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猫を抱いて象と泳ぐ の商品レビュー

4.2

560件のお客様レビュー

  1. 5つ

    209

  2. 4つ

    195

  3. 3つ

    82

  4. 2つ

    14

  5. 1つ

    4

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2026/01/01

主人公は、幼少期の中でデパート屋上で死んだ象のインディラ、バスのマスター、そしてミイラとの関わりを通じ、「大きくなること」への恐怖を感じ、成長を止めた。 そこから、からくり人形「リトルアリョーヒン」の中でチェスを指すようになっていき。。 主人公含め、全ての登場人物に名前があてら...

主人公は、幼少期の中でデパート屋上で死んだ象のインディラ、バスのマスター、そしてミイラとの関わりを通じ、「大きくなること」への恐怖を感じ、成長を止めた。 そこから、からくり人形「リトルアリョーヒン」の中でチェスを指すようになっていき。。 主人公含め、全ての登場人物に名前があてられてないが、それが気にならないほど丁寧な作品だった。 様々な登場人物との出会いの中でも、主人公のチェスへの思いは、「その人自身」で、「海を泳ぐ」と比喩されているのは、とても印象的だ。 山崎努氏の解説にもある通り、静かで優しい世界だった。

Posted byブクログ

2025/12/13

初めて登場人物の名前が出てこない小説を読んだ 途中で気づいたので何か物凄いどんでん返しものかと思いながら読んでたら普通に終わった 主人公が何かサヴァン症候群的なのを持っており人間を上手く把握できないからこうなってるのかなぜこの作りなのか気になった 人間に興味を持ってない訳ではない...

初めて登場人物の名前が出てこない小説を読んだ 途中で気づいたので何か物凄いどんでん返しものかと思いながら読んでたら普通に終わった 主人公が何かサヴァン症候群的なのを持っており人間を上手く把握できないからこうなってるのかなぜこの作りなのか気になった 人間に興味を持ってない訳ではないし? チェスで人間の深い魂と会話をするから名前なんて上っ面なもの関係ないみたいな事もあるのか インディラとビショップのつながり 同じ色(インディラにとっては屋上)でしか動けないから 総婦長のゴンドラでリトルアリョーヒンを掲げて行動以外全て外さず当たって嬉しかった リトルアリョーヒンの頬が薄ピンク色に染まっていたのはミイラとのHな事を考えているみたいでめちゃくちゃ雄みがあって良かった 途中中弛みを感じたが終盤持ち返した 人間はいづれ死ぬが温かい意志は脈々と繋がれる それをこの本で学べた

Posted byブクログ

2025/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

リトル・アリョーヒンには、チェスがあってよかった。 彼にとってチェスは、単なるゲームではなく、人生そのものだった。勝ち負けが存在するのはもちろんだけれど、彼が本当に大切にしていたのは、どんな「棋譜」が生まれるかということ、そしてそれを通じて誰かと交わされる「会話」だったのだと思う。 チェスは人生のように、対峙する相手や盤を挟む場所によって、まったく違う表情を見せる。汚い手を使ってでも勝ちを急ぐ者もいれば、報酬のために勝ち方にはこだわらない者もいる。そこには、その人がどんな人生を生きてきたかが、そのまま染み出している。 象徴的なのが、マスターがアリョーヒンを叱る場面だ。橋のたもとで賭けチェスに参加したとき、「そういう対局はするな」と彼は言う。 それは「賭けなんかに関わって自分の価値を下げるな」という忠告以上に、「そういう生き方をするな」「自分の人生をそんな場所に落とすな」というメッセージだったのだと思う。 深海クラブでは、アリョーヒンはアリョーヒンの中に入り、リトル・アリョーヒンとなる。あの場面は、彼が自分のアイデンティティをアリョーヒンに重ね合わせ、「自分」という器をそっと載せ替えるような行為に見えた。チェスの才能だけでなく、生きる姿勢そのものを借り受けるような、静かな変身の儀式だったのではないだろうか。 物語の終盤、老人ホームでひっそりとチェスを指し続けた後、アリョーヒンは静かに亡くなる。 それは、棋譜を求めて、会話としてのチェスを続け、人生とチェスを重ね合わせたまま、その「盤面」の中で息を引き取るような、美しい最期だったと感じた。 彼の顔や姿をはっきりと覚えている人は少ないかもしれない。でも、彼の存在や思い、そして彼が残した棋譜は、「ミイラ」という形で後世へと引き継がれていく。 たとえ名前を忘れられても、「確かにここに生きていた誰か」がいたという事実だけは、物語と記憶の中に残り続ける。 なもなき存在になったとしても、その人が生きていたという事実、その人が生き抜いたということを忘れないでいたい。 この物語は、そんなささやかな決意のような気持ちを、自分の中にもそっと灯してくれる作品だった。

Posted byブクログ

2025/12/02

“静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんな...

