まともな家の子供はいない の商品レビュー
まともな家の子供はいない タイトル通り父親が仕事をしないことに嫌悪感を抱き家に居場所がない中学生、兄が彼女を連れてきて家に居場所がない中学生の心の葛藤 心理描写がうまい。話自体はそんなに展開がないが、思春期の心がよく書かれてる。とくに些細なことでイライラするとことか、昔の自分を...
まともな家の子供はいない タイトル通り父親が仕事をしないことに嫌悪感を抱き家に居場所がない中学生、兄が彼女を連れてきて家に居場所がない中学生の心の葛藤 心理描写がうまい。話自体はそんなに展開がないが、思春期の心がよく書かれてる。とくに些細なことでイライラするとことか、昔の自分を思い出す。
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津村さんのテイストは出ていますが、 主人公が、OLさんではなく女子中学生だったので、 なんだか、あんまり気分良く読めなかったです。 ひょっとしたら、そのぐらぃの子供がいる親御さんは、 津村さんの作品らしく、そぅなんよね~って感じを 持つのかもしれませんが…。 津村さんの作品を...
津村さんのテイストは出ていますが、 主人公が、OLさんではなく女子中学生だったので、 なんだか、あんまり気分良く読めなかったです。 ひょっとしたら、そのぐらぃの子供がいる親御さんは、 津村さんの作品らしく、そぅなんよね~って感じを 持つのかもしれませんが…。 津村さんの作品を、新旧3作品ほど続けて読んでみましたが、 ボクは、「婚礼、葬礼、その他」がよかったですかね。 今回の評価も、ふつぅといぅことで…。
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血がつながっているからこそ許せないささいなこと。 兄弟姉妹がのんきに見えて腹が立つこと。 「普通」ってなに? 家族にまつわる気持ちがぐるぐる。
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しばらく図書館で予約待ちしていたのがまわってきた。「父親がいるから家にはいたくない」というセキコを中心に描かれる表題作と、「くそったれの大学生の兄が帰省している家に走って帰ることに、忸怩たるものを覚え」る室田いつみを中心に描かれる「サバイブ」の二篇が入っている。セキコもいつみも、...
しばらく図書館で予約待ちしていたのがまわってきた。「父親がいるから家にはいたくない」というセキコを中心に描かれる表題作と、「くそったれの大学生の兄が帰省している家に走って帰ることに、忸怩たるものを覚え」る室田いつみを中心に描かれる「サバイブ」の二篇が入っている。セキコもいつみも、中学3年生。 家にいたくないから図書館で時間をすごそうとし、家に帰るしかないと思っても、どこに居ればいいんだろうと考えるセキコ。台所にでも居ればいいか、風呂を洗っているふりをして風呂場でもいい。セキコはいらだち、やけくそになり、「風呂か台所にしか居たくないのならそれは家ではないと思う」。それでも家に帰るしかなく。 できる範囲で母親の様子を観察しはじめたいつみは、ある日、母親を尾行し、黒い車に乗るのを見て、そのナンバープレートの番号をおぼえる。その車のナンバーが、近所の防犯運動の中心となっている片山さんのものであることも、後にわかる。母親の浮気の場面をおさえて、でもそれをどうしようもなく。 親に対しては今でもいらだつことがあるし、平穏な気持ちでいられたことのほうが少ないような気がするが、中学の2年や3年くらいの頃は、もっともっといらいらしてたなあとこの小説を読みながら思った。生殺与奪権をにぎられていて、反抗心は完全燃焼しきらず、それで気持ちがおさまらないような。 中学生だからこそ、ぐるぐるとうずまく感情にやられてしまう、そんなのがねちねちと書かれていた。ひとことでいえば思春期なのかもしれないが、そのうっとうしさ、自分自身でもどうしようもないことがらに苛まれてしまう様を、懐かしいような、思い出したくないようなぐちゃぐちゃした感情で読んだ。 (11/27了)
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自分の家のことをずっと普通で幸せだって思ってきたけど、最近は小さ な違和感を感じる。 大好きだし、幸せだし、感謝しているけれど。不健全だなって思う。そういうことをすごく意識させられるお話でした。
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世の中に、まともな家はあるのだろうか。 自分の家だけが、まともではないのだろうか。 中学生が主人公の話だが、大人にも十分共感できるものがあると思う。 家って、家族って、何なのか。 もしかして、永遠のテーマなのかも知れない。
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『ふと、世の中に自分を受容するものが何もないような感覚に陥るが、それは気色悪い自己愛的な考えだと、頭を振ってやり過ごす』-『まともな家の子供はいない』 津村記久子は、なぜかいつも怒っているように思える。どの本を読んでもそんな気がして仕方がない。その怒りも大概は同じ種類の怒りなの...
