まともな家の子供はいない の商品レビュー
読み出したので、読み切りました。 同じ街の話を、別視点で描いた短編かな。 「まともな家の子どもはいない」 中3セキコの家は、父が仕事が続かずすぐ辞めてしまう。母はパート。私立に行きたいが、父が仕事を辞めたばかりでブラブラしていて、経済的に不安。家に父がいるので、居場所がない...
読み出したので、読み切りました。 同じ街の話を、別視点で描いた短編かな。 「まともな家の子どもはいない」 中3セキコの家は、父が仕事が続かずすぐ辞めてしまう。母はパート。私立に行きたいが、父が仕事を辞めたばかりでブラブラしていて、経済的に不安。家に父がいるので、居場所がない。塾でも学校でも、なんとなくやる気が出ない。夏休みの塾の宿題を、皆んなに写させてもらうことで、交流を深めていった夏の思い出。セキコは社会担当。 友達のナガヨシの家に、入り浸ることが多いが、ナガヨシの母は、大らかな浪費家で、父に怒られている。ナガヨシは、国語担当。 セキコがクラスで話しやすかったクレは、不登校になり、学校にも塾にも来なくなった。塾長に、クレに夏休みの宿題を届けるよう頼まれて行った。クレの不登校になった理由などを聞いたり、手作りドーナツをもらったり。クレは、英語が得意なので、写させてもらう。 ナガヨシが最近、気に入って、付け回していた大和田は、理科担当。 セキコが図書館で見かける室田は、頭が良く近寄りがたいが、家にお邪魔することになる。お金持ちで幸せそうな家だったが、室田の部屋に上がると、適度に汚れいて、話しを聞くと、お母さんが不倫しているなど、悩みもあるようだ。 「サバイブ」 室田のお母さんと、近所の設計事務所の片山が不倫していることが主軸となって、周りの不快感を炙り出している。 片山は、10年前に不倫して、前の妻を追い出し、子どもを引取り、不倫相手と再婚し、小学生の子どももいる。前妻の子は、大学生で一人暮らし。片山は、再度不倫して、妻と小学生の子どもが出て行く。 大学生の娘は、最近、彼氏を友達に奪われ、落ち込んでいた。それと、義理母がラップして、鬱々と…。 室田は、片山は不倫がバレて、近所で肩身がせまい思いをしているのに、自分の母はバレずにのうのうとしているのが許せない。 なんか、読後感がモヤモヤしました。
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それでもいいんだ。 うちはまともな家ではない。私はシングルマザーで7年目、15歳の長男は「お前がもっとしっかりしていれば。ちゃんとしつけしてないから弟がこんなんだ」と私に言ってくる。自分のこともちゃんとしてない長男に、何でそんな事を言われないといけないのかとムカついていたが、あぁ...
それでもいいんだ。 うちはまともな家ではない。私はシングルマザーで7年目、15歳の長男は「お前がもっとしっかりしていれば。ちゃんとしつけしてないから弟がこんなんだ」と私に言ってくる。自分のこともちゃんとしてない長男に、何でそんな事を言われないといけないのかとムカついていたが、あぁ、この主人公と同じなんだ、と思えた。
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タイトルから考えて、まともでない親がたくさん登場するのかと思いきや、案外そこら中にいそうな家族。 そして、ちゃんと子供に愛情を持っている親たちで、なんだかラストはホッとした。 「サバイブ」は、ちょっと重かったかも。 中学生というのは、親を大人として冷静に見始める年頃。 家族や生...
タイトルから考えて、まともでない親がたくさん登場するのかと思いきや、案外そこら中にいそうな家族。 そして、ちゃんと子供に愛情を持っている親たちで、なんだかラストはホッとした。 「サバイブ」は、ちょっと重かったかも。 中学生というのは、親を大人として冷静に見始める年頃。 家族や生活に、不満や疑問を感じる為、常に怒っている。 自分も同じように、家に居場所を感じず、図書館によく通っていた。 これから夏休みも近くなると、図書館も大賑わいだし、座席争いも激しくなりそうだ。 親友ではないが、緩くつながる友達関係が、ほほえましかった。 著者は、いつも思うが、登場人物を一人一人大切に丁寧に扱っている。誰もが主人公になっている。 まともな家は、ほとんどない、それが、現実。 親に、本音を吐き出したことは、メンタルの為、よかった。 成長とともに、大人になるにつれ、見方も考え方も変わってくる。 そう、「長くは続かない」
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22.#まともな家の子供はいない 中3の夏休み 父親との距離感に悩み家に居たくない主人公 同級生達も家族との関係にモヤモヤする日々 彼らの親達は虐待ではないが 自分の親だったら? 自分はこんな親ではないか?と我が身を振り返る パンチのあるタイトルだが、 「親も人間」というとこ...
