。 自分で自分の置かれる環境をコントロールできないということは、 本当にストレスだったなーと思う。 大人になった今は、友だちも選べるし、合わないと思えば疎遠にもなれるし...
中学生くらいの時に感じていた、親への苛立ちとか自分への苛立ちとか、不満に溢れんばかりだった頃の自分を思い出した。 自分で自分の置かれる環境をコントロールできないということは、 本当にストレスだったなーと思う。 大人になった今は、友だちも選べるし、合わないと思えば疎遠にもなれるし、仕事も選べるし、とにかく自由だ。 学生の頃とはそこが違う。 最後に出てきたフレーズ、 『長くは続かない』はまさしく、 苛立ちMAXだった当時の自分にかけてあげたい言葉の代表。 【今は毎日つまんなくてイライラしてばかりでも、 人生悪くないもんだって思えるようになるから大丈夫だよ! そして自分を好きになれるようがんばってごらん。】 って、今では人生に満足できている私は声を大にして言いたい。 2014/06/13
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津村記久子はいつも怒っている人を書く人だ。 いつもなのでいい加減ワンパターンなんじゃないかと思うが、いつも同じ怒りではなく今回もまた違う側面を感じた。 いつものとおり、主人公は物語の中で大きな成長やハッキリとした解決に至らない。でもいつか少しましな日が来ると、同じような思春期を過...
津村記久子はいつも怒っている人を書く人だ。 いつもなのでいい加減ワンパターンなんじゃないかと思うが、いつも同じ怒りではなく今回もまた違う側面を感じた。 いつものとおり、主人公は物語の中で大きな成長やハッキリとした解決に至らない。でもいつか少しましな日が来ると、同じような思春期を過ごした読者たちは知っているのだ。いつの間にか、セキコやいつみの人生と自分を重ねてしまっていた。 中学生のころの閉塞感を思い出す。私もクレのように 「飯がうまくない、学校にいきたくない。まともな大人になりたい」と言えたら、今とは何かが違っていただろうか。 津村記久子のいつもと違う側面とは、佐伯先生のいう 他人や自分の不幸せに気がついてしまうと、不満足だと叫ぶ代わりに様々な満たし方を見つけてしまうという部分である。 津村記久子は、いつも怒っていてかつ、黙って耐える人を書いていた。しかし今回は、ほめられない形ではあるが満たされないが為に行動を起こす人物を書いているのである。 行動を起こす人を書いたことで、黙って耐える怒る人が際立ち、頑張れいつか抜け出せる、と応援したくなった。
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