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真贋 の商品レビュー

3.7

73件のお客様レビュー

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2013/01/03

思想界の巨人吉本氏の語り。とっつきやすい形でまとめられており読みやすい。この人は自分の体験したことを元に考えたり、自分が得た情報から考えたりとはっきりしているのが良い。

Posted byブクログ

2012/12/21
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追悼で一読。吉本にしては、読みやすい。解りやすいなかで、吉本思想にふれることができる。本格的に読んでみたくなる。

Posted byブクログ

2012/12/19
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抜き書き。 いじめるほうもいじめられるほうも問題児。 誰もが生死をかけて自分の人生を生きている。当たり前なようで誰も当たり前に思っていないのかもしれない。 いつも明るいところばかり見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまう。そもそも、暗いところにこそ真実が隠されているのではないでしょうか。 「ひょっとしたら全滅だ」というところに競い合っていこうとしているのを、日本が真似することはないし、また、そんなものをいいと言う必要はない。核兵器を持つことについては、どちらの国が悪い、どちらの陣営がいいではなくて、全部悪いんだというのが正しいと思います。 自分自身の問題として、時にはどういう毒が自分にまわっているかということも冷静に考えることをしないと、大きく間違ってしまうこともあるのではないでしょうか。 聖職者の職業の毒として、もっとも問題なのは、「教える毒」ではないでしょうか。「教える毒」とは、わかりにくいかもしれませんが、僕らの商売でもそれとちょっと似たようなところがあります。「教える毒」に対して僕が一番気をつけているところは、いいことを言うときには、何気なく言うということです。 でも、いいことをいいこととして言うと、みんなが道徳家になってしまいます。これはよい、これは悪い、こうするのはよい、こうするのはよくないぞと断じていくようになり、いつももっともらしい口ぶりになっていくわけです。それはある種の毒です。 文句なしにいい作品というのは、そこに表現されている心の動きや人間関係というのが、俺だけにしかわからない、と読者に思わせる作品です。 僕は一般的な情報を新聞やテレビからとっていると言いましたが、一番大事にしているのは自分の肌感覚というか、身の回りの印象です。 ちょっと変な大人を見たら、この人は前思春期までの育ち方、親子関係に問題があったんだなと思うと合点がいくと思います。親に愛されていなかったり、不幸なことがあったりという事実が、間違いなくあったはずです。 僕は、男女関係に限らず、一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、とてもシンプルなものですが、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。 東洋人に属するけれども、大陸の荒波にもまれたことがないから日本人というのは何となくこぢんまりしているのです。大陸の人から見ると、日本というのは、ばかに頭もいいし、科学・技術もヨーロッパ並みに発達して、アジアでは先進国のはずなのに、どこか包容力がない、と思われているところがあるような気がします。 日本人はふだんはおとなしいのに、変なことになってくると、もともと包容力がないものだから、カッとして人をいじめたり荒々しく振る舞ってしまう。 役職では上下があるのは当然としても、その上下はあくまでも仕事上のものであって、人間としては対等であるという意識が身についていないのではないでしょうか。 ただ気をつけなければならないのは、計算高さは、顔や挙措振る舞いの中に自然に出てきてしまうということです。恋愛関係であろうと、一般的な人間と人間の関係であろうと、それはあまりいい印象を相手に与えません。利害関係を自分の中でどういう心がけで持っていたらいいのかは、その人の全体の人格に関することだと思います。利害ばかり考えていたり、言っていたりすると何となくそれが全体ににじみ出てきて、相手にもあまりいい印象を与えないかもしれません。 「経済的にも豊かだし、物騒なこともなくて、日本のほうがずっといいですよ。ただ、フランスには何ともいえない自由さがあるんです。国とか人種とかには何のお構いもなく、誰とも自由につきあえる。それは、日本で言う自由さとか差別のなさというのとはまるで次元がちがう」と。 大切なことはその都度変わっていきます。だから何が人生で重要だというふうに言われたら、ずっと一貫して、大切なものと現状の自分との距離について考えていくことだと思うのです。 いまの日本は、道徳的にもよくないから、品格とか愛国心とか武士道精神といったものを復活させようという考え方がブームになっているようです。しかし、僕はそういうことは無駄である、初めから無駄なんだと考えています。そういう復古的ないし懐古的なやり方が、このかつてない新しい社会の状態に対して通用するでしょうか。僕は、復古的な考え方は通用しないと思っています。 一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということです。それは歴史が何回も証明してきました。いいか悪いかではなく、考え方の筋道を深く追わなければ、問題の本質が見えてきません。考え方の微細な筋道をたどっていかないと、解決の糸口を見失ってしまうでしょう。