22.#まともな家の子供はいない 中3の夏休み 父親との距離感に悩み家に居たくない主人公 同級生達も家族との関係にモヤモヤする日々 彼らの親達は虐待ではないが 自分の親だったら? 自分はこんな親ではないか?と我が身を振り返る パンチのあるタイトルだが、 「親も人間」というところかな
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中学生の夏休みの日々。宿題をどう片付けるか、という大問題と、家族や友達やクラスメイトとのめんどくささ、苛立ち、進路の葛藤などなど、 綺麗に描くことのできないような、もやもやとした身に覚えのある暗くていや〜な感情を、 くらくていや〜な気持ちにさせないような丁寧だけど軽やかな文章で書...
中学生の夏休みの日々。宿題をどう片付けるか、という大問題と、家族や友達やクラスメイトとのめんどくささ、苛立ち、進路の葛藤などなど、 綺麗に描くことのできないような、もやもやとした身に覚えのある暗くていや〜な感情を、 くらくていや〜な気持ちにさせないような丁寧だけど軽やかな文章で書かれていて、なんだか読後感は爽快。 汗ばむ夏の物語、すきでした。
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ズバッとした物言いのタイトルに惹かれて読んだ。 まともな家の子供はいない。 大人視点で現代の家庭の問題を取り上げる形の本なのだろうかと思って読み始めてみたら、主人公は受験を控える女子中学生・セキコ。彼女は家に居場所がない。 なるほど子ども目線か。と冷静に読む。 仕事を私情で簡単に...
ズバッとした物言いのタイトルに惹かれて読んだ。 まともな家の子供はいない。 大人視点で現代の家庭の問題を取り上げる形の本なのだろうかと思って読み始めてみたら、主人公は受験を控える女子中学生・セキコ。彼女は家に居場所がない。 なるほど子ども目線か。と冷静に読む。 仕事を私情で簡単に何度もやめてしまいつつ家に居座って携帯ゲームばっかりやってる父親と、それを受容して甘やかしている母親と妹という家族の中で、それらのことすべてに苛立っているのはセキコだけ。 家に常に苛々の根源の父親が居座っているから、セキコは家に居場所がない。 主人公が思春期真っ只中であるのと、家庭環境のせいか少し荒んだ雰囲気が漂っているため、苦手な人は苦手かもしれない。 しかし、その思春期の子ども特有の荒み具合や大人のダメなところの描写、それに対する子どもの眼差しの描写はとても良い、というかわかる、とても良く描けている。と私は思った。 常々お金のない小中学生って、家に居場所がなかったらほんとにどこにも居場所がないんだよねと思っていた。 お金もないし、昼夜問わず外を一人でうろついていたら奇異の眼差しを向けられ、家の中にも外にも居場所がない。 この物語では、居場所を探すのに苦労しつつもセキコには逃げ込める友だちの家などがあり、また本人が真面目なのもあり、なんとかなっているのでそんな描写はないが、なんとかならない子どもたちは夜コンビニなんかにたむろして非行グループに声をかけられたり、自らそこに飛び込んだりして抜けられなくなるなんてよくあることだ。 実際私が中学生の頃にもそういう子たちはよく見かけた。 まあそれは置いといて、セキコはよく家に居させてくれる友だちのナガヨシの家庭や、同じ塾に通う同級生と交流を持つ中で、さまざまな家庭の形を知り、まともな家の子供はいないのだな、と悟る。 私も読みながら、ああ、そうだよな。となんだか溜飲が下がるというか、少し心が楽になる心地になる。 この本に描かれているような家庭は実際ザラにあって、だから誰とも分かり合えないだろうなと思っていたのが意外とそうでもないのだなと読みながら思えるところが。 私も本書の登場人物たちと立場は違えど、セキコのように自分だけ家族と感覚が違う、家族と共感できない異物だと感じて追い詰められたことがあるので、セキコに共感してしまう。それゆえに共感できる安堵と、苦しさも同時に感じた。 大人ですら家族関係で追い詰められるときもあるのだから、多感な中学生にはたまったもんじゃないだろう。そりゃあ受験生でも勉強に身が入らないよな、ストレスを何とかするのに必死でそれどころじゃないもん。 そう、大事なのはこの物語はフィクションだけど、まともな家の子供はいないのは事実であるというところだ。 まあ、まともな家、まともな親、まともな子どもってなんだろな。と思うところはある。 それでも、こんなにまともじゃないのはうちだけかも…と思い悩んでいる子どもたち…主に中高生に本書を読んでほしいなと思う。 読んだうえで、いやうちはもっとまともじゃないよ。と感想を持つ子どももいるかもしれないが。 まともじゃないわたしたちは、どうやってこの気持ちを咀嚼して、生きていけばいいのだろうね。
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表題作より、サバイブの方が読みやすかった。 連作ではあるけど、主人公が変わり、語りの雰囲気が変わる。 自分もまともな家育ちではないと思う。 いつも、専業主婦のお母さんや、手作りおやつや、お誕生日会に憧れていた。 大人になって、できる限りしてほしかったことをしてきたのに、子どもから...