“静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんなことは起こりうる。少年の優しさと信念は、自分を変化させながら、時には変化しないことを目標にしながら、ゆるやかに人生を包み込んでいく。小川洋子さん初読みだけど、すっごいわ。 とにかく序盤から話がどう転がっていくか全く予想できない。先に背表紙を見ていたからチェスの話と知っていて読んだけれど、少年とチェスとの出会いの前にも数え切れないくらいたくさんのことがある。自分の頭の中に似た物語が存在しないから、情報をキャッチするのが新鮮で、全部が重くて、体力のいる読書だったけど、読後の穏やかな気持ちは何事にも変えがたいものがあった。 とにかく濃厚。上質なココアくらい濃厚。面白え。

Posted byブクログ

2025/11/14

静かに力強く前に進んでいく物語 名前の明かされない登場人物たちはみんな魅力的で、少し不穏さを纏わせている。 遠い国の話のようでいて、すぐ近くにあるようなお話。 幸福ではないかもしれない。でもきっと不幸でもない。その言葉が似合う小説です。

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2025/11/13

小川洋子さんらしい、静かで美しく少し残酷で、季節で言えば晩秋。でもなぜか温かみを感じるお話でした。 手元にずっと置いておきたい小説です。

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2025/10/08

一見暗いと思える出来事を少年はまるで違う見方をして見ている 思えばそれはチェスに出会うための布石 盤上の表現がほんとにユニークかつ美しかった。 チェスを通じて出会い、会話し、感情を味わう。 チェスは昔良くやっていたけど、もちろん弱い(笑) 少年と一緒に盤上を旅しているみたいでわく...

一見暗いと思える出来事を少年はまるで違う見方をして見ている 思えばそれはチェスに出会うための布石 盤上の表現がほんとにユニークかつ美しかった。 チェスを通じて出会い、会話し、感情を味わう。 チェスは昔良くやっていたけど、もちろん弱い(笑) 少年と一緒に盤上を旅しているみたいでわくわくした。

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2025/09/09

最後まで読み終わるのが本当に嫌だった。この優しくて静かな物語が終わってしまうのが寂しくて寂しくて、残り数ページを捲るのが躊躇われた。 私はチェスのルールなんてこれっぽっちも知らなかったけれど、だからこそチェスの宇宙をその広さを存分に味わえたのかもしれない。 カツカツと音を立てな...

最後まで読み終わるのが本当に嫌だった。この優しくて静かな物語が終わってしまうのが寂しくて寂しくて、残り数ページを捲るのが躊躇われた。 私はチェスのルールなんてこれっぽっちも知らなかったけれど、だからこそチェスの宇宙をその広さを存分に味わえたのかもしれない。 カツカツと音を立てながら敵陣に攻め入っていくチェスというゲームはただただかっこいいものだと思っていた。こんなに優しさに満ちているなんて知らなかった。 物語に出てくる彼らが特別に不幸とか幸せ者だとかではない。なのに満ち足りた気持ちとまだ何か物足りなさと、二つの空気が一緒にあって今までにない読書体験でした。 特にエチュードでS氏とみんなでチェスを指すシーンは読者をも緊張で張り詰めたあの空間に閉じ込めてくれたことが何よりも嬉しかった。嵐の騒ぎさえも気づかないほどの集中を一緒に味わえた。 またもう一度読もうと思う。

Posted byブクログ

2025/09/11

小学生の頃にチェスクラブに入っていたこともあり、とても楽しく読めた。チェスは好きだけど、そこまで奥深いものとは思っていなかったので、小川洋子さんの筆致によって「こんなに可能性のある世界なんだ」と新鮮な発見をした。久しぶりにまたチェスをやってみたいと思った。 駒の中では特にルーク...

小学生の頃にチェスクラブに入っていたこともあり、とても楽しく読めた。チェスは好きだけど、そこまで奥深いものとは思っていなかったので、小川洋子さんの筆致によって「こんなに可能性のある世界なんだ」と新鮮な発見をした。久しぶりにまたチェスをやってみたいと思った。 駒の中では特にルークが好き!最初は地味に思えるけど終盤になると一気に強さを発揮するところが魅力的。ビショップは使い方が少し難しいからこそ憧れもある。ナイトも独特で面白い駒だけどこの作品ではあまり目立たなかったなぁ。 小川洋子さんらしい独特な世界観とゆったりとした文体で、最初はページがすらすら進むタイプの本ではなかった。それでも「慌てるな坊や」というフレーズの繰り返しや、物語の中で先の展開を暗示するような構成は印象的で、読み進めるほどに心に残った。 結末はハッピーエンドを期待していただけに、あまりにも切なくて胸が痛む、、でも悲しいだけじゃない、読後にじんわりと余韻が残る感じ。結果として私にとって大切な一冊になった。

Posted byブクログ

2025/08/31

友人の好きな本だと聞いて一読 静かで優しくて寂しくて綺麗な作品だった。 チェスを知っていたらもっと楽しめそうだなと思った。 小説もそこまで読んだことがなく活字への体力がない状態で読んだので、小川ワールドに浸かりきれなかった。少し難しかった。 またいつか読み直したい。

Posted byブクログ