Posted byブクログ

2012/10/18

軽い会話的文章ですいすいと読んでしまい、肝心な思考がはじまらないうちに読み終わってしまった。2回目読みマストです。戦争感など意外と思える思想の持ち主だったことが驚きだった。特に何か指針が欲しい、と思っているわけではなかったが、実は求めているのかも、と読みながらふと感じてしまった。...

軽い会話的文章ですいすいと読んでしまい、肝心な思考がはじまらないうちに読み終わってしまった。2回目読みマストです。戦争感など意外と思える思想の持ち主だったことが驚きだった。特に何か指針が欲しい、と思っているわけではなかったが、実は求めているのかも、と読みながらふと感じてしまった。不思議な読後の心境。

Posted byブクログ

2012/10/17

吉本隆明の本は難しいのだが、これは語り口調で読み易くわかり易い。そうかなぁ?と思う点もあるが、流石に吉本隆明だと感心させられる事が多かった。色んな点で人生の指針になる本だと思う。もっと若い頃に出会いたかった。

Posted byブクログ

2012/10/01
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世の中のすべてには、善悪二面性がある。 どちらか一方にしか目を向けずに判断、理解する事の危険性を知る。清濁飲み込み、自分の毒と向き合い続ける。 やがてその生き様は顔に現れる いいことしか言わないのは、世に中に悪いことがたくさん現れて来たため。釈迦、親鸞、キリスト、孔子。 確かに、いずれも乱世に登場している。 読書も利を得ると同時に、毒もまた得る。

Posted byブクログ

2012/09/26

物事の両面性についてが印象的だった。何かに熱中した限りは必ず利だけでなく毒もまわる、という内容にはっとさせられた。それに気がつける眼を養っていけたら良いなと感じた。

Posted byブクログ

2012/09/22

物事は利と毒の二面性をはらんでいる、という部分が印象的だった。本を読むという行為にも、利はもちろん毒もある。それを認識して行動できるようになりたいと思う。

Posted byブクログ

2012/09/05

平易な言葉で吉本隆明の考えに触れられて、良かったと思います。 繰り返し出てきます幼児期、少年期の母親もしくは母親の役目を果たす人との関係性で性格とか育ちの良さが決まるという言説が心に残りましたね。 あとは太宰治に関しての記述とか。 やや駆け足で読んでしまったので、また読み返したい...

平易な言葉で吉本隆明の考えに触れられて、良かったと思います。 繰り返し出てきます幼児期、少年期の母親もしくは母親の役目を果たす人との関係性で性格とか育ちの良さが決まるという言説が心に残りましたね。 あとは太宰治に関しての記述とか。 やや駆け足で読んでしまったので、また読み返したいと思います。

Posted byブクログ

2012/08/29

高名な著者の思想に浸りたくて購入したが、正直物足りなかった。 様々なテーマに対して散文的に語られた、口述筆記のエッセイ集。非常に読み易いし、読む人によっては様々な新しいものの見方を提示してくれる本だと思う。だが残念ながら、今のぼくには響くところがそれほどなかった。 世間からの評価...

高名な著者の思想に浸りたくて購入したが、正直物足りなかった。 様々なテーマに対して散文的に語られた、口述筆記のエッセイ集。非常に読み易いし、読む人によっては様々な新しいものの見方を提示してくれる本だと思う。だが残念ながら、今のぼくには響くところがそれほどなかった。 世間からの評価は高い本のようなので、たまたまぼくの読んだ時期が悪かったか。

Posted byブクログ