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猫を抱いて象と泳ぐ の商品レビュー

4.2

565件のお客様レビュー

  1. 5つ

    209

  2. 4つ

    196

  3. 3つ

    84

  4. 2つ

    15

  5. 1つ

    4

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2026/02/08

めちゃくちゃファンタジーなのですが、文章が読みやすく、登場人物たちのイメージが湧きやすかったです。さらに挿絵なんかもあると、もっと小説の世界観に入り込めた気もしますが。チェスのルールを知っていたら、もっと楽しめたと思います。それこそ、リトル・アリョーヒンに教えてもらえたなあと。

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2026/02/07

チェスを通して主人公リトル・アリョーヒンの生き様を感じた。生まれた時から口が開かず手術を迫られたり、また十一歳のまま成長が止まるなど、人とは違う経験を経て、どのような気持ちでチェスに向き合っていたのだろうと想像すると興味深いです。

Posted byブクログ

2026/02/05

1日で読みきった。 私は基本的に抑揚の少ない作品は飽きちゃって読めないからミステリーばっか読んでるけど、この本はいい意味で抑揚が少なくて、なのに飽きなかった。 少年を通して見る世界がなんて美しいんだろうと思った。 繊細で丁寧な表現で、文字を通して感じる彼が生きる世界がとても素敵だ...

1日で読みきった。 私は基本的に抑揚の少ない作品は飽きちゃって読めないからミステリーばっか読んでるけど、この本はいい意味で抑揚が少なくて、なのに飽きなかった。 少年を通して見る世界がなんて美しいんだろうと思った。 繊細で丁寧な表現で、文字を通して感じる彼が生きる世界がとても素敵だなと思った。優しくて、静かで穏やかで凪みたいなのに、ちょっと残酷で切ない。 すごく複雑で深い感情なのに、一つ一つの言葉が軽くて柔らかいから、水の上を歩いてるみたいな感覚だった。 読んだあとはちょっと切なくて優しい気持ちになった。もう1回読みたい。

Posted byブクログ

2026/01/27

静かで美しくて寂しくて切ない世界、感情がゴチャゴチャなはずなのに、小川先生は朝の光が部屋に入ってくるように一筋の光として書き上げてしまう。 不思議な世界をいとも簡単に脳裏に浮かび上がらせてしまう技術。読んでいて目が綺麗になる感覚。いつどこでどの季節に読んでも、きっと私を良い方向へ...

静かで美しくて寂しくて切ない世界、感情がゴチャゴチャなはずなのに、小川先生は朝の光が部屋に入ってくるように一筋の光として書き上げてしまう。 不思議な世界をいとも簡単に脳裏に浮かび上がらせてしまう技術。読んでいて目が綺麗になる感覚。いつどこでどの季節に読んでも、きっと私を良い方向へ導いてくれるそんな作品だった。

Posted byブクログ

2026/01/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトルからは想像できなかった。 チェスのお話だったとは。 小川さんの書籍は時々読みたくなるんだけど、 ブクログのランキング上位に食い込んでいるので手に取りました。 近年の小川さんの作品と比較し、 リトル•アリョーヒンは人、 もしくは思春期男子としての感情の揺れ動きが垣間見える。 マスターとの日々が良かったな。 食事や体格の良い人間に対する描写がなんとも言えない生々しさで、「ああ小川さんの本読んでるな」と言う気分になる。 吸引力があるかと問われると そうではなく、集中してゆっくりゆっくり読みました。チェスに興味湧いた。チェスの海気になる。 リトル•アリョーヒンは 信頼して待ってもらえる大人に囲まれて、 自分の道を見つけたんだね。

Posted byブクログ

2026/01/12

小川洋子先生の文章は本当に、何を食べて何を見て何を考えて生きていたらこんな繊細で心を打つ表現をできるのだろうかと思わされるが、一方でちょっと信じられないくらい残酷でグロテスクだなとも感じる。 手足がちぎれるだとか拷問されるだとか、そういう直接的に痛いグロさは皆無なんだけど、あとに...

小川洋子先生の文章は本当に、何を食べて何を見て何を考えて生きていたらこんな繊細で心を打つ表現をできるのだろうかと思わされるが、一方でちょっと信じられないくらい残酷でグロテスクだなとも感じる。 手足がちぎれるだとか拷問されるだとか、そういう直接的に痛いグロさは皆無なんだけど、あとに尾を引くような本能的なグロさが常にあって、(多分先生はそういうものがそもそも好きなんだろう、美しさを見出してるんだろう)と勝手に思っている。 私はものすごく怖いです。 成長しないことも成長しすぎることも屋上から出られないことも隙間に押し込められることも長年洗われない布巾も生きてるみたいに漂う脇毛も狭い人形の中に潜めるよう変わっていく関節の形も全部怖かった。 この小説が長く胸に残る間違いなく素晴らしい小説であることは疑いようもないが、それはそれとして本当にグロテスクで恐ろしいので、私は向こう五十年は再読しないだろうと思う。

Posted byブクログ

2026/01/01

主人公は、幼少期の中でデパート屋上で死んだ象のインディラ、バスのマスター、そしてミイラとの関わりを通じ、「大きくなること」への恐怖を感じ、成長を止めた。 そこから、からくり人形「リトルアリョーヒン」の中でチェスを指すようになっていき。。 主人公含め、全ての登場人物に名前があてら...