表題作より、サバイブの方が読みやすかった。 連作ではあるけど、主人公が変わり、語りの雰囲気が変わる。 自分もまともな家育ちではないと思う。 いつも、専業主婦のお母さんや、手作りおやつや、お誕生日会に憧れていた。 大人になって、できる限りしてほしかったことをしてきたのに、子どもからフツーではない、と言われる始末。 まともとは、フツーとは、 不倫とか人の道を外さずとも、何より家族にまともと思われる家庭が一番難しいのかも。 隣の芝生は青い。
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なんともまぁ、細かな描写が多く、 それも面白いんだけど、 なかなか話が進まず、 主題が掴めず。 眠気が来たので途中で読むのをやめました。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なんてショッキングなタイトルだ!と思って気になっていた本。 大人になって独立した今、さすがに14歳視点に共感はしずらいけれど、読みながら、各家庭の問題のオンパレードに、うーわーとなりながらページをめくり、気づいたら終わっていた。(笑) ---------------------- セキコは父親が働くそぶりも見せず家でだらだらしていることにイライラしている。パートの稼ぎしかないのに、その父を許容する母も、要領よくやる妹にも頭にくる。 家に居場所がないと感じていて、いつも図書館か塾の自習室に最後まで居座っている。 行きたいと思う私立高校もどうせ家計の問題で行けやしないと感じ、塾の勉強も全く身が入らない。 それの原因が家族だと思うとまたイライラする…。 視点がセキコだけなので、他の人の思いは作中には出てこないけれど、多分に思い込みと自分の問題のすり替えもあるように思える。 セキコにとっての問題は、家族と言いながら自分の父親に対する嫌悪感や進路に関する悩みを打ち明けられないこと、子供に配慮してくれない親のセックスを見て見ぬふりをしないといけないことなど、我慢が積もり積もったものだと思う。 親の庇護を受けざるを得ないとわかっているのに、自分のやりたいことが抑圧されていると感じているから、なのかなぁ。 家族だから、と自分が我慢を強いられる免罪符にされていると感じていたのかなぁ。 だから、学費の問題が解決しても心は晴れなくて、自分でもどうしたらいいかわからないんだよねぇ・・・。 でもセキコは結構恵まれたほうだと思うよ。 父親がプーでも、両親の仲は良くて、塾にも行かせてもらえて、妹がいても私立高校に行ってもいいと言ってもらえる蓄えがある。 だから、室田いつみの、 うちの母親は妻子持ちと不倫していた。相手は妻子に出ていかれたけど、うちは何もなかったように今まで通り過ごしている。 というセリフに、自分の家族の問題とは別だと、ハッと気づいたんだと思う。 最後にナガヨシが「家族っていつまでもどうしたらいいかわからないんだよねぇ」と達観じみたことをつぶやくけれど、娘が母親のようにならざるを得なかったナガヨシ家のほうが親が病理チックな状態でやばいなぁと思う。 早めに家を出たほうがいいぞナガヨシ!と言いたい。 ---------------------------------------- セキコ…14歳。働かない父、その父に何も言わない母、父とうまくやっている妹にイライラしている。受験シーズンなのに、家族のせいで勉強に身が入らないが、家にいたくないため夏休み中は図書館と塾とナガヨシ家に入り浸っている。 ナガヨシ…14歳。マイペースで気になる人をストーカーまがいに付け回すのが趣味。母親が買い物依存症。 室田いつみ…14歳。母が不倫していることに気づいていた。進学で家を出た兄が夏休み中彼女を連れて帰省し、ずっと家族ごっこをしていることにうんざりしている。
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心に刺さるタイトルです。受験を控えた中学3年”セキコ”を中心に進んでいく「まともな家の子供はいない」と、セキコの同級生を中心に進む「サバイブ」の2話収録。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/02/27/17...
心に刺さるタイトルです。受験を控えた中学3年”セキコ”を中心に進んでいく「まともな家の子供はいない」と、セキコの同級生を中心に進む「サバイブ」の2話収録。 ブログにて詳しいレビューしています* https://happybooks.fun/entry/2021/02/27/170000
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