『ふと、世の中に自分を受容するものが何もないような感覚に陥るが、それは気色悪い自己愛的な考えだと、頭を振ってやり過ごす』-『まともな家の子供はいない』 津村記久子は、なぜかいつも怒っているように思える。どの本を読んでもそんな気がして仕方がない。その怒りも大概は同じ種類の怒りなのだ。同じ方向を向いている。はっきりと言ってしまうと、それは男に対して向けられた怒りである、と思うのだ。 男。それもダメな男に対して津村記久子は容赦なく怒っている。しかし残念なことに、世の中、ほとんど全ての男がダメな男なのである(上野千鶴子に聞くまでもない)。そりゃあ、多少ましな男もいるにはいて、そんな男は主に男にとってはダメな男じゃないのだけれど、依然として女にとってはやっぱりダメな男なんだろうと想像する。だからダメな男に対して怒りを感じてしまう津村記久子は常に怒っていなければならなくなる。 「男に対する」と限定する時、それは怒りを発する側の立場も同時に限定する。非「男」という立場である。非男というのは、単に生物学的に男と二律背反的な性別のことを指すとは限らない。それはむしろ社会学的地位における非男という立場なんだと思う。主婦、OLはもちろんのこと、だから非男カテゴリーには、子供も当然入る。最近はサラダを主に好むというかつての定義で行けば男に属している筈の非男もいる。この非男という立場に立って発言している感じ、それはこの本に限らず、津村記久子の作品に共通するテーマであるような気がする。それで自分は津村記久子を読みながら、時々「ライ麦畑」のことを考えてしまうんだろうと思う。 怒りって中々解決できないものだ。話し合いでなんとか、なんて言うけれど、むしろ怒りの矛先が向いている人との対話は逆の効果をもたらして結果を悪くする。正に火に油を注ぐという感じになる。結局、怒りって一人で解決するしかないんじゃないかと思う(ホールデンのように)。飲み込んでしまうしかないような気がする。というか、怒りを飲み込んでしまって先へ進むことのできる人ってのが大人ってことであって、それがダメじゃない男に求められている資質の主要な一つであるように思う。 ところが今は飲み込めない人がやっぱり多くなっている気がする(まあ自分も含めてですけど)。だからどんどんダメな男も増えるし、非「大人」も増える(ああ、これも生物学的な限定ではありません)。時々、もうこの世の中、子供ばっかりなんじゃないか、と思うことも、自分のことは思い切り棚に上げて、思うくらいだ。そうなると、津村記久子は増々怒り続けなくちゃいけなくなるだろう。 でも怒りってエネルギーをどんどん消費する。それに真っ直ぐな怒りは中々相手の中へは届かない。だからって増々エネルギーを多く注ぎ込んで剛速球を投げ込んでも、増々頑なに反発するばかりだ。きっと、しなやかな怒りっていうのが必要なんだろうなあ、と思うことしきり。 いつの間にか、津村記久子の本の話をしているのか、会社の愚痴を言っているのか、それとも世の中全般の批判をしているのか、判然としなくなってきた。でも最後に忘れない内に、自分はやっぱり津村記久子の書く物が好きなんだ、というエールを送っておきたいと思う。ガンバレ、津村記久子!
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少し前に読んだが登録するのを忘れていた・・ので、もはやあまり印象も残っていない。今も昔も感受性豊かな中学生は、家の事、学校の事、将来の事、どれもが重大事項な事として重く圧し掛かっているのだろう。それ自体は変わらないけれども言葉遣いに始まり、少しだけ冷めてたり達観してたりする見方は...
少し前に読んだが登録するのを忘れていた・・ので、もはやあまり印象も残っていない。今も昔も感受性豊かな中学生は、家の事、学校の事、将来の事、どれもが重大事項な事として重く圧し掛かっているのだろう。それ自体は変わらないけれども言葉遣いに始まり、少しだけ冷めてたり達観してたりする見方は、やはり昔の(自分の頃の)中学生と今の中学生は少し違うんだろうな、と実感させてくれる本。 そのような意味で、今の中学生をごくナチュラルに描いている(と感じられる)作者の力量は大したものだと感心する。大人でもない子供でもない、中途半端で仕方がない中学生の心を丁寧に書いてあって読ませてくれた。そうそう、中学生である事って大変なんだよね。自分の子供が思春期を迎えたら、少しでもそれを理解してあげていたいと思った。
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状況は違えど、なんとなく覚えのある閉塞感。中学生である。 “まとも”ってなんだろう、“普通”ってなんだろうと、あの頃よく思った。今もときどき思う。 みんな雄々しく生きてゆけ。 …なんて、言ってみたくなった。
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家族の中で1人浮いているセキコ。仕事が続かない父への嫌悪感が特に強い。図書館を居場所に求め、唯一の仲良しのナガヨシや不登校のクレなどとつきあう。 塾の夏休みの課題をなんとかしようと動き回る夏休み。潔癖でかたくなで自分で自分をどうしようもない一時期を、しっかりと捉えている。 母親に...
家族の中で1人浮いているセキコ。仕事が続かない父への嫌悪感が特に強い。図書館を居場所に求め、唯一の仲良しのナガヨシや不登校のクレなどとつきあう。 塾の夏休みの課題をなんとかしようと動き回る夏休み。潔癖でかたくなで自分で自分をどうしようもない一時期を、しっかりと捉えている。 母親に「お父さんが嫌い」と言ったとき、「お母さんは好きなの」と切りかえされたところが印象に残った。
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