主人公は、幼少期の中でデパート屋上で死んだ象のインディラ、バスのマスター、そしてミイラとの関わりを通じ、「大きくなること」への恐怖を感じ、成長を止めた。 そこから、からくり人形「リトルアリョーヒン」の中でチェスを指すようになっていき。。 主人公含め、全ての登場人物に名前があてられてないが、それが気にならないほど丁寧な作品だった。 様々な登場人物との出会いの中でも、主人公のチェスへの思いは、「その人自身」で、「海を泳ぐ」と比喩されているのは、とても印象的だ。 山崎努氏の解説にもある通り、静かで優しい世界だった。

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2025/12/13

初めて登場人物の名前が出てこない小説を読んだ 途中で気づいたので何か物凄いどんでん返しものかと思いながら読んでたら普通に終わった 主人公が何かサヴァン症候群的なのを持っており人間を上手く把握できないからこうなってるのかなぜこの作りなのか気になった 人間に興味を持ってない訳ではない...

初めて登場人物の名前が出てこない小説を読んだ 途中で気づいたので何か物凄いどんでん返しものかと思いながら読んでたら普通に終わった 主人公が何かサヴァン症候群的なのを持っており人間を上手く把握できないからこうなってるのかなぜこの作りなのか気になった 人間に興味を持ってない訳ではないし? チェスで人間の深い魂と会話をするから名前なんて上っ面なもの関係ないみたいな事もあるのか インディラとビショップのつながり 同じ色(インディラにとっては屋上)でしか動けないから 総婦長のゴンドラでリトルアリョーヒンを掲げて行動以外全て外さず当たって嬉しかった リトルアリョーヒンの頬が薄ピンク色に染まっていたのはミイラとのHな事を考えているみたいでめちゃくちゃ雄みがあって良かった 途中中弛みを感じたが終盤持ち返した 人間はいづれ死ぬが温かい意志は脈々と繋がれる それをこの本で学べた

Posted byブクログ

2025/12/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

リトル・アリョーヒンには、チェスがあってよかった。 彼にとってチェスは、単なるゲームではなく、人生そのものだった。勝ち負けが存在するのはもちろんだけれど、彼が本当に大切にしていたのは、どんな「棋譜」が生まれるかということ、そしてそれを通じて誰かと交わされる「会話」だったのだと思う。 チェスは人生のように、対峙する相手や盤を挟む場所によって、まったく違う表情を見せる。汚い手を使ってでも勝ちを急ぐ者もいれば、報酬のために勝ち方にはこだわらない者もいる。そこには、その人がどんな人生を生きてきたかが、そのまま染み出している。 象徴的なのが、マスターがアリョーヒンを叱る場面だ。橋のたもとで賭けチェスに参加したとき、「そういう対局はするな」と彼は言う。 それは「賭けなんかに関わって自分の価値を下げるな」という忠告以上に、「そういう生き方をするな」「自分の人生をそんな場所に落とすな」というメッセージだったのだと思う。 深海クラブでは、アリョーヒンはアリョーヒンの中に入り、リトル・アリョーヒンとなる。あの場面は、彼が自分のアイデンティティをアリョーヒンに重ね合わせ、「自分」という器をそっと載せ替えるような行為に見えた。チェスの才能だけでなく、生きる姿勢そのものを借り受けるような、静かな変身の儀式だったのではないだろうか。 物語の終盤、老人ホームでひっそりとチェスを指し続けた後、アリョーヒンは静かに亡くなる。 それは、棋譜を求めて、会話としてのチェスを続け、人生とチェスを重ね合わせたまま、その「盤面」の中で息を引き取るような、美しい最期だったと感じた。 彼の顔や姿をはっきりと覚えている人は少ないかもしれない。でも、彼の存在や思い、そして彼が残した棋譜は、「ミイラ」という形で後世へと引き継がれていく。 たとえ名前を忘れられても、「確かにここに生きていた誰か」がいたという事実だけは、物語と記憶の中に残り続ける。 なもなき存在になったとしても、その人が生きていたという事実、その人が生き抜いたということを忘れないでいたい。 この物語は、そんなささやかな決意のような気持ちを、自分の中にもそっと灯してくれる作品だった。

Posted byブクログ

2025/12/02

“静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんな...

“静かな革命”みたいな言葉が似合う小説だなと思った。主人公の少年は自分の大切なものと平穏を守るために、残酷な現実と向き合い、時には対峙し、時には逃げ出す。その現実の残酷さにすら気がついていない時もあり、意味がわからないまま大人の世界に翻弄されてしまうけれど、実際生きていてもそんなことは起こりうる。少年の優しさと信念は、自分を変化させながら、時には変化しないことを目標にしながら、ゆるやかに人生を包み込んでいく。小川洋子さん初読みだけど、すっごいわ。 とにかく序盤から話がどう転がっていくか全く予想できない。先に背表紙を見ていたからチェスの話と知っていて読んだけれど、少年とチェスとの出会いの前にも数え切れないくらいたくさんのことがある。自分の頭の中に似た物語が存在しないから、情報をキャッチするのが新鮮で、全部が重くて、体力のいる読書だったけど、読後の穏やかな気持ちは何事にも変えがたいものがあった。 とにかく濃厚。上質なココアくらい濃厚。面白え。

Posted byブクログ