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真贋 講談社文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2011/07/15 |
JAN | 9784062770057 |
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商品レビュー
3.7
73件のお客様レビュー
吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。 けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。 ものごとには両面があり、必然がある。 人の多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。 ...
吉本隆明氏の著書をはじめて読みましたが、これまで読まずぎらいだったとおもいました。 けっこう醒めていて、乾いた感情かとおもいますが、分かりやすい内容でした。 ものごとには両面があり、必然がある。 人の多少の努力や考えなどは、大勢を変えることなく、ゆきつくところまでいってしまう。 気になったのは以下です。 ・いじめるほうもいじめられるほうも両方とも問題児だ、ということだ。 ・いつも明るいところばかりを見ていたら、暗いところにあるものが見えなくなってしまいます。そもそも、暗いところにこそ、真実が隠されているのではなにでしょうか。 ・いくら科学技術が発達しても、人間の魂、精神が発達するわけではありません。むしろ、人間の精神というものは悪くなっていくものだという考え方もある。 ・天然自然を主体に考えたら、いいことも、悪いこともあるのが当然であって、悪いことを言わないというのは、それだけで、もうだめな証拠だということです。釈迦、キリスト、孔子、老子たちがいいことしか言わないのは、世の中に悪いことがたくさん現れてきたためというのです。 ・現に、日本の現代を例にとっても、少しもいい時代になっていないことを実感します。 ・本を読んだことによって毒がまわったかもしれないと考えるようになりました。 ・何かに熱中するということは、そのことの毒も必ず受けるということです。 ・人間自身もそうですが、すべてのものは善と悪を併せ持っています。 ・毒が回っている人の特徴は、何でもやりすぎるということです ・いい生き方:自分が持って生まれた運命や宿命というのがあるとすれば、それに素直に生きていくことではないかと。 ・蓮如:「白骨の御文章」 朝に紅顔を誇っている身も夕には白骨と化す ・親鸞:修業なんかしても浄土に行けない。浄土は実体ではないから、行くも行かないもない。ある意味で仏教にとどめを刺した人です。 ・「いいもの」は好き嫌いで判断できない何かを持っている ・期限をみれば本質がわかる ・僕は噂話や消息通の話など一切信用せず、自分の目や感覚で人やものをみるようにしてきました。良し悪しというのは、バランスのようなもので、全否定も、全肯定もなかなかできない者だと考えています。 ・一般の人間関係においても、いい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。 ・親鸞だけが、死ぬことは不定だと言い切って死ぬ時のことをあまり考えない方がいい、どういう風に死ぬかはわからないのだから考えても無駄であるという意味のことを言っています。 ・誰も教えてなんかくれないよ、自分で考えて、自分でやらないとやっていけない。 ・理想の自分と現実の自分が違うことがほとんどです。 ・自分がなりたい仕事と、他人から見た向き不向きが違うことはよくあることです。そういうときには両方やって、両方の修練をすればいいと僕は思います。 ■結論:すべてが逆な方向へ進んでいる ・いまの日本は、道徳的にもよくないから、品格とか愛国心とか武士道精神といったもの復活させようという考えがブームになっているようです。しかし、僕はそういくことは無駄である、初めから無駄なんだと考えています。 ・こういうのがいいんだ とわかっていても、そうはできないし、そのとおりにはならないのが現在の大きな問題なのです。やる人がいないし、耳を貸す人もいません。もしいても、それは少数だけで、根本的にはならないでしょうか。 ・一つはっきり言えるのは、いいことをいいと言ったところで無駄だということ、何はともあれ、いまは考えなければならない時代です。考えなければどうしようもないところまで人間がきてしまったということは確かなのです。 ・いま、行き着くところまできたらこそ、人間とは何かということをもっと根源的に考えてみる必要があるのではないかと思うのです。 目次 まえがき 1 善悪二元論の限界 2 批評眼について 3 本物と贋物 4 生き方は顔に出る 5 才能とコンプレックス 6 今の見方、未来の見方 あとがき ISBN:9784062770057 出版社:講談社 判型:文庫 ページ数:260ページ 定価:620円(本体) 発行年月日:2012年03月21日第3刷
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共同幻想論などとは異なり読みやすいが、さらりと書いた文章でも意味を理解するには、かなりの筋肉(読書量)が必要かと思う。3割くらい解釈できたかなぁ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
北海道文学館の展示鑑賞後、何か一冊と思い、書店で平積みされてたのを購入。 文学であってもどんな職業であっても毒と利があり、どういう毒が自分に回っているか自覚的にならねばいけないということは職業人生の中盤にさしかかり始め、本を読むことを趣味とする私には深く刺さった。 一方で人格形成を思春期までの母子関係に還元するなどやや??と思うこともある。 内容丸のみの読み方よりも、自分の価値観や時代性を踏まえ考えながら読むことに適した一冊